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2017年12月の記事

2017年12月24日 (日)

サクラダリセット(前・後編)

★★★

製作:2017年 日本 上映時間:103分+126分 監督:深川栄洋

 原作の小説は未読だが、この映画を観る前に吉原雅彦が描いたコミックは読んでいる。ただコミックを読んだ時にも感じたのだが、正直言ってこの作品については作者の意図が見えないし、ストーリー展開についても私には理解し難い感がある。

 映画についても、前・後編の作に分割するほど大長編に組む必要があったのかと疑問が残ってしまうのだ。ことに後編では中盤までは睡魔に侵されて辟易してしまった。もう少しすっきりとまとめて2時間半くらいの作品に仕上げて欲しかったね。
 と言っても、能力をコピーする能力とか、写真の中に侵入する能力とかは、なかなか斬新で面白い発想だと感じた。またキャスト的には不満はないのだが、こうした作品はどうしても説明が多くなり、無理矢理映像化した感も否めないね。
 いずれにせよ、なかなか評価の難しい作品であることは間違いないだろう。

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2017年12月18日 (月)

DESTINY 鎌倉ものがたり

★★★★☆

製作:2017年 日本 上映時間:129分 監督:山崎貴

Kamakura

 原作は西岸良平の人気漫画『鎌倉ものがたり』である。さらには監督も同じ西岸良平原作の『ALWAYS三丁目の夕日』でメガホンをとった山崎貴なのである。従ってクオリティーの高い楽しい映画に仕上がっているはずだろうと、安心して選択できる作品と言えるだろう。
 またこの作品の時代背景も『ALWAYS三丁目の夕日』と同様1960年代になっている。但し舞台はタイトルの通り鎌倉であり、ここには昔から妖怪や幽霊が住んでいると言うのだ。

 その妖怪たちと共存したり戦ったりしながら、夫婦愛を貫いてゆくミステリー作家・一色正和と、その妻の心温まる愛情物語なのである。主演の一色正和に堺雅人、年の離れた妻・亜紀子には、とと姉ちゃんの高畑充希が扮して、息がピッタリの大熱演を見せてくれた。
 さらに脇役陣も堤真一、安藤サクラ、田中泯、中村玉緒、國村隼、古田新太、薬師丸ひろ子、吉行和子、橋爪功、三浦友和と、個性豊かな豪華キャストで、一人一人が実に存在感のある見事な演技力を披露してくれるのだ。

 また山崎貴監督ならではの見応えのある特撮シーンも見逃せない。邦画で妖怪たちをこれほどリアルに楽しく描いたのは本作が初めてかもしれない。もちろん邦画にありがちのチャチな特撮は全く見当たらない。
 そしてクライマックスの「黄泉の国」へと渡る江ノ電・タンコロからの風景は圧巻としか言いようがない。またまるで「千と千尋」のような黄泉の国の佇まいにも酔いしれてしまうだろう。

 ラブシーンは一切ない愛情物語なのだが、笑いの中に涙が溢れる夫婦愛には、ただただ感動するばかりであった。とにかくこんな夫婦役を演じられるのは、いまのところ堺雅人と高畑充希しかいないよね。それにしても、久々に素直にしみじみとした感動を味わえる作品に巡り合えて嬉しかったな・・・。

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2017年12月14日 (木)

クロノスの少女たち

著者:梶尾真治

 とても可愛いカバーイラストを見ればすぐに判るが、本作は中学生向きのライトノベルである。ちょっぴり教育的な部分もあるが、大人が読んでもワクワクしながら楽しめるので、どうぞご心配なくお読みください。
 本書の原典は週刊『朝日中学生ウイークリー』で連載された「彩芽(わたし)を救え!」と「水紀がジャンプ」の二作品である。それに加筆・修正して一冊にまとめたのが本書と言うことになる。

 どちらも梶尾ワールドの神髄である時間テーマものであるが、それぞれ「意識のタイムリープ」と「タイムマシンを使ったタイムトラベル」ものに分類すればよいだろう。
 「彩芽を救え!」は、交通事故で死にかけた少女の意識が、時空を超えて次々に身近な人々に乗り移りながら、なんとか自分自身を事故から救い出そうとするお話である。また「水紀がジャンプ」のほうは、変わり者の伯父さんが発明したタイムマシンに乗って、アラビアンナイトの世界と恐竜の世界を冒険する少女のお話である。

 どちらの作品も、時空の旅がテーマになっているのだが、次は一体どうなるのかと、気になりながらあっという間に読破してしまう構成も似ているではないか。また二作まとめて新書版で約220ページという手ごろな長さなので、速読の得意な人なら2、3日もあれば簡単に読了してしまうに違いない。とにかくライトノベルの名の通り、軽くて楽しい小説である。
 

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2017年12月 9日 (土)

本能寺ホテル

★★★☆

製作:2017年 日本 上映時間:120分 監督:鈴木雅之

 京都の路地裏にひっそりと佇む『本能寺ホテル』のエレベーターは、戦国時代の『本能寺』へのタイムトラベルの入口だった。そんな荒唐無稽なお話で、綾瀬はるかのOLと堤真一演じる織田信長の出逢いをコミカルに描いた楽しい作品である。
 
 さて『本能寺ホテル』のエレベーターで戦国時代に跳んでゆくには、織田信長が使っていた言う古い時計を起動する必要があり、逆に現代に戻ってくるためには、ホテルのロビーカウンターにある呼び鈴を鳴らさなければならない。従って自分の意志では現代に戻ることは出来ず、偶然呼び鈴が鳴らされるのを待つしかないのが難点なのであった。

 綾瀬はるか演じるOLはボーッとしていて、流れに逆らわずに生きている目的のない女性なのだが、この物語全体の雰囲気もなんとなくぼんやりしていて灰色めいている感があった。そんな訳でこの話を通して何を主張したいのかが伝わってこないのが少し残念である。
 またこうしたお話には、必ずラストのどんでん返しが用意されるはずなのに、それもほとんどなくただただ素直に終わってしまったところに脚本力の弱さを感じてしまった。

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2017年12月 2日 (土)

君と100回目の恋

★★★

製作:2016年 日本 上映時間:116分 監督:月川翔

 時間をさかのぼることが出来る不思議なレコード。これを使って事故死した幼馴染の葵海(miwa)を何度も助けようとする陸(坂口健太郎)だが、どうやっても彼女を救うことが出来ない。
 その葵海はもうすぐ米国へ留学してしまう。そんな事情の中で、1年前に時間を戻して二人は幼馴染から恋人同士に昇格するのだった。そして最後のコンサートのあと、陸は果たして葵海を事故から救い出すことが出来るのだろうか。

 なかなか私好みの興味深いテーマなのだが、なぜ何度過去に戻っても葵海を事故から救い出せないかの説明が全く無いところが残念でたまらない。また陸が急にギターの名手になる種明かしも、米国映画の『恋はデジャヴ』のパクリではないか。
 そして少なくとも泣けると思ったラストも無感動だし、どんでん返しも全く無い平凡な締め括りにも失望してしまった。もっと言えば脚本の未熟さだけではなく、製作費不足のせいかキャスト陣もいま一つだっと感じたのは私だけであろうか。大好きな時間ループテーマだっただけに、残念を通り過ぎて悔しい気持ちで一杯である。

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