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2017年11月の記事

2017年11月19日 (日)

タイム・リープ あしたはきのう

著者:高畑京一郎

 著者の高畑京一郎は、1993年の『クリス・クロス 混沌の魔王』で第1回電撃ゲーム小説大賞〈金賞〉を受賞してデビューしたのだが、本作を含めていまだに4作しか書いていないという超・遅筆作家である。本作はそんな数少ない著作の中でも代表的な作品であり、1997年には大林宣彦監督の監修で実写映画化もされている。

 さて本作はタイムトラベル系の小説だが、タイムマシンを使って時空を超えると言う方法ではなく、女子高生の危機意識による時間移動という手法を用いて時空を越えてゆく。但し同じ時間軸を二度以上経験することはなく、ランダムに時間を渡り歩くという展開なのである。
 そしてなぜそうした現象が生じてしまったのかという謎解きに、ヒロインを狙い続ける犯人の存在が絡んでくる。だからどうなる・どうなると夢中になって、一気にむさぼり読んでしまうのである。
 ことに緻密な時間論理構成による時間パズル的な手法は、発表当時には驚くほど新鮮であった。さらにSF・ミステリー・学園・恋愛を絡めたうえにテンポも良く、まさに上質の名作小説に仕上がっていると確信する。
 
 さて『タイム・トラベル』、『タイム・スリップ』、『タイム・リープ』など、時間移動方法には似たような言葉があるのだが、一体これらはどう違うのだろうか。余り自信はないのだが、次のように括ってみたのだがいかがかな・・・。
タイム・トラベルとは、タイムマシンなどを使って時空移動するオーソドックスな方法
タイム・スリップとは、地震などの突発的な災害や事故により時空移動する方法
タイム・リープとは、自分自身の能力や意識により時空移動する方法
 こんなところであろうか。

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2017年11月 6日 (月)

ビッグ・フィッシュ

★★★★

製作:2003年 米国 上映時間:125分 監督:ティム・バートン

 父と息子の愛情をファンタジー仕立てに味付けした快作であります。
 男の子にとって、子供の頃は父親が自慢の種であり、父から聞く武勇伝や父の小さい頃の話には、目を輝かせて聞き入ったものです。これは少なくとも、昭和の半ば頃までは、日米ともに共通した伝統ではなかったでしょうか。。。
 この映画での父親も1人息子に、自分の若かりし頃の話をするのですが、その話が余りにも荒唐無稽であり、何百回も同じ話を繰り返すので、とうとう息子は結婚式の日に切れてしまうのです。

 その後父親が病に伏して、べットから出られなくなるまで、父と息子の絶縁状況が続きます。
 実は父親の荒唐無稽な話は、全くのホラ話ではなく、真実を楽しく脚色していただけだという事が判かるのですが・・・。テンポも良く、ファンタジックでロマンチックで、何よりもとても心温まる、ティム・バートンらしい作品だったと思いました。

 ただ1つ気になったのは、父と息子の愛情がテーマだと思っていたはずなのに、いつの間にか人間愛が中心になってしまったことです。タイトルから想像すると、実は初めからそちらがメインテーマだったのかもしれませんがね。
 それにしても現代の日本の父親は、ただ会社のために馬車馬の如く走り廻るだけの淋しい存在になり下ってはいないでしょうか。やはり息子には、母親だけではなく、父親の存在が大きいのだということを改めて考えさせられました。

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