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2017年8月 9日 (水)

フライト・デスティネーション

★★★☆

製作:2007年 カナダ 上映時間:98分 監督:ジェイソン・ボルク

 民間旅客機が時空を超えた異次元空間に移動してしまい、機内ではこれを元の世界に戻す努力が続けられる。またその航空機には、離陸直前に緊急事態で呼び戻された主人公・ケイレブの妻と娘が搭乗していた。地上に残されたケイレブは、必死になって手掛かりを捜査するのだが、なかなか思うように進展しない。

 ところでなぜ航空機が異次元空間に跳んでしまったのかを説明すると、かなりややっこしいのだが簡単に要約すると次の通り。
国家最高機密の「時空間移動装置」が開発者のウィンター博士に盗まれてしまう
博士は悪人ではなく、その装置を政府が戦争に使用するのが耐えられなかった
政府は国家機密の漏洩を恐れて、戦闘機を派遣して航空機ごと爆撃しようとする
それに気付いた博士が、急遽機内で「時空間移動装置」を稼働させ、間一髪のところで航空機は異次元空間に消え去る

 と言う流れである。それにしても簡単に一般の乗客全員を犠牲にしてまで守る国家機密なのだろうか。ちょっと待ってくれよと叫びたくなるではないか。

 タイムトラベル系の作品は大好物で、ワームホールがどんどん巨大化して建物や人を次々飲み込んでゆく。そしてアメリカだけではなく、地球丸ごといや宇宙全体を破壊してしまうという超壮大な発想に、なんとなく同調したい気分に巻き込まれたのだが…。
 その後の余りにも陳腐で理不尽な展開にむかっ腹が立ってきた。宇宙が破壊されてしまうという状況下で、なぜ機内でも地上でもアホなお邪魔虫がしつこく絡みついてくるのだろうか。もっともそれらの悪役が登場しないと、変化に乏しい退屈な映画にしかならないからかもしれない。

 まあ娯楽作品なのだから、多少の無理が目についても目を瞑るしかない。だがこのような安易な展開ならば、あえてタイムトラベル系の映画にしなくとも、テロでも脱獄でもとにかく単なるハイジャク映画にすれば良かったのではないだろうか。

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