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クイックセーブ&ロード

著者:鮎川 歩

 普通の人間なら、人生は一回限りでやり直しがきかないのだが、本作の主人公は何度でもやり直しができる能力を持っている。つまり死んでも再生可能ということなのだが、事前にセーブしておくことが必要となる。そうすることにより死後に再生する時間と空間が、セーブした時点からのやり直しで済むことになるのだ。

 セーブそのものはただ頭の中で念じるだけなので、脳に針を突き刺すような感覚が一瞬走るだけなのだが、死ぬときの痛みと恐怖感は半端ではない。それでも主人公は何度も何度も自殺を繰り返して再生しているのである。その感性は余り理解できないし、主人公の暗くてドジではっきりしない性格も好きになれない。

 ただ唯一の協力者である「超能力研究会」の常盤夢乃先輩のキャラだけは、なかなか好感が持てるし、染谷の漫画チックなイラストもなかなか良い味を漂わせている。

 ストーリーは、幼馴染の女の子を救うために、主人公が何度も自殺と再生を繰り返して別の結果を導こうとするのだが、ドジで非力で弱虫のためなかなか思うような結末にならない、といったループものにはよくある展開なのだ。そして終盤になって致命的なミスを犯してしまうのだが、それが通常のゲームと違い平行セーブできないという弱点であった。

 いずれにせよ新鮮さやストーリーの緻密さにはやや欠けるものの、読み易さという面ではかなり評価できるかもしれない。なにせ超・遅読症の私でも、350ページ近い本作を、僅か3日間で読了してしまったのだから…。

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