ロスト・エモーション
★★★☆
製作:2015年 米国 上映時間:102分 監督:ドレイク・ドレマス
あのSFの名作巨編である『ブレードランナー』や『エイリアン』を手掛けたリドリー・スコットが、製作総指揮をとった近未来SF作品である。終末の世界戦争により地上の99.6%が破壊されたのち、人類は滅亡から逃れるため感情のない人間の共同体を創り上げる。
だが時として、人間本来の愛や欲望といった感情が芽生えてしまうことがある。保険安全局はそうした人々を「病気の発症」として隔離施設に封じ込め、やがては安楽死と言う名の死刑台に送るのであった。
この映画は、そんな環境下で感情を発症し、恋をしてしまう男女のラブストーリーである。生まれて初めて感情を持ち恋をした男女なので、その愛はまるで高校生のように純真で燃えるような激しい愛となってゆく。だがいつまでも世間の目を誤魔化し続けることは不可能であり、いずれ二人にも破局が訪れることになる。
本作は静かでシンプルなSF映画であり、ロケ地はシンガポールや日本で敢行している。そして近未来都市のデザインは、なんと日本が誇る建築家・安藤忠雄がその世界観をリアルに再現したものだという。
無感情でプライバシーも無い世界のはずだが、監視カメラなどの設定が一切ないというやや甘い設定が気になる。ただSFというよりはラブストーリーに重点を置いているのだと考えて許容すれば楽しめる映画かもしれない。
いずれにせよ人類が滅びるのは「感情」と「欲望」であることは間違いない。惜しいかなそのあたりをもう少し掘り下げた脚本に仕上げていれば、もっと高評点をつけても許される作品になったはずである。
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