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2017年7月23日 (日)

アリーキャット

★★★☆

製作:2016年 日本 上映時間:129分 監督:榊英雄

Ariicat

 タイトルのアリーキャット(alley cat)とは、(裏通りをうろつく)のら猫のことだ。この作品もまさに猫が縁で知り合い、まともな職業につけない変わり者二人の奇妙な連帯を描いた一風変わった映画なのである。

 元ボクサーで東洋チャンピオンだった朝秀晃ことマル(窪塚洋介)は、警備会社でアルバイトをしている。そんなある日、飼い猫が行方不明になったのをきっかけに、自動車整備工場勤務の梅津郁巳ことリリィ(降谷建志)に出会うのだった。
 そんな折に、警備会社からシングルマザーのボディーガードを頼まれるのだが、その女・土屋冴子(市川由衣)は、かなりいかれたストーカーに付きまとわれていた。さらに彼女はそれだけではなく、 拳銃を所持している謎の男二人にも追いかけられていたのである。
 だが彼女はなかなかその理由を話してくれない。そんな謎の多い女なのだが、行き掛かり上マルとリリィは、とりあえず彼女を東京まで送って行くことになる。

 ジャンルとしては、ヒューマンなのか、サスペンスなのか、アクションなのか、恋愛ものなか・・・とにかく国籍不明仕様な映画なのだ。ストーリー的には飛躍し過ぎたかと思えば、終盤は全てを観客の想像に丸投げしている、といった微妙なタッチにつき、取り扱いに注意で賛否両論が凌ぎあいをしそうだ。
 ただ窪塚洋介の危ない渋さと、降谷建志の無鉄砲で熱い想いが、絶妙のアングルで絡み合っていたのが印象的だった。また市川由衣の大変身にも、覚悟を決めた女優の信念を垣間見ることが出来た。さらにはジムの会長役を演じた火野正平の、ド迫力な演技と存在感にも痺れてしまったのは決して私だけではないはずだ。
 
 なかなかレビューの難しい作品とも言えるが、上映時間の129分が短く感じられたほどのめり込める作品とも言えるだろう。ただ東京では『テアトル新宿』だけの上映と限定的なのが残念であるが、今後ヒットすれば他館での上映もあるかもしれない。ちなみに『テアトル新宿』は、平日の昼間で約6割程度の観客であった。

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