しあわせな人生の選択
★★★☆
製作:2015年 スペイン,アルゼンチン 上映時間:108分 監督:セスク・ガイ
なんだかおおらかな邦題に惹かれてこの映画を観てしまったが、原題は『TRUMAN』と言い、本作で主人公が飼っている老犬の名前なのである。そしてなぜかR15指定なのだが、終盤になってそのサプライズな理由が分かるだろう。
離婚して老犬とひっそりとスペインで暮らすフリアンのもとへ、長い付き合いのあるトマスがカナダから訪ねてくる。実はトマスはフリアンの従妹パウラから、フリアンが肺がんで余命いくばくもないと知らされて遠路はるばるやってきたのだった。
だがフリアンは、僅かな延命だけのために抗がん剤治療を受けることを拒否し、静かに死を迎える決意を固めていた。従ってもしトマスが延命のための説得に来たのなら、すぐに帰るように声を荒げるのだった。
しかしトマスはフリアンの硬い決意を理解し、4日間だけ彼と行動を共にすることにする。この作品はそのたった4日間の出来事だけを紡いだミニストーリーなのだが、中味はかなり濃いし奥行きもある。ただ死に対してダイレクトに悲しみを表現せず、愛犬の引き取り先や息子の将来を案じつつも、淡々といつも通りの生活を楽しんでいるように見えるフリアンを理解するのは難問かもしれない。
それにしても、将来の葬式代や旅費・食事代をはじめとして、4日間の費用全てを何の苦もなく負担したトマスの心情は、そして彼とフリアンの過去の関係は、一体どのようなものだったのだろうか。単なる親友というだけではなく、過去に同居していた事実からしてもゲイだった可能性は高いね。
とにかく淡々と4日間が過ぎて行くのだが、最終日前日の夜と、空港での唐突な出来事、この二つのサプライズでこの物語はエンディングを迎える。ところで実は、そのどちらも最初から意図されていたような気がするのは、決して私だけではないはずである。
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