想いのこし
★★★
製作:2014年日本 上映時間:118分 監督:平川雄一朗
末広涼子扮するところのポールダンサー・ユウコのほか、仲間のポールダンサー二人と年配の運転手が、夜の街で交通事故を起こして全員死んでしまう。だが4人ともそれぞれが、この世に想いのこしていることがあって成仏できず、幽霊として街の中を彷徨い歩いているのだった。
当然幽霊なので人間には見えないし、ぶつかっても通り抜けてしまうのだが、ある男にだけはその存在が分かるのであった。その男ガジロウ(岡田将生)こそ、道路に飛び出してきて交通事故を引き起こした張本人であり、なんと彼だけは奇跡的に助かって生身の人間として生存していたのだ。
なぜ彼にだけ幽霊が見えるのかは最後まで謎なのだが、事故の原因が彼にあったと言うことが怨念として彼の中に充満していたのかもしれない。そんな彼は女たらしで金にしか興味のない小悪党だが、なんとなく憎めないところもあった。
ポールダンサー・ルカとケイの想いのこしは、ともに彼氏とのこと。また運転手の明珍は元消防員で、街の防火対策が気になっていた。そしてユウコは、小学生の一人息子の行く先が心配で堪らないのだった。
ここまで話せば、彼等の想いのこしが一つずつ解決されて、無事成仏するまでを描いたファンタジーであることが想像できるだろう。そしてそこで感動の涙を流すシーンも用意されているはずである。
とにかく泣けたことは間違いないのだが、なにかストーリーにメリハリがなく、ドタバタ調の展開も気に入らない。それに幽霊たちが想いのこしている相手が、みんな示し合わせたようにブサイクなのだ。これではなかなか感情移入出来ないではないか。せめて子役くらいはもう少し可愛い子を配して欲しかったよね。
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