ガール・オン・ザ・トレイン
★★★☆
製作:2016年 米国 上映時間:113分 監督:テイト・テイラー
なかなかスタイリッシュなスリラー映画である。アル中のため職と夫を失ったレイチェルは、毎日あてもなく電車に乗り続けていた。そして毎日のように車窓から、離婚前に住んでいた家を眺めていた。そこから別れた元夫のトムと新妻アナとの生々しい生活や、近所に住むヒップウェル夫妻の暮らしぶりなどを覗き見ていた。
そもそもレイチェルがアル中に陥ったのは、トムとの結婚生活中になかなか妊娠出来ないことへの苛立ちと焦りが原因だった。また過度のアル中のためか、記憶の一部が欠落してしまうという障害も負ってしまうのだ。
それだけで済めばよかったのだが、ある日偶然に車窓からメガン・ヒップウェルが浮気をしている現場を目撃してしまう。それまでヒップウェル夫妻を理想の夫婦だと信じ切っていたレイチェルは、彼等の陰の部分を発見して異常な怒りを感じるのだった。そしてこのあと悲劇が勃発することになる。
あの『メメント』ほどの時間逆行ではないにしろ、時間軸が縦横に揺れ動くので、はじめは少し戸惑ったのだが、慣れてくるとなかなか洒落たストーリー構成だと感じるようになるから不思議なものである。そして終盤には気が付くものの、ラストのどんでん返しにもアッと驚かされるだろう。
また主人公のレイチェル、アン、メガンの三人の女性たちの葛藤とそれぞれの個性を見事に絡ませてミステリアスな作品に仕上げた部分は大いに評価したい。ただ性的な不満がこの作品の原点だとすると、その背景の描き方にもの足りなさを感じてしまうことも否めない。それにタイトルの「ガール」はないだろう、少女ではなく既婚女性なのだから「ウーマン」のほうが適切ではないのだろうか。
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コメント
こんばんは
すごくお久しぶりです。
これ、わたし原作も読みました。
映画も賛否両論あるようですが
私はこういう火サスのような作品わりと好きです。
そうそう、スタイリッシュな雰囲気もありましたよね。
「ガール」ではなくたしかに「ウーマン」ですよね。
でもわれわれも既婚でもけっこう「女子会」とか
臆面もなく言ってるときあるな~(汗)
投稿: なな | 2017年6月25日 (日) 21時45分