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2017年6月の記事

2017年6月29日 (木)

マックス・スティール

★★☆

製作:2016年 米国 上映時間:92分 監督:スチュワート・ヘンドラー

 マックス・スティールとは、米国マテル社が1997年に発売し、いまだに人気を維持している人気アクションフィギュアだという。そしてそれを実写映画化したのが本作であり、これまでのヒーローたちとは異なり、エイリアンと合体することにより変身するという”ツーマンセルヒーロー”だということである。

 まあその設定やヒーローの風貌などには不満はないのだが、覚醒するまでの時間が余りにも長過ぎた。覚醒したと思ったら、いきなりボスと戦っておしまいなのだから…。そのボスもなんだかねえ…。とにかくB級映画の臭いがプンプンだな。

 それに主人公がいつまでもウジウジと悩み過ぎるし、母親が父親の秘密を明かそうとしない理由も希薄である。さらに覚醒が遅過ぎたため、そのスパーパワーを十分に披露する暇がなかったのも食傷気味だ。もしかしてシリーズ化するかもしれないが、多分この映画の続編を観たいという気分にはならないだろう。

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2017年6月24日 (土)

想いのこし

★★★

製作:2014年日本 上映時間:118分 監督:平川雄一朗

 末広涼子扮するところのポールダンサー・ユウコのほか、仲間のポールダンサー二人と年配の運転手が、夜の街で交通事故を起こして全員死んでしまう。だが4人ともそれぞれが、この世に想いのこしていることがあって成仏できず、幽霊として街の中を彷徨い歩いているのだった。

 当然幽霊なので人間には見えないし、ぶつかっても通り抜けてしまうのだが、ある男にだけはその存在が分かるのであった。その男ガジロウ(岡田将生)こそ、道路に飛び出してきて交通事故を引き起こした張本人であり、なんと彼だけは奇跡的に助かって生身の人間として生存していたのだ。
 なぜ彼にだけ幽霊が見えるのかは最後まで謎なのだが、事故の原因が彼にあったと言うことが怨念として彼の中に充満していたのかもしれない。そんな彼は女たらしで金にしか興味のない小悪党だが、なんとなく憎めないところもあった。

 ポールダンサー・ルカとケイの想いのこしは、ともに彼氏とのこと。また運転手の明珍は元消防員で、街の防火対策が気になっていた。そしてユウコは、小学生の一人息子の行く先が心配で堪らないのだった。
 ここまで話せば、彼等の想いのこしが一つずつ解決されて、無事成仏するまでを描いたファンタジーであることが想像できるだろう。そしてそこで感動の涙を流すシーンも用意されているはずである。
 
 とにかく泣けたことは間違いないのだが、なにかストーリーにメリハリがなく、ドタバタ調の展開も気に入らない。それに幽霊たちが想いのこしている相手が、みんな示し合わせたようにブサイクなのだ。これではなかなか感情移入出来ないではないか。せめて子役くらいはもう少し可愛い子を配して欲しかったよね。

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2017年6月20日 (火)

エクス・マキナ

★★★☆

製作:2015年 英国 上映時間:108分 監督:アレックス・ガーランド

 米国映画の『モーガン プロトタイプ L-9』が本作と似ている(本作のほうが先に製作されているがDVD化は後)というレビューを読んで、順序は逆になったが早速本作をレンタルしてしまった。

 山奥にある研究所に本社の従業員が派遣されてくるというくだりと、女性の形をした人工生命体がガラスの仕切りがある部屋に閉じ込められているという設定は、『モーガン~』も本作もほとんど同じである。ただ『モーガン~』のほうはかなり暴力的で暗いイメージが伴っていた。ところが本作は登場人物は非常に少ないものの、美しい風景とSF的でスタイリッシュなビジュアルに加えて、ちょっぴりエロティックな映像も用意されているのだ。

 本作は閉鎖された場所だけで、淡々とストーリーが流れてゆくだけなのだが、人間と人口生命体の恋の行方が気になって、全く飽きることなく最後までスムースに鑑賞することが出来た。さらには人間と人工知能が繰り広げる駆け引きの真偽も気になった。それどころか、もしかすると全員が人口生命体なのではと言うような予感にも踊らされた。

 結局とどのつまりは、大きなどんでん返しもなく、意外にあっさりとした展開には、ちょっと拍子抜けしてしまった感がある。面白い映画なのだが、いまひとつのめり込ませて欲しかったな・・・。そこがちょっぴり残念である。

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2017年6月17日 (土)

ガール・オン・ザ・トレイン

★★★☆

製作:2016年 米国 上映時間:113分 監督:テイト・テイラー

 なかなかスタイリッシュなスリラー映画である。アル中のため職と夫を失ったレイチェルは、毎日あてもなく電車に乗り続けていた。そして毎日のように車窓から、離婚前に住んでいた家を眺めていた。そこから別れた元夫のトムと新妻アナとの生々しい生活や、近所に住むヒップウェル夫妻の暮らしぶりなどを覗き見ていた。

 そもそもレイチェルがアル中に陥ったのは、トムとの結婚生活中になかなか妊娠出来ないことへの苛立ちと焦りが原因だった。また過度のアル中のためか、記憶の一部が欠落してしまうという障害も負ってしまうのだ。
 それだけで済めばよかったのだが、ある日偶然に車窓からメガン・ヒップウェルが浮気をしている現場を目撃してしまう。それまでヒップウェル夫妻を理想の夫婦だと信じ切っていたレイチェルは、彼等の陰の部分を発見して異常な怒りを感じるのだった。そしてこのあと悲劇が勃発することになる。

 あの『メメント』ほどの時間逆行ではないにしろ、時間軸が縦横に揺れ動くので、はじめは少し戸惑ったのだが、慣れてくるとなかなか洒落たストーリー構成だと感じるようになるから不思議なものである。そして終盤には気が付くものの、ラストのどんでん返しにもアッと驚かされるだろう。

 また主人公のレイチェル、アン、メガンの三人の女性たちの葛藤とそれぞれの個性を見事に絡ませてミステリアスな作品に仕上げた部分は大いに評価したい。ただ性的な不満がこの作品の原点だとすると、その背景の描き方にもの足りなさを感じてしまうことも否めない。それにタイトルの「ガール」はないだろう、少女ではなく既婚女性なのだから「ウーマン」のほうが適切ではないのだろうか。

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2017年6月12日 (月)

鴨川ホルモー 

★★★

製作:2009年日本 上映時間:113分 監督:本木克英

 タイトルも意味不明だが、内容はさらに訳の判らんお話である。ジャンルとしては、コメディーであり、ファンタジーであり、青春・恋愛ものと言っても良いというか、どうでも良いと言ったほうが良いのやら…。とにかく出鱈目で中途半端な映画である。
 実はこの映画の原作は、実在の事物や日常の中に奇想天外な非日常性を持ち込むファンタジー小説家「万城目学」のデビュー小説なのだ。また本作は実在する京都大学を舞台に、式神を用いた戦いを描いた物語で、大ヒットとなった『鹿男あをによし』の原形になった作品と言えるだろう。

 キャストは主演の山田孝之をはじめ、濱田岳、栗山千明、芦名星など、製作当時は新鮮味溢れて実力のある若手俳優たちが終結しているのだが、いまひとつ彼等の魅力を十分に発揮できていない気がする。ことに栗山千明に光が当てられるのが遅過ぎた感があり、もっと大袈裟に覚醒させてもよかった気がする。またその後の彼女の扱いについても、いまひとつもの足りなかったね。そのあたりも中途半端の原因かもしれない。
 ただし一方で、荒川良々と石橋蓮司の存在が、この作品の世界観に大いに貢献したと思う。もし彼等が不在だったら、前半の退屈さを中盤まで引っ張ることが出来なかったのではないだろうか。

 結局最後まで観ても、ホルモーの意味や世界観を理解することが出来なかった。さらには肝心のオニ(式神)たちの造型にも、いまひとつ共鳴できなかったのも残念なる所以である。

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2017年6月 6日 (火)

著者:小山田浩子

 本作『穴』は第150回芥川龍之介賞を受賞している。最近の芥川賞は有名人や若い女性の受賞が多く、内容的にも分かりづらく読みにくい作品が多かった。そんな中で本作は、久々に分かりづらいが読みやすい作品であった。
 話のあらすじは、主人公が夫の転勤で、田舎にある夫の実家隣に引っ越してきたところからはじまる。
 とある日、姑に頼まれてコンビニに支払いに行く途中で、不思議な黒い獣と遭遇し、河原のほうへそれを追いかけるうちに、胸の高さくらいある穴にすっぽりと落ちてしまう。

 この黒い獣も謎めいているのだが、姑が連絡してきた支払金額がだいぶ違っていたり、突然聞いたこともない義兄が登場したりと、かなり不条理な雰囲気が漂いはじめる。ところが主人公は、それほど奇妙には感じていないようだし、悩むでなし夫や姑に相談するではなし、抵抗感が全くなく淡々とかまえている。そんな主人公の飄々としたような生活感度も、さらに不条理さの深みに誘っているような気がするのだ。
 だからなんとなく、つげ義春の後期のマンガや安倍公房や村上春樹の小説を読んでいるような雰囲気が漂ってくる。またインタビューによると、作者自身も何を書こうとしているのか不明であり、何なの分からないまま推敲し彫琢したものが、この作品になっているのだと言う。

 この『穴』という作品は約90頁で、本作だけで書籍するには短過ぎる。それで『いたちなく』と『ゆきの宿』という短編二作品を追加して書籍としてまとめられている。この『ゆきの宿』は本作を書籍化するにあたり書き下ろされた作品で、『いたちなく』の続編といったポジションのようだ。そしてどちらも舞台は田舎である。『穴』も田舎が舞台であることを考えると、著者は田舎に対して憧れ感を抱いているのであろうか。

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2017年6月 1日 (木)

モーガン プロトタイプ L-9

★★★☆

製作:2016年 米国 上映時間:92分 監督:ルーク・スコット

 あの『エイリアン』で一躍一流監督にのし上がったリドリー・スコットが製作し、息子のルーク・スコットがメガホンをとったSF系サスペンス映画である。タイトルは、モーガンの次にプロトタイプ L-9が付与されているが、実はそこのところが秘密の鍵なのである。終盤になるとその意味がはっきりとしてくるのだが、ここではネタバレになるので伏せておこう。

 ある山奥で、人間にそっくりの人口生命体が研究・開発され、数人の人間達と実験を兼ねて生活していた。ところがある日突然、人口生命体・モーガンにエラーが発生し、開発者の一人に暴力を振るい大怪我を負わせてしまう。
 それでその実態調査のために、本社から危機管理コンサルタントのリーと心理評価の専門家シャピロ博士が現地に派遣される。現地の研究員たちは、全員がモーガンに対して温情的で庇いだてするのだが、本社から派遣された二人はどちらかというと非情で否定的のような気がするのだ・・・。

 またモーガンがなかなか登場せず、序盤はかなり気を持たせる話ばかりでイライラが募る。だが中盤になって、モーガンの無表情な顔から一滴の涙が流れ落ちるシーンでは、人口生命体ならではの葛藤がひしひしと感じられて切なくなってしまう。また開発者たちのモーガンに対する愛情のようなものも伝わってくる。そしてそれと対象的なニヒルなでクールなリーの態度も非常に気になるのだ。

 ただ再びモーガンにエラーが起こると、彼女は完全に切れてしまい、そこからは急展開してしまいアクションだけの作品になってしまうのである。せっかくここまで人口生命体と開発者たちとの交流をしみじみと主張していたのに、これでは全てが帳消しになってしまうではないか。
 もう少し何とかならなかったのだろうか。惜しいかな残念ながら、前半の流れと終盤の展開が余りしっくりと繋がらないのだ。まあ駄作ではなく、そこそこ楽しめる作品ではあったのだが・・・。

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