3月のライオン 前編
★★★★
製作:2017年 日本 上映時間:138分 監督:大友啓史
原作が少女マンガで、将棋の青年プロ棋士を描いている作品だということだけは知っていたが、原作未読で事前知識は全くないまま映画を鑑賞した。囲碁の『ヒカルの碁』では、囲碁を全く知らない少年がプロになるまでの過程を中心に描いていたが、本作は初めから将棋のプロ棋士というところが異なっている。
またヒカルには藤原佐為という幽霊の師匠兼友人がとりついていたし、主人公自身も明るい性格だった。ところが本作の主人公・桐山零は、幼少期に交通事故で両親と妹を亡くし孤独で暗い性格なのである。
そんな背景もあり、序盤の暗く重苦しい雰囲気に少し辟易したのだが、有村架純扮するところの義姉が登場するころから俄然面白くなってくる。そして実際の将棋界同様に、奇人・変人のプロ棋士たちが闊歩する姿もなかなか興味深い。ことに故・村山聖九段がモデルになったライバルの二海堂晴信を演じた染谷将太の迫真の演技はかなり光っていた。
また将棋を指すシーンでは、盤面の映像やその棋譜の解説等はほとんどないが、棋士たちを演じた役者の表情の変化を観ているだけで、どちらの形勢が良いのか悪いのかが良く判るので、将棋を知らない人でも楽しめる仕組みになっている。ことに佐々木蔵之介、甲本雅裕、奥野瑛太、加瀬亮、伊藤英明、豊川悦司らの個性的なキャラ創りは俳優の演技力と演出の勝利なのだろう。
本作は将棋のプロ棋士が主人公であるが、「将棋映画」と言うよりはもしかすると「恋愛映画」なのかもしれない。いずれにせよ本作は前編なので、まだその全貌が明らかにされていない。ただ前編と言っても、きりの良いところでそこそこにまとめている。もちろん後編が公開されたら、是非また劇場で観てみたいものである。
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