奇跡のリンゴ
★★★★
製作:2013年日本 上映時間:129分 監督:中村義洋
絶対に不可能と言われた『リンゴの無農薬栽培』を成し遂げた男がいる。青森リンゴ農家の木村秋則さんである。この映画はその木村さんが、なんと11年間も失敗を続けながらも、やっとリンゴの無農薬栽培に成功するまでの実話を参考にして創られたという。
木村さんは少年時代からあらゆることに夢中になる性癖を持っていたが、何ひとつとして成功したためしがない。それでも少年時代は笑い話で済んだのだが、所帯を持って老人と子供3人を抱えて生計を維持して行かねばならないときに、リンゴの無農薬栽培に取りつかれて、一家は10年以上に亘って究極の貧乏生活を送る羽目になってしまうのである。
村中から変人扱いされ、途中で挫折しそうになり、離婚や自殺も考えるのだが、舅や妻子に支えられて何度か立ち上がることが叶う。つまりリンゴの無農薬栽培の成功は、彼一人の力ではなく家族全員の忍耐と励ましのお蔭だったのである。
とても良い話で、後半は途中で何度も涙が止まらなくなってしまった。私は常々人の死で泣かせる作品よりも、人の温かさに触れて泣かされる作品こそ、真実の感動作品ではないかと考えている。まさにこの映画こそ、そういった意味での感動作品と言って間違いないだろう。
また脚本の出来も素晴らしかったのだが、何と言っても配役のどれもがピタリとはまっていた。ことに主人公に阿部サダヲを起用したことにより、前半の暗く苦々しい生活感がかなり緩和されているし、妻役の菅野美穂がとても優しさに溢れていた。
そして舅役の山崎努のいぶし銀のような渋味のある演技にも大拍手を送りたい。ただ実話とはかけ離れたとしても、この舅も一緒に無農薬栽培の成功を喜んだ映像も加えて欲しかったね。
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