エイリアン3 完全版
★★★☆
製作:1992年 米国 上映時間:145分 監督:デヴィッド・フィンチャー
本作は後に『セブン』で一躍脚光を浴びたデヴィッド・フィンチャーの映画初監督作品である。ただ本作は企画段階からトラブルが絶えず、内容も分かり難くエイリアンシリーズ中では一番評価が低かった。そんなこともあり、フィンチャー監督自身もかなり落ち込んでしまったようである。
だが劇場公開版よりも31分長い完全版を観ると、かなり分かり易くなっているし、登場人物のキャラ立ちもかなり良くなっている。また完全版は単に未公開シーンを追加しただけではなく、エイリアンが寄生する宿主を犬から牛に変えたり、リプリーが自殺するラストシーンを改ざんしたりしているのだ。
いずれにせよ本作の世界観は、かなり宗教的かつ哲学的であり、全般的に暗くて救いがない。またリプリーと恋仲になった医師があっけなく殺されてしまったのは、宗教家を早く前面に出したかったからなのだろうか。だが医師にはもう少し役割があったような気がするのだが・・・。
またいつどのようにしてエイリアンはリプリーの体内に宿ったのか、なぜいつまでも体内から出てこなかったのか。それと溶けた鉛の中に落ちたエイリアンは、なぜ死なないのかといった疑問が次々に湧出して止まらないのだ。残念ながらそれらは、この完全版でも全く説明されていなかったのである。また今回は特に新しい展開も趣向もなかったため、「リプリーが死ぬ」ということだけに焦点を絞ったようである。まあそのあたりでやや不満は残るが、映画の雰囲気は決して嫌いではない。
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