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2016年6月の記事

2016年6月28日 (火)

ディストラクション・ベイビーズ

★★★

製作:2016年 日本 上映時間:108分 監督:真利子哲也

Babys
 愛媛県の松山を舞台に、若者たちの狂気を描いてゆく。そうまさに狂っているとしか言いようのない芦原泰良(柳楽優弥)は、喧嘩ばかりしている。だが喧嘩と言っても、何のかかわりもない者に突然襲い掛かるという意味不明の喧嘩なのだ。
 また泰良は強いばかりではなく、殴られることに快感を覚えているようにも見えるし、超人的にタフでしつこい。だからヤクザものにボコボコにされて気を失っても、翌日には殴った相手を執拗に追いかけて、相手が動けなくなるまで殴り続けるのである。
 
 泰良はほとんど喋らない。ただただ不気味な雰囲気で狂犬のように殴りあうことしか興味がないようなのだ。しかし弱いものいじめや女には手を出さなかった。
 ところが泰良の強さを利用しようと近づいてきた北原裕也(菅田将暉)に利用され、路上で女や老人を襲う裕也の手助けをしてしまい、その動画を流されて、警察に終われる身となってしまう。この裕也という青年が実に嫌な奴で、強い者には媚びて、弱いものいじめばかりする。まさに、「虎の威 を借る狐」である。

 それにしても全編殴り合いオンリー。観客はその喧嘩を見ている野次馬と化してしまうのだ。凄い迫力と嫌悪感が交錯する。とにかくこんな狂人は見た事がない。そして狂気に染まり切った柳楽優弥と菅田将暉の迫真の演技には、ただただ驚愕を通り越して恐怖を感じてしまうだろう。

 ただやたらと喧しい音楽には辟易してしまった。たぶん泰良の狂気とリンクしているのだと思うのだが、鼓膜が破れたら誰が保証してくれるというのか。またラストの閉め方も余り後味が良くないし、この作品から何もメッセージが伝わらなかったのも非常に残念である。

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2016年6月24日 (金)

ボーイ・ソプラノ

ただひとつの歌声 ★★★☆

製作:2014年 米国 上映時間:103分 監督:フランソワ・ジラール

 アル中の母親が事故で死亡。金持ちの父親がいるのだが、表向きに出来ない事情があるようだ。そして少年は無理矢理、名門少年合唱団を有する私立学校に入学させられる。
 少年の美声はまるで天使のように素晴らしいのだが、楽譜も読めず態度も極めて悪い。だが少年の才能を認める教師の指導により、彼は少しずつ歌うことの喜びを実感してゆくのだった。
 
 少年たちのソプラノは実に美しい。だがそれも、声変わりするまでの一時のまぼろしのようだ。スクリーンの中で教師が言う「ボーイソプラノとは、ほんの束の間、神様から借りる声である」
 では何のために辛い練習に耐え続けなくてはならないのか。という少年の疑問に答える教師「学ぶことに意味がある」と・・・。
 それにしてもクライマックスの少年たちの歌声は身震いするほど美しかった。そして少年の歌は終わり、次に静かなるハッピーエンドが待っているのであった。

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2016年6月19日 (日)

素敵なサプライズ

ブリュッセルの奇妙な代理店 ★★★★

製作:2015年 オランダ 上映時間:105分 監督:マイク・ファン・ディム

Saprise
 過去に『キャラクター/孤独な人の肖像』でアカデミー賞の外国語映画賞を受賞したマイク・ファン・ディム監督によるコメディー作品である。映像といい全体の雰囲気といい、まさに昔ながらのヨーロッパシネマという感があった。
 ストーリーはやや荒唐無稽で、なんと大富豪の青年ヤーコブは、自殺ほう助のサービスに申し込む。そしてどのタイミングで死ぬかわからないサプライズコースを選択する。
 ところが同じコースを選んだアンネという美しい女性と出会い、生まれて初めて恋心を抱き、死にたくなくなってしまうのだ。ところが自殺請負会社のほうは、秘密を守るため契約を解除してくれない。それで今度はドタバタ逃避行が始まるのであるが・・・。

 前半は歴史の漂う古くて大きなお屋敷とクラシックカーの映像や、大勢の使用人と彼等を指揮する寡黙で忠実な執事の姿が印象的であった。ところが母親が死んで、これらの財産を受け継いだ若者が、これら全てを投げ捨てて死ぬことしか考えないというところが理解不能だった。またせっかく恋愛によって生きるエネルギーを得たのに、自殺ほう助契約をキャンセルできないという仕組みにも納得できないのだ。

 わくわく且つイライラしながらも、二人の恋の行方とストーリーの結末に興味を持った瞬間、今度は180度逆転のどんでん返し。これで良いのか悪いのだろうかと、考えているうちに感動のシーンを迎えて、いきなりハッピーエンド。テンポが良く後味のすっきりしたお洒落な映画に仕上がっている。たまにこんな映画を観たいね。

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2016年6月15日 (水)

メイズ・ランナー

★★★

製作:2014年 米国 上映時間:113分 監督:ウェス・ボール

 巨大な壁の外側は謎の複雑な迷路だという。その壁の内側には、毎月一人ずつ記憶を消された少年が送り込まれてくる。彼等は一定のルールを守り、三年間を平和に暮らしていた。だがある日新たに送り込まれてきた少年は、そんな生活に耐えられず、迷路を抜けて禁断の脱出劇に挑むのであった。
 迷路の構造や蜘蛛のような怪物は、なんとなくコンピューターゲームを思わせる映像である。ただもう少し迷路自体に味があっても良かったのではないだろうか。

 それにしても、『バイオハザード』、『進撃の巨人』、『ハンガー・ゲーム』、『ヴィレッジ』、『トゥームレイダー』、『キューブ』等を、ごちゃ混ぜにしたようなイメージを感じたのは私だけであろうか。

 なぜ彼等が迷路の奥に送り込まれたのか、怪物やトラップは何のために用意されたのだろうか。ラストでの謎解きがとても楽しみだったのだが、分かったような分からないような中途半端な結末、というより本当の結末は続編を観てねという展開であった。
 それでは続編を観ようかなと思って、続編である『メイズ・ランナー2:砂漠の迷宮』のクチコミを読んだら、まだ謎を小出しにするだけで、またまた続編へという仕組みらしい。もうこの続編を観るのはよそうかな・・・。

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2016年6月 9日 (木)

愛と誠

★★★

製作:2012年日本 上映時間:134分 監督:三池崇史

 1974年に原作:梶原一騎、画:ながやす巧で「週刊少年マガジン」で連載開始されたマンガの実写映画である。70年代には、繰り返し映像化され、大ブームを巻き起こしたものだが、それから約40年近く経って、いままた三池崇史監督の手により実写化されたのが本作なのだ。

 思わず、「えっ冗談だろ、何を今さらこんな映画を創ったのだろう」と無視していたのだが、最近TVで放映されたので、それとなく時間潰しで観てしまった。
 何だか出だしから妙な雰囲気だと思ったら、何と1970年代に流行った歌謡曲を歌うミュージカル風の映画であった。それだけでもう大笑いしてしまうのは、きっと年寄りの証拠であろう。逆に言えば、こんな映画は年寄りしか観ないだろうと直感してしまった。年寄り向けの学園恋愛映画とでも名付けておこうか・・・。

 また高校生達を演じているのが、主演の妻夫木聡をはじめ、おじさん・おばさんばかりなのにも呆れてしまうのだ。観るほうにそうした思い込みがあるせいか、なんとなくそれぞれの演技が白々しいのである。
 そんな中でも、際立った演技と存在感を発揮していたのが、ガムコを演じた安藤サクラだった。彼女はその後『百円の恋』で日本アカデミー主演女優賞に輝いたわけだから、この当時からその片鱗を惜しみなく発揮していたのである。もう一人の芸達者を挙げれば、出番は少なかったものの、誠の母役を演じた余貴美子ではないだろうか。まあ彼女については言わずもがなであろう。

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2016年6月 6日 (月)

里見八犬伝

★★★☆

製作:1983年日本 上映時間:136分 監督:深作欣二

 滝沢馬琴の大長編読本『南総里見八犬伝』を現代風にアレンジした鎌田敏夫の『新・里見八犬伝』を映画化した作品である。
 巨匠:深作欣二監督がメガホンをとり、ジャパンアクションクラブによる迫力ある戦い、音楽はロックで英語の主題歌、当時としては破格の特撮などなど。
従来の時代劇では考えられなかった斬新な構成を施した大型エンタメ映画に仕上がっている。それにしても同じ深作監督の『魔界転生』と本作は、雰囲気がそっくりだよね。

 また33年前の作品なので当然だが、出演者の薬師丸ひろ子、真田広之、千葉真一、志穂美悦子などの若いこと。ことにひょろ長い真田広之の顔は、まるで別人28号だ。
 それから「エロい妖女」を演じさせたら夏木マリの右に出る者は皆無であろう。それほど妖怪女:玉梓を演じた彼女の存在感は凄まじかった。

 ただ悲しいかな、邦画としては破格の136分の長丁場とはいえ、所詮この作品を一本の映画にまとめるのはかなり無理があり過ぎる。またストーリーが強引かつ不自然で、八犬士の強さや得意技なども十分に披露できていない。
 従って本作のような大長編の群像ものは、NHK大河ドラマのような土壌で発表しない限り、十分な評価を得ることは難しいだろう。またアクション演技に拘り過ぎた結果なのか、通常の演技力に稚拙さを感じてしまったところも残念であった。

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2016年6月 1日 (水)

殿、利息でござる!

★★★★

製作:2016年 日本 上映時間:129分 監督:中村義洋

Tono
 タイトルをはじめとして、ちょん髷が銭で繋がっているポスターや、出演者の顔ぶれから想像して、本作はてっきり喜劇だと思い込んでいた。確かに多少笑いを誘うシーンもあったのだが、想像していたような喜劇とは全く別物であった。簡単に総括すれば「古い時代の良く出来た人情劇」と言うことになるだろう。
 
 江戸中期、仙台藩は財政貧迫状態に陥っていた。それために重税と荷物運びの賦役を課せられた領民たちは、破産や夜逃げが続出するばかりだった。そこでこの悪循環を断ち切るべく、立ち上がった穀田屋十三郎(阿部サダヲ)は、同志を募り家財を売り飛ばして銭を絞りだす計画を実行するのである。
 いくつもの障害を乗り越えながらも、町のために私財を投げ打って奔走する彼等の働きが認められ、やっと千両の大金を集めることに成功する。次はその金を藩に貸し付けて、利息で住民たちを救済する計画であった。ところが藩の財政を司る頑固な役人は、なかなかこの話に乗ってこない。さて一体この話はどうなってしまうのだろうか・・・。

 この前代未聞の、嘘のような人情話が、実話だったと言うのだからさらに驚きだ。その証拠は地元の寺の記録帳に記されていたのである。
 この映画の特徴は昔の貨幣やしきたりなどの説明を分かり易くしてくれるところ。またちょっぴり悪そうな人物も登場するのだが、それにしても良い人ばかりが多過ぎるということかな。チャンバラはゼロ。ちょっと風変りだが、なかなか面白く良く出来た新しいタイプの時代劇と言えよう。またラストに登場する羽生くんがサプライズだね。ただエンドロールの音楽は喧しいだけの失敗曲だッたような気がする。

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