ディストラクション・ベイビーズ
★★★
製作:2016年 日本 上映時間:108分 監督:真利子哲也
愛媛県の松山を舞台に、若者たちの狂気を描いてゆく。そうまさに狂っているとしか言いようのない芦原泰良(柳楽優弥)は、喧嘩ばかりしている。だが喧嘩と言っても、何のかかわりもない者に突然襲い掛かるという意味不明の喧嘩なのだ。
また泰良は強いばかりではなく、殴られることに快感を覚えているようにも見えるし、超人的にタフでしつこい。だからヤクザものにボコボコにされて気を失っても、翌日には殴った相手を執拗に追いかけて、相手が動けなくなるまで殴り続けるのである。
泰良はほとんど喋らない。ただただ不気味な雰囲気で狂犬のように殴りあうことしか興味がないようなのだ。しかし弱いものいじめや女には手を出さなかった。
ところが泰良の強さを利用しようと近づいてきた北原裕也(菅田将暉)に利用され、路上で女や老人を襲う裕也の手助けをしてしまい、その動画を流されて、警察に終われる身となってしまう。この裕也という青年が実に嫌な奴で、強い者には媚びて、弱いものいじめばかりする。まさに、「虎の威 を借る狐」である。
それにしても全編殴り合いオンリー。観客はその喧嘩を見ている野次馬と化してしまうのだ。凄い迫力と嫌悪感が交錯する。とにかくこんな狂人は見た事がない。そして狂気に染まり切った柳楽優弥と菅田将暉の迫真の演技には、ただただ驚愕を通り越して恐怖を感じてしまうだろう。
ただやたらと喧しい音楽には辟易してしまった。たぶん泰良の狂気とリンクしているのだと思うのだが、鼓膜が破れたら誰が保証してくれるというのか。またラストの閉め方も余り後味が良くないし、この作品から何もメッセージが伝わらなかったのも非常に残念である。
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