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2016年4月の記事

2016年4月30日 (土)

ホネツギマン

★★★

作:1998年 米国 上映時間:98分 監督:J・トッド・アンダーソン

 奇妙なタイトルですが、昼は整骨医で夜はプロレスのマスクマンの復讐物語といえば、なんとなく想像出来るでしょう。映画の作り方が雑で、荒唐無稽で、気味の悪いコスチュームのB級ヒーロー映画といえば、悪魔の毒々モンスター』を思い出しました。

 好き嫌いというより、マニア以外のまっとうな感覚を持つ人には、きっと耐え難い映画だと思います。僕的にはそれほど嫌いな映画ではありませんが、毒々モンスターのように、もっと超人的なヒーローにするか、プロレス物語に徹するか、どちらかにして欲しかったですわ。

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2016年4月27日 (水)

グランドフィナーレ

★★★★

製作:2015年 伊・仏・スイス・英国 上映時間:124分 監督:パオロ・ソレンティーノ

Grand
 本作はイタリア気鋭の映画監督によるもので、第28回ヨーロッパ映画賞作品賞・監督賞を受賞している。ネットの評判を見るとかなり高い評価を付けている人と、退屈極まりないと低評価を決め込んでいる人に分かれているようだ。確かに静かな田園風景の中で、会話の多い淡々としたストーリーが展開してゆくため、少し退屈と言えば退屈かもしれない。
 だが単純に退屈な映画と括ってしまえるほど、安っぽい映画ではないだろう。アルプスの高級ホテルに集まるセレブたちと、その内面に潜む人生の辛苦を散りばめた奥深い作品なのである。

 主役のフレッドは、著名なマエストロであり、時折美しい音楽が流れるが、音楽映画という訳でもない。あくまでヒューマンストーリーなのである。
 80歳を迎えて表舞台から退いた作曲家で指揮者のフレッドと、親友の映画監督ミックはアルプスの高級リゾートホテルに滞在することとなった。そこにある日突然、エリザベス女王の使者という来客が訪れるのだった。
 彼はフレッドの代表作を女王のために指揮して欲しいと頼むのだが、フレッドは個人的なある理由から、その依頼を断ってしまう。だがホテルに滞在するうちに、様々な人々との出逢いや、娘の離婚と親友の自殺などに遭遇し、だんだん気持ちが変わってくるのである。

 派手なアクションや驚くような展開や激しい感動は皆無であるが、実に悠々とした本格的な映画という感があった。また映像は美麗で音楽も癒されるし、俳優たちの演技力もなかなかである。さすがヨーロッパ映画賞は伊達ではなかった。たまには、ドンパチばかりのハリウッド映画から離れて、こうしたヨーロッパ仕立ての静かな映画を観るのも良いだろう。

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2016年4月23日 (土)

キューティー・ハニー

★★★☆

製作:2003年日本 上映時間:93分 監督:庵野秀明

 はははは、笑うしかありませんが、それにしても楽しい映画でしたよ。13年前の邦画とは思えない特撮とアニメの融合と、荒唐無稽な展開にあの『キル・ビル』を思い出してしまいました。そして笑いあり、涙あり、アクションあり、お色気ありのエンタメてんこ盛りの映画であります。

 馬鹿馬鹿しいといってしまえばそれまでですが、少なくとも僕にとっては傑作でしたね。さすが庵野秀明のプロデュースと感心しました。それにサトエリのスタイル抜群のプロポーションを、眺めているだけでもワクワクしてしまいましたよ。ただ当時金曜日の夜だというのに、400席近くある銀座シャンゼリゼに、40人足らずの観客では採算がとれないと嘆いたものでした。

 それに観客はオタク風の男ばかりだったと記憶しています。サラリーマンは僕1人だけで、ちょっと顔をあげるのが恥ずかしい雰囲気でした。また邦画でありながらワーナーブラザーズの配給になっていましたが、まだまだ当時の日本では、この手の映画を受けいれる土壌と余裕はなかったようですね。
 当時同じ荒唐無稽な『下妻物語』が大ヒットしていましたが、やはり下妻では、ギリギリ『現実』を踏み外さない範囲で留まったのが、女性達の入場を誘うことになり成功したのでしょうか。
 

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2016年4月17日 (日)

ちはやふる -上の句-

★★★☆

製作:2016年 日本 上映時間:111分 監督:小泉徳宏

Chihaya
 高校の競技かるた(百人一首)部をテーマにした青春ドラマで、いかにもコミック原作といった佇まいの実写映画である。主演は『海街diary』で売り出し中の広瀬すずで、幼馴染の太一と新には、野村周平と真剣佑が、また脇を國村隼、上白石萌音、矢本悠馬、森永悠希が押さえている。
 まだ続編である「下の句」があるので評価はし辛いのだが、本作の「上の句」は大それた可もなく不可もなく、一般受けしそうなファミレス風の楽しい学園ドラマといった趣であった。さすが日テレ協賛の東宝映画である。

 原作は読んでいないので比較は出来ないが、もう少し百人一首についてのうんちくがあっても良かった気がする。また競技のほうもすんなりと優勝してしまったような印象が拭えない。まあ映画には時間的な制約があるため、余り無理な要望は言えないのだが、もう一捻りの展開が欲しかった気がした。ただ総じて言えばまあまあの出来だし、広瀬すずの熱演と可愛らしさには◯を付けてあげたい。こうなったら是非「下の句」も観ておきたいものである。

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2016年4月14日 (木)

ルーム

★★★★☆

製作:2015年 米国 上映時間:118分 監督:レニー・アブラハムソン

Room
 7年間に亘って狭い部屋に監禁され続けた女性・ジョイと、そこで生まれた息子・ジャックの話である。と言うと怖くておぞましいだけの話を想像するだろう。もちろん怖い話に違いないのだが、監禁生活は前半だけで、やがて二人は必死に外界へ脱出し、衛星を使ってあっという間に犯人は逮捕されてしまうのである。

 もしこの映画が単なるサスペンス映画なら、ここでザ・エンドとなってしまうのだが、二人の監禁生活は序章に過ぎなかった。この作品の真のテーマは、心身ともにズタズタに傷ついた二人が、どのようにして社会復帰できるのかということなのである。
 また一番怖いのは犯人ではなく、近親者や親友、マスコミたちだったというシニカルな現実。そして死ぬほど可愛い息子が、あの忌まわしい犯人の子でもあるという、どうにもならない狂気の事実。

 たぶんジョイが行方不明なってしまったことが原因で、監禁状態になっている間に父母は離婚してしまった。そんなこともあってか、監禁状態のときはあれほど強かったジョイの心も、元の世界に戻るにつれてだんだん破壊されはじめる。逆に監禁されていた部屋だけが、この世の全てと信じていた無菌状態の息子のほうは、当初現実社会とのギャップに馴染めなかったものの、その成長力と順応性が著しく、次第に現状に慣れ親しんでゆくのである。

 傷心のジョイを演じたブリー・ラーソンは、この作品で『アカデミー主演女優』に輝いた訳だか、それよりも息子のジャックを演じたジェイコブ・トレンブレイに主演男優賞を捧げたい。それくらいこの子役の演技と存在感は圧倒的にズバ抜けていた。そしてこの少年の存在こそが、この映画を暗くじめじめした作品から、ヒューマンで生き生きとした作品に昇華する原動力となっていたような気がする。

 またサスペンスから一転してヒューマンという流れとなり、あの忌まわしい『ルーム』にどのような落とし前をつけるのかと、チラチラ考えながらスクリーンに没頭していた。そうこうしているうちに、母子は警官立会いのもとで、あの忌まわしいルームを再訪する。そこで少年が気付いたことは、「こんなに汚れた小さな場所だったのか」という当たり前の真実だった。ここで観客たちは、思わず静かなる感動に打ち震えてしまうのである。

 実に見事な収束ではないか!。いずれにせよ、親子ともどもの監禁、さらには監禁からの脱出劇、そして傷心の社会復帰という、斬新な流れと問題提起手法である。さらにそれに加え母子の抜群の演技力には、呆れるほど痺れてしまった。

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2016年4月11日 (月)

サラマンダー

★★★

製作:2002年 米国、英国 上映時間:103分 監督:ロブ・ボウマン

 一頭のオスが誕生したために、世界中にドラゴンが蔓延し、人類が滅亡寸前に追い込まれるという一種の近未来的怪獣映画であります。
 ただこの映画は、近代兵器とドラゴンの戦いは全くなく、廃墟になったあとの世界での人類とドラゴンの戦いしか描いていないのです。

 何故近代兵器をしても退治出来なかったドラゴンが、生き残った力のない少数の人間には殺されてしまうのか?この疑問が解けない限り、この作品を真面目に評価する気になれません。

 また2002年の映画として観れば、ドラゴンのCGはかなり素晴らしいのですが、何故か余り迫力が感じられず、恐怖感も湧かないのです。なんとなくゲーム感覚の作品でした。どうも予告編に騙されたような気もしますね・・・。

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2016年4月 7日 (木)

しあわせの法則

★★★

製作:2002年 米国 上映時間:104分 監督:リサ・チョロデンコ

 内容的には別段悪い映画ではないのですが、なんとなく昔の『私小説映画』を感じました。
 また監督が優しかったのか、もう一歩深入りしないため、ストーリーにメリハリがなく、同じ場所をダラダラと堂々巡りをしているようでもありました。

 この作品では母と息子の愛憎関係、ミュージシャン達の自由奔放な生態、恋愛のもろさなどが描かれていましたが、それぞれのテーマが噛み合わず焦点が定まっていないので、それぞれがどれも中途半端なまま終ってしまったようです。
 そのうえ『セレンディピティ』ではキュートで天使のような愛くるしいヒロインを演じていたケイト・ベッキンセールも、今回はその魅力が十分に発揮されていなかったようですね。

 またタイトルの『しあわせの法則』という意味は一体何だったのかピンときませんし、B級ホラー映画を思わせるラストシーンもいただけませんでした。
決して悪い映画ではないのですが、消化不良な1本だったかもしれませんね。

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2016年4月 1日 (金)

バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生

★★★☆

製作:2016年 米国 上映時間:152分 監督:ザック・スナイダー

Bvssuper
 ノーラン版スーパーマンの第二弾である。前回ゾッド将軍との戦いで街を破壊しまくったのは、本作を意識しての前ぶれだったようだ。つまりスーパーマンは今のところ正義の味方であるが、場合によっては危険極まりない存在になってしまうのだということであろう。

 本作はアメコミの2大ヒーローであるバットマンとスーパーマンが同時出演し、しかも戦うというのだから、アメコミファンには血沸き肉躍るような構図となっている。このようなヒーロー対決は、古くは『キングコング対ゴジラ』にはじまり、『フレディVSジェイソン 』、『エイリアンVSプレデター』と続いたものである。だがいずれも際物映画ばかりである。

 それに異星人で超人中の超人であるスーパーマンと人間のバットマンが戦っても、バットマンに0.1%の勝ち目もないはずだ。ところが本作ではバットマンが勝ってしまうのだ。その無理を通すために、バットマンはフェアな戦い方ではなく、例のクリプトナイトでの不意打ち作戦を選ぶのであるが・・・。ただヒーローとしては卑怯な手段だし、どうせクリプトナイトを使うなら、別段バットマンでなくともよいではないか。

 まあそのあたりの矛盾が、この二人の対決に無理があることの証しとなっている。またそれはそれとしても、なぜ正義の味方同士が戦わなければならないのか。詳しくは映画を観て考えてもらいたいのだが、結局はそれぞれの立ち位置によって、正義に対する考え方が食い違ってしまったという理屈なのだろう。だが私には余り説得力がなかった。また私自身はスーパーマンのほうには共感できるのだが、バットマンの執拗で異常な意思には、いま一つついて行けなかった。

 また本作を鑑賞するためには、スーパーマンとバットマンについて全て承知の助であることが前提となる。さらにノーランが手掛けた『バットマンシリーズ』と前作の『マン・オブ・スティール』の全ての映画を観ていない人にとっては、かなり不親切で傲慢な脚本構成となっている。
 まあそれには目をつぶるとしても、またまたいつもいつも、レックス・ルーサー、クリプトナイト、ゾット将軍というパターンしか見つからないのも退屈極まりない。それに加えて陰気臭いスーパーマンではかなり滅入ってしまう。  ノーランがどこまで拘わっているのか知らないが、子供時代から慣れ親しんでいた夢のヒーローたちを貶めるような映画だけは創って欲しくないね。

 それにしても、スーパーマンを裁判所に呼び出したり、挙句の果てはとうとうスーパーマンの葬式まで出してしまうのだから、スーパーマン映画というより、これはもうバットマン映画に成り下がっているようだ。もちろんラストシーンで一瞬棺桶が揺れたので、当然スーパーマンは復活すると思うのだが・・・。
 とにかく前作同様、私の思い入れの濃いスーパーマン映画」としては不満だらけで失格だったが、ワンダーウーマンの登場だけは新鮮で楽しかった。ただ彼女が突然登場した意図が不明だし、なんだかスーパーマンではなく、アベンジャーズという感じがしたのは私だけではないはずである。

 いずれにせよ私の拘りとして、スーパーマン映画は、例え俗な展開に終始しても、肩ひじ張らずワクワクしながら楽しく観たいのである。そしてもともとダークな雰囲気のバットマンはともかく、スーパーマンには、ノーラン風の退廃的かつ破壊的なブラックパロディーは似合わない。すなわちドラえもんを、ダークな雰囲気漂う実写映画にしても場違いなのと同じであろう。

 それにファンタジーを無理に現実化したような、このノーランパターンもすでに陳腐化しはじめ、ちょっと臭いよね。とにかく、ファンタジーはファンタジーのまま、そっとしておいて欲しいのだ。
 さて本作のラストの雰囲気を見た限りでは、第三作目が必ず創られるだろう。まあノーランでは無理だと思うが、次回作こそは安心感と夢が一杯だったあの頃の『スーパーマン映画』に回帰してもらいたいものである。

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