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2016年2月22日 (月)

婚期

★★★★ 

製作:1961年 日本 上映時間:98分 監督:吉村公三郎

 すでに半世紀以上前に製作された作品だが、全く陳腐化しておらず、現代でもそのまま通用しそうなコメディである。ただ29歳でオールドミスというのは、晩婚化している現代ではかなり厳し過ぎるけどね。
 またキャストたちも、優柔不断な夫を演じた船越英二をはじめとして、個性的な三姉妹を演じた若尾文子、野添ひとみ、高峰三枝子は、まさにピッタリカンカンの役どころだった。ただ妻役の京マチ子だけは、ちょっと違うような気がしたのは私だけであろうか。

 さてストーリー仕立ては、婚期が過ぎつつある小姑と同居している兄嫁との確執に、夫の浮気を絡めたコメディタッチのメロドラマ風味なのだが、これが意外と面白いのである。そのわけは、この作品が単純なホームドラマではなく、ピリリと辛みの沁みる皮肉なセリフや行動が多いこと。ことに労働法を隠し持つ「ばあや」北林谷栄の毒舌たっぷりの怪演は圧巻であった。
 ただラストがあっけなく収束してしまったことだけが残念でたまらない、まるで編集でフィルムをバッサリと切ってしまったような終わり方なのである。それともこうした締め方がこの当時の風潮だったのだろうか。

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