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2015年12月15日 (火)

横道世之介

★★★★

製作:2012年日本 上映時間:160分 監督:沖田修一

 ちょっと脳天気で図々しいのだが、明るく人柄の良い青年世之介のおバカ映画なのかと思っていたら、あの悲劇の実話をモデルにしたシリアスなお話であった。そのことが分かるのは中盤過ぎなのだが、劇中にラジオのニュースでさらりと流れるだけなので、うっかりしていると気付かないかもしれない。
 それにしてもこの映画は忙しい。時間軸が頻繁に入れ替わり、1987年あたりの過去とそれから16年後の現代を行きつ戻りつ、良く見ていないと何だか良く判らなくなってしまう。

 またこの作品に登場してくる人々は、主人公の世之介以外全て身元がはっきりしない。ヒロインの与謝野祥子ですら、成金らしき横暴な父親の娘であるということ以外は全く判らないのである。それだけ世之介一人にだけ強烈なスポットライトを浴びせたのであろうか。とは言っても、祥子を演じた吉高由里子のお嬢様ぶりは、ちょっと太めだったが実に可憐で良かったね。もちろん世之介を演じた高良健吾もハマリ役だが、綾野剛、朝倉あき、伊藤歩、柄本祐などもなかなか良い味を出していた。

 ただ上映時間160分は、ちょっと長過ぎたのではないだろうか。だいたいこの映画はどこで終わってもおかしくないし、逆にどこで終わってもおかしいのだ。そしてとことんしつこいようで、いつの間にか別れていたという、あっさり感も漂う一風変わった妙な感覚の作品である。まあ個人的には決して嫌いな作風ではなく、そこそこ楽しめた映画といえるだろう。

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原作は、「パレード」や「悪人」など、著作が次々と映画化されている吉田修一の「横道世之介」。第23回柴田錬三郎賞、2010年本屋大賞3位を受賞した“青春小説の金字塔”と呼ばれる長編小説だ。 『南極料理人』、『キツツキと雨』の沖田修一監督が、不器用ながらも真っ直ぐに...... [続きを読む]

受信: 2015年12月17日 (木) 10時38分

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