恋人たち
★★★☆
製作:2015年 日本 上映時間:140分 監督:橋口亮輔
『ハッシュ!』『ぐるりのこと。』の橋口亮輔監督が七年振りにリリースした長編人間ドラマである。ストーリーは、無気力な夫と気の合わない義母と暮らしている主婦、同性愛者で完璧主義の弁護士、妻を通り魔に殺害されて立ち直れない男の三人のドラマがパラレルに描かれてゆく。
それなりに良く出来た作品なのだが、かなり長過ぎる感があり、三つの話のまとめ方もいま一つだった。いずれにせよ、三人も主人公を設定する必要があったのだろうか。少なくともあまり面白くない「弁護士の話」は不要だったような気がする。
また三つの話の中では、妻を通り魔に殺害されて立ち直れない男の話が中核になっているのだが、余りにも暗過ぎるし物語に幅がなく、最後まで救われないので後味が良くない。どちらかと言えば主婦の話のほうが面白かったのだが、こちらは終盤の突飛な収束が余りも話の腰を折り過ぎている。
そんな訳で残念ながら『ぐるりのこと』を観たときのような感動は得られなかった。ただお洒落で緻密な構成力は相変わらず健在であり、これからの邦画が進むべく方向を示す作風であることは間違いないだろう。
また主役の篠原篤、成嶋瞳子、池田良などは、無名で容姿も今一つの俳優達なのだが、個性的な演技と存在感は超一流で素晴らしかった。この監督はこうした俳優たちを見つけるのが上手だよね。従って橋口監督に期待している人が多いようで、平日の昼間だというのにテアトル新宿は超満員、そして観客の熱気で溢れ返っていた。
下記のバナーをクリックするとこの記事の人気度を確認できます↓↓↓
↓ブログ村とクル天↓もついでにクリックお願いします(^^♪
| 固定リンク | 0
コメント