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2015年9月27日 (日)

イン・アメリカ 三つの小さな願いごと

★★★☆

製作:2002年 アイルランド,イギリス 上映時間:106分 監督:ジム・シェリダン

 もっと泣く映画だと思っていたのだが、際立った大きなメリハリもなく、淡々とした展開のように感じてしまった。だからと言って決してつまらない映画ではんいのだが、レビュー者泣かせの不思議なタッチの作品であるとも言えるだろう。
 ストーリーは、幼い息子を失った家族4人が、それぞれ傷心のままアイルランドからアメリカに移民してくるシーンから始まる。そしていくつかの苦労を乗り越え、さらには新しい生命の誕生とともに過去のしがらみを立ち切って、家族全員が前向きに生きてゆくという清々しい作品である。

 始めのうちは、画面の暗さも手伝ってか、暗く重苦しい映画なのかと錯覚してしまったが、二人の可愛い女の子達の明かるさが、この作品を重苦しい雰囲気から救いあげて、珠玉の一品に導いていたような気がする。印象的だったのは、少女が輸血のために血液を提供するときに、父親に対して『いつまでも子供扱いしないで』といったシーンである。
 父親は娘に対していつまでも子供でいて欲しいものだが、彼女たちはいつの間にか成長してゆくのものである。また影の薄い父親だが、家族のために重いエアコンを持って長い階段を登るシーンは、いかにもアメリカンそのものだと感じた。ただ移民という環境の乏しい日本人には、なかなか感情移入のし辛い作品かもしれない。

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