シンデレラ
★★★★
製作:2015年 米国 上映時間:105分 監督:ケネス・ブラナー
世界中の誰もが知っているお伽話の実写版映画であり、かなりの部分が原作に忠実に創ってある王道物語である。従ってストーリー展開も結論も、全てを承知の上で観ざるを得ない。だからこの映画を観ようと決心したのも、アニメと比較して実写版はどのように創られているのだろうかという好奇心だけであった。
それにディズニー映画だし、どの映画館でも字幕版よりも吹替え版が中心である。まあどう考えても、お子様ランチ的な作品なのだろうとタカをくくっていた。ところがさにあらずと言うか、お子様向けにしても侮れないと言うのか、実にバランスの良い見事な映画に仕上がっているではないか。
また原作にはなかったが、王子が森で鹿狩りをしているときに、シンデレラと初めて出会うシーンを挿入したのがかなり効果的だった。これにより、舞踏会までの流れに説得力が出来たし、王子の人物像や王家の葛藤なども明らかされているからである。
またキャストもなかなか素晴らしい。継母役のケイト・ブランシェットは、『ブルージャスミン』以来、貴婦人的な悪役がはまり役になってきたし、王子役のリチャード・マッデンも、単なるイケメンで優しいだけの存在ではなく、深みのある男らしい役柄を演じていた。
それに何と言っても、主演のシンデレラを演じたリリー・ジェームズのブルーのドレス姿とダンスシーンが実に煌びやかであった。決して超・美人というイメージではない。だが彼女が醸し出す美しさは、可憐で神秘的で純真で、それでいてほんのりと色気が漂っているのである。それこそは、まさにお伽話のシンデレラそのものだった。
シンデレラの実母が亡くなる前に残した言葉は、「どんな時でも勇気と優しさを持ち続けてね」だった。そしてシンデレラはこの言葉の意味を信じ、実父の急死にもめげず、継母たちの辛い仕打ちにも耐え、決して希望を失わず明るく生きてきた。そうすればいつかはきっと真実の愛と幸せを得ることが出来るものである。
余りにも単調で甘ちゃんな結論かもしれないが、人は皆心の底にそうした優しい願望を持っているのではないだろうか。また厳しい現代において恵まれない若い女性達にも、心が和み励まされるお伽話なのである。そしておじさんの私ですら、心の琴線を刺激されて涙ぐんでしまった。きっと老若男女の誰が観ても、良心的な映画だと感じるはずである。
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