バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
★★★☆
製作:2014年 米国 上映時間:120分 監督:アレハンドロ・G・イニャリトゥ
第87回アカデミー賞の作品賞、監督賞、脚本賞、撮影賞を受賞した渋い作品である。主役のリーガンは、かつて『バードマン』というヒーロー映画で一世を風靡したが、現在は年老いて落ちぶれ現実と幻想の狭間の中で苦しんでいる。
そのリーガンを演じたのが、かつて『バットマン』で人気を博したマイケル・キートンなのだ。まるで彼自身の実話のようではないか。まさにこれ以上この役柄にハマれる俳優は存在しないだろう。だからアカデミー主演男優賞が受賞出来なかったことが不思議でならない。
アカデミー賞の4冠を征した作品であるが、たぶんその評価は両極端に分裂することだろう。まず特筆すべきは、その撮影手法であろうか。ワンカット風の長回しに加え、主演のマイケル・キートンを追い続けるような現実タッチに、時々乱入してくる妄想シーンが観客たちを異次元に誘い込んでゆくのだ。またその妄想空間を表現するのが、効果的なドラム音だけというのもなかなかユニークである。
玄人はこれらの手法を、斬新で素晴らしいと評価するが、素人にとっては暗くて疲れるだけかもしれない。まあアカデミー賞とはそうした世界なのだからと、割り切ってしまえばそれまでだが、ストーリーが支離滅裂でエンディングも後味が良くないと感じる人も多いだろう。ある意味観客無視の芸術作品かもしれない。だから「なんだかんだ言っても観客から銭を取る映画は、エンターテインメントである」と主張する人には、この作品は薦められないのかもしれない。
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