ダブルトーン
著者:梶尾真治
リリカルなSF恋愛ファンタジー小説には定評のある梶尾真治の新作だが、本作はSF恋愛サスペンスといった趣の作品に仕上がっている。さらに2013年には、NHKで連続ドラマ化され好評を得たようだ。
ユミという名の二人の女性。一人は娘を保育園に通わせて、税理士事務所で働く30代前半の主婦である田村裕美(たむら ゆみ)。もう一人は大手広告代理店の下請けのような仕事をしている24歳の独身女性である中野由巳(なかの ゆみ)。
この二人は年も違うし、全くの別人なのだが、なぜか意識を共有している。つまりある朝目覚めると田村裕美なのだが、翌朝になると中野由巳に戻っていたりと、まるで二人は同一人物であるかのような不可思議な現象の中に生きているのだ。
だが実は二人の間には2年間の時空が横たわっており、二人は同一時間に生きているのではなかった。そのことが分かったとき、2年前に田村裕美が謎の死を遂げていたことも判明する。
ショックを受けた中野由巳は、田村裕美の死因を調べて、なんとか彼女を救えないものかと奔走する。そして田村裕美の夫だった田村洋平と偶然知り合い、彼の力を借りながら裕美の死因を解明してゆく。だがそれによって由巳は、危険に巻き込まれてゆくのであった。
アイデアはなかなか優れているのだが、回りくどい展開と主人公の不自然な行動には少々イラついた。また犯人の動機も無理やり気味という感があったことが多少残念である。だがいつもながら、梶尾作品は読み易くて面白いことだけは変わらないよね。
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