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2014年12月の記事

2014年12月28日 (日)

ミニミニ大作戦

★★★

製作:2003年米国 上映時間:111分 監督:F・ゲイリー・グレイ

 
 1969年製作の同名映画をリメイクした作品なのだが、奪った金塊を載せたオースティン・ミニ・クーパーが、狭い空間をヒョコヒョコ走り抜けるシーン以外は全く別の作品と言えよう。

 ネットでの評判がかなり高いので期待してDVDを観たのだが、私にとってはやゝ期持外れだったかもしれない。
 とは言っても、オープニングからの、爆薬を使って床ごと金塊を頂戴する圧巻シーンと、狭いナポリ運河でのモーターボートチェイスは見応えがあった。

 しかしこの作品はそれで終ったような感がある。それ以降、横どりされたお宝を取り戻す作戦は、たヾど派手なだけで、同じパターンのアクションが延々と繰り返されるだけで退屈であった。
 スマートでかつスケールある泥棒映画として観れば、流石ハリウッドと唸りたいのだが、せっかくプロフェッシナル集団を揃えたのに、彼等の個性を生かし切れていないところが単調過ぎて非常に残念である。
 

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2014年12月24日 (水)

百円の恋 

★★★★☆

製作:2014年日本 上映時間:113分 監督:武正晴

100yen
 ミニシアター系の映画で、上映館は全国でたった三館しかない。だが低予算でも、ここまで面白い映画が創れると言う見本のような映画であり、第27回東京国際映画祭の日本映画スプラッシュ部門で作品賞を受賞している。

 実家の弁当屋を手伝うでもなく、毎日夜更かし朝寝坊の自堕落な生活を送り、妹との大喧嘩をきっかけに実家を飛び出て、ボロアパートで一人暮らしを始める一子。百円コンビニで深夜労働をするのだが、同僚は奇妙でおかしな店員ばかりだ。
 そしてその通勤途上にあるボクシングジムで、寡黙に練習に打ち込む狩野と出会い、生まれて初めて淡い恋心を抱くのだった。その後一子は、コンビニの同僚に強姦されたり、同棲した狩野にも捨てられて散々痛い目に合う。だが自らボクシングにのめり込むことによって、心身共に再生してどん底から這い上がってくるのだ。

 ボクシングというツールを通して、ただ単にブラブラ暮らしている人間の弱さと、何か目的を持ったときの人間の強さを、実に分かり易く見事に描いているではないか。そして少なくとも若い男性ならば、ラストの「あしたのジョー」もどきにもきっと感動し、確実にカタルシスが得られるはずである。

 それにしても、その肉体と精神の大変身ぶりや、ボクシング技術の習得など、ヒロイン一子を演じた安藤サクラの大熱演には、立ち上がって大きな拍手を送りたくなること請け合いだ。もしかすると、これが彼女の大ブレークの始まりになるかもしれない。この映画こそ、是非ともニート中毒者たちに観てもらいたいものである。

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2014年12月21日 (日)

ストックホルムでワルツを

★★★☆

製作:2013年 スウェーデン 上映時間:111分 監督:ペール・フリー

Stock
 スウェーデン出身の世界的ジャズシンガー、モニカ・ゼタールンドの半生を描いた伝記ドラマである。彼女は電話交換手をしながら、5歳の娘を育てるシングルマザー。さらに仕事が終わってから、バスに飛び乗り歌手を目指してクラブで歌う。
 結局は幼い娘を両親に押し付けたまま、自由奔放に生きることになる。だからそれを快く思わない実父に反対されるのだが、常に自分の夢に向かって走り続け、ついにはモダンジャズ界の歌姫に上り詰めてしまう。その数年間の喜怒哀楽と苦悩を、歌を交えて描いてゆく。ただしだからと言ってミュージカルではない。

 主役のモニカを演じたのは、シンガーソングライターのエッダ・マグナソン。どうりで歌が上手いはずである。それに演技力も大したものだし、美人で脱ぎっぷりもなかなか大胆だ。これでは本職の女優も真っ青であろう。
 彼女が成功したのは、負けず嫌いで常に上昇志向の性格とその美貌のお蔭であろう。そして母国語(スウェーデン語)でジャズを歌ったということが大躍進の始まりであることも否めない。

 だがその陰には、両親や再婚相手の協力があったことも見逃せない事実である。いずれにせよ、余り感じの良い女性ではなかったようで、主人公の行動には全く共感を得られなかった。またスウェーデン映画のためか、余り派手なシーンがなく、終盤の盛り上がりに欠けたのも残念だが、ハッピーエンドだったのが救いかもしれない。

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2014年12月18日 (木)

インターステラー

★★★★

製作:2014年 米国 上映時間:169分 監督:クリストファー・ノーラン

Intar
 タイトルの『インターステラー』とは「惑星間移動」を意味する言葉である。ストーリーは食糧不足や地球環境の大変化による砂嵐や食料不足などによって人類滅亡が迫る中、それを回避するミッションに挑む男の姿を追いかけてゆく。

 『2001年宇宙の旅』を髣髴させられる壮大なSF作品であり、相対性理論、多元宇宙論、マーフィの法則 、ワームホール、ブラックホール、5次元世界など難解で深淵なテーマが次々に提示される格調高い作品である。
 ただしラストのブラックホールと5次元世界の関連などについては、見方によってはご都合主義的な結末に感じてしまうかもしれない。ただなにせ、まだ現状では人間未領域の世界なだけに、どうにでも考えられるので、荒唐無稽と一蹴しないで、そうした考え方もあるのか、という程度に留めて置くしかないだろう。

 そのラストシーンを除けば、全体的にある意味現実的なスペースオペラとも言える。ただ169分の長丁場であり、難解な物理理論が飛び交うため、事前にある程度の予備知識を仕入れておいたほうが良いかもしれない。
 必ず帰ってくると約束した言葉通り、ラストで年老いた娘と再会するシーンは感動的ではあるが、なぜか『フォーエヴァー・ヤング 時を越えた告白』や『オーロラの彼方へ』を観たときのように大泣きすることはなかった。そこが少々物足りなく感じたところでもあり、号泣させられると期待していただけに、非常に残念な気分である。

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2014年12月13日 (土)

寄生獣

★★★☆

製作:2014年日本 上映時間:109分 監督:山崎貴

Kiosei
 原作のマンガ『寄生獣』が初めて連載されたのが1988年。従ってもう四半世紀以上前の作品ということになる。
 このマンガは、宇宙から飛来した謎の生物が人間に寄生して、次々に人間を襲ってゆくと言う話で、読み始めた当初は『SF/ボディ・スナッチャー』や『遊星からの物体X』のオマージュではないかと思った。
 だが読み進めて行くと、単純なパラサイトものではなく、ヒーローアクションあり、親子愛や恋愛、友情なども織り込まれている。そして長過ぎず、短過ぎずバランスの良い完成度の高いマンガであることに気付いた。

 さてそれでこの実写映画であるが、さすが『三丁目の夕日』の山崎貴が手掛けただけに、CGやVFXの出来は邦画とは思えないほど素晴らしい。だがどうしても原作をイメージしてしまうため、ストーリーがかなり省略されていることがちょっと残念である。
 いずれにせよ、一作には抑えきれず二部作になっているのだから、思い切って三部作にしてもう少し原作に近づけたほうが良かったのではないかと感じた。また主役の染谷将太をはじめ、田宮良子の深津絵里、村野里美の橋本愛、母親役の余貴美子など、主要な登場人物も原作のイメージとかなりかけ離れていたことも残念の上塗りではないだろうか。逆に言えば原作を知らないほうが楽しめるのかもしれない。

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2014年12月 9日 (火)

白ゆき姫殺人事件

★★★★

製作:2014年 日本 上映時間:126分 監督:中村義洋

 湊かなえの原作本を読み始めたばかりだったが、レンタル屋の棚でこのDVDを見つけてしまい、原作を読む前のほうが面白かろうと、早速レンタルすることになってしまった。
 やはりミステリーものは、最初から犯人が分かってしまったら面白くない。だから小説を読む前にDVDを観て正解であった。
 それにしても、湊かなえの小説は、主要人物の告白という展開が多い。本作も間違いなくその手法を駆使しているが、それぞれの告白が皆自分に都合の良い告白なのである。このように複数の視点から、同一事象を矛盾と錯綜に絡めて描く手法は、あの芥川龍之介の短編小説『藪の中』の世界と言えよう。

 まあ小説の手法については別の機会に譲るとして、映画としては斬新だしそれなりに楽しむことが出来た。また主演の井上真央をはじめとして、皆その役柄にぴったりとはまっていたような気がする。また少女時代の子役も、良く似た子を探してくるものだと感心してしまった。

 それにしても、OLたちや少女たちの、女のいやらしさについて、具体的に細かく描いているよね。やはりこうしたいやらしい女性心理は、女性作家でなければ絶対に書けないと確信してしまった。

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2014年12月 4日 (木)

あなたを抱きしめる日まで

★★★★

製作:2014年 フランス、英国 上映時間:98分 監督:スティーヴン・フリアーズ

 10代で未婚の母となり、強引に修道院に入所されられた後、幼い息子とも強制的に引き離されてしまった女性の実話である。主演は007の上司Mで知名度を上げた名女優ジュディ・デンチ。また彼女の息子を探すために行動を共にするジャーナリストのマーティン役には、スティーヴ・クーガンが扮していい味を出している。

 本来は暗く深いヒューマンドラマなのだが、余りそれを感じさせずに最後まで興味深く観ることが出来た。それはとりもなおさず、純な少女のまま老女になった主人公のフィロミナと、彼女の息子探しを記事にしてキャリアを挽回しようとする元エリート記者のマーティンの組み合わせが楽しかったからだろう。

 原題は主人公の名前である『PHILOMENA』であるが、邦題から推測すると最後に息子と抱き合えるのだろうと期待してしまう。だがラストシーンは明らかに、宗教的なメッセージが込められており、かなり難解なテーマを提示しているような気がした。また私の個人的な好みとしては、米国的なハッピーエンドのほうが共感出来たと思うのだが、実話なので仕方ないか・・・。

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