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蜩の記

★★★★

製作:2013年 日本 上映時間:129分 監督:小泉堯史

Higurasi
  最近の時代劇は、マンガチックなものや、コミカルなものが多かったが、本作は久し振りに登場した本格時代劇と言えよう。さすが故・黒沢明監督の一番弟子である小泉監督が、『雨あがる 』以来、久々に放った時代劇作品である。

 なにせ映像が超美麗なのは言うまでもなく、セットの柱や壁の傷や汚れ具合、真っ白な障子の色にまで繊細な神経が行き届いている。
 また殺陣のシーンはあるものの、それは決してクライマックスシーンではない。あくまでもメインテーマは、文武両道に秀でながらも、ひたすら自己を押し殺し、藩のためにあえて汚名を浴び、命を捨て武士道を貫き通した藩士の心情なのだ。

 すでに現代には、もうこの主人公のような武士の心を持つ男はいないだろう。いや江戸時代にもこのような武士は数少なかったに違いない。私たちは自分に出来ないことをやり遂げる者には、心酔し感動の涙を流さずにはいられない。
 しっかりとひとつひとつ丁寧に描いた本格時代劇だからこそ、ほとんど違和感を感じず、感動の嵐が心の中に吹き込んでくるのであろう。これこそハリウッドが大金を使っても、絶対に創れない映画なのだ。だからこそ、日本はもっと本格時代劇映画を創ろうではないか。

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