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2014年9月 3日 (水)

ホットロード

★★★

製作:2014年 日本 上映時間:119分 監督:三木孝浩

Hotroad
 原作は30年近く昔の少女マンガらしい。そのためだろうか、小学生を連れた女性たちが多かった。多分彼女たちが青春時代に読んで感動したマンガなのだろう。
 しかし子供が観て楽しい映画ではない。それで退屈した子供たちが行ったり来たりでうるさくてたまらなかった。考え過ぎかもしれないが、もしかするとこの子供たちを連れてきたのは、もと不良少女だったヤンママたちなのかもしれない。それならばこの映画の主人公そのものなので、思い切り感情移入したことだろう。

 映像が美しく、尾崎豊の主題曲も素晴らしい。また映画初出演で準主役の春山を演じた登坂広臣は、久々に存在感のある新人男優である。ただ俳優たちの実年齢と演じている年齢がかなり乖離しているため、どうしても違和感を感じてしまうのだ。それに現在NHKの朝ドラで花子の夫を演じている鈴木亮平が暴走族の総長役で登場した時には、思わず失笑してしまった。

 また主役の能年玲奈は、朝ドラ『あまちゃん』のイメージが強過ぎて、不良少女のイメージが沸かないし、相変わらずのセリフ棒読み状態には、ちょっと疲れてしまったね。もっとも彼女の魅力は、その素人ぽいところなのかもしれないのだが・・・。それにしても21歳で中学生役は、いかに童顔の彼女でもちょっと無理があるのではないだろうか。

 原作が少女マンガとはいえ、単なるラブストーリーではない。母子家庭における母と娘の葛藤がテーマであるヒューマンチックなお話なのである。
 ただ概ね2時間以内という制限のある映画では、十分なストーリー構成が出来なかったようだ。母と父との結婚の経緯や、母の苦悩などもパスされているし、総長が交代することになった理由もほとんど触れていない。だから原作を知らない人には、焦点ボケとなってしまう可能性があるのだ。

 またもっと言えば、暴走族同士の抗争についても、余りその背景が描かれていないし迫力不足である。そしてクライマックスの最終戦争でも、何事もなく総引き揚げとあっさりし過ぎている。まあアクション性の薄さは、少女マンガの限界ということで、これ以上追及するのはやめよう。いずれにせよこの作品は、映画より連続テレビドラマ向きと言えないだろうか。
 

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