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2014年9月の記事

2014年9月29日 (月)

ジャージー・ボーイズ

★★★★

製作:2014年米国 上映時間:134分 監督:クリント・イーストウッド

4j
 クリント・イーストウッド監督の最新作は、これまでの作品とはかなり毛色の異なる作品であった。なんとビートルズ以前に最も人気を誇ったアメリカのポップスグループであるザ・フォー・シーズンズの栄光と闇の部分を、数々の名曲と共に紡いでゆくサクセスストーリー仕立てのヒューマンドラマなのである。

 ザ・フォー・シーズンズをザ・ビートルズに例えると、フランキーとボブの天才二人が、ポールとジョンで、ニックとトミーがリンゴとジョージと言ったところであろうか。途中仲間割れやトミーをこき下ろしたものの、最後は優しく4人が集結し復活するという暖かさも忘れていなかった。
 それにしても、全く異なる性格を持つメンバー4人の個性を、実に巧く描いているし、俳優たちもそれを見事に演じ切っているところが素晴らしい。また「シェリー」や「君の瞳に恋してる」、「恋のヤセ我慢」など懐かしいヒット曲のオンパレードも実に楽しかったね。

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2014年9月24日 (水)

バツイチは恋のはじまり

★★★

製作:2012年 フランス 上映時間:104分 監督:パスカル・ショメイユ

Batu
 初婚はいつも失敗に終わるというジンクスを持つファミリーの女性が、10年間付き合っている男性とどうしても結婚したくなる。だがファミリーのジンクスも無視できない。そこで外国で偽装結婚し、すぐに離婚すれば次に結婚する相手とは初婚のジンクスも及ばないのではないかと考えて飛行機に乗る。だが約束をしていた男が見当たらず、仕方なく飛行機で隣席に座っていたお調子者の男と偽装結婚をしようと決意するのだが・・・。

 ポスターを見た限りでは、もっとロマンチックなラブストーリーだと思っていた。ところが、なんとはじめから終わりまでドタバタ調のフレンチコメディーで、ラストのどんでん返しも読み筋通りのよくある展開だった。
 またケニアでライオンに襲われるシーンや、主人公の傍若無人でハチャメチャな行動など、ラブコメの範囲を逸脱し過ぎていて共感はおろか、ストーリーの中に入れずかなり引いてしまったことも否めない。さらにあの「大泣き女」の存在は全く不要ではないだろうか。

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2014年9月21日 (日)

イン・ザ・ヒーロー

★★★☆

製作:2014年 日本 上映時間:124分 監督:武正晴

Inthehero
 ヒーローや怪獣スーツの着ぐるみを着て演技をする人をスーツアクターと言う。彼等はもともとアクションスターを目指しているのだが、日本ではアクションスターとして活躍する機会が少ない。そこで時に殺陣やスタントをやりながら、スーツアクターの仕事が中心になってしまうらしい。
 彼らは顔も出なければ、出演者としての名前もでない。完全に裏方であるが、影で出演者たちを支え、場合によっては命を懸けてアクションをこなす場合もある。この映画は、そんな裏方たちを題材にしたヒューマンドラマと言えよう。

 主演の唐沢寿明と共演者の寺島進は、トレンディ俳優と悪役俳優というイメージが先行してしまうが、ともにスタント経験者だという。まさに二人ともこの映画にぴったりの役柄と言えよう。それにしても二人が同年齢というのも信じられない。それほど唐沢が若づくりなのである。あと寺島が演じていたように、女性キャラのスーツアクターを、背の低い男性が演じていることもあると分かって、ひとつ利口になった気がする。

 いずれにせよ、50歳を過ぎた唐沢寿明と寺島進のはつらつアクションには脱帽せざるを得ないだろう。だが脚本がチグハグで、何を目指しているのか不明であること、また登場人物の描き方が中途半端で、話の中で多くの矛盾を露呈してしまうという欠陥が見逃せなかった。

 ラストのクライマックスシーンである「白忍者100人切り」は、『キル・ビル』を彷彿させる派手で壮絶なアクションであり、まさにこの作品の総括と言って良いだろう。それだけに準主役を演じた福士蒼汰の役割や、途中の脚本の拙さが非常に残念に感じられた。

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2014年9月16日 (火)

舞妓はレディ

★★★☆

製作:2014年 日本 上映時間:135分 監督:周防正行

Maiko
 1964年製作の米国ミュージカル映画『マイ・フェア・レディ』のタイトルをもじった和製オマージュ映画である。主役を演じた新人・上白石 萌音の可愛らしさと見事な声量には脱帽。また涙あり、笑いあり、舞妓を目指す田舎少女の成長物語もなかなか楽しかった。
 さらに、周防映画の常連である草刈民代、渡辺えり、竹中直人、草村礼子などに、富司純子、長谷川博己、高嶋政宏、岸部一徳などの主役級が加わる。そのうえ、チョイ役ではあるが津川雅彦、妻夫木聡、小日向文世などの大物も参加するという超豪華布陣を敷いている。

 ただ135分も使った割には、物語に奥行と広がりが見られず、ほとんどのシーンが狭いセットの中で演じられ、京都でのロケが余りなかったことが心残りであった。また一世一代の晴れ舞台である舞妓デビューが、狭い料亭の中で観客が馴染み客数人だけというのも、ちょっと淋しいな・・・。

 まあそれが現実なので仕方ないとしても、せめてラストの歌と踊りくらいは、清水寺の大舞台を使うなどして、もっと大人数でド派手に決めて欲しかった。このあたりをもう少し配慮していれば、もっと完成度の高い作品に仕上がったはずであり、実にもったいないよね。
 

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2014年9月11日 (木)

フライト・ゲーム

★★★★

製作:2014年 米国、フランス 上映時間:107分 監督:ジャウマ・コレット=セラ

Frightgama
 『シンドラーのリスト』の印象が強烈だったためか、リーアム・ニーソンと言えばヒューマンドラマというイメージが沸いてしまうのだが、最近では押しも押されぬアクションスターになってしまった。それにしても62歳になったとは思えない身の動きと心の熱さを感じてしまうのは、決して私一人だけではないだろう。

 ハイジャク映画なのだが、単調なアクションものではなく、心理的な描写に力点を置いたサスペンス映画に仕上がっている。さすがあの一級品スリラー『エスター』を創ったジャウマ・コレット=セラ監督である。

 航空保安官であるビル・マークス(リーアム・ニーソン)は、ニューヨーク発ロンドンへ行の旅客機の中で、異様な犯行予告メールを受け取る。それは1億5,000万ドルを指定口座に入金しなければ、20分おきに機内の人間を1人ずつ殺害するという恐ろしい内容だった。もしかするといたずらかもしれないと思っていだが、20分後に一人の人間が殺害される。と言っても偶然ビルが正当防衛のためトイレで殺害してしまったのだが…。さらに犯人が指定した口座とはビル自身の口座だと言うのである。

 
 犯人は乗務員なのか、乗客なのか、焦るビルが強引に乗客たちのボデーチェックをした映像が地上に送信され、いつの間にか地上のニュースではビルが犯人にされてしまう。怪しげな輩は何人もいるのだが、一体誰が犯人なのか全く見当がつかない。でも一番怪しいのは主人公のビル自身である。もしかするとやはりビルが犯人なのかもしれないと思い込んでしまう。

 こんな調子で、なかなか犯人の見当がつかないため、映画を観ている観客たちのストレスボリュームもあがり放しになる。また旅客機に乗るまでの描写を丁寧に描いているため、現実感が沸いてきて、たちまちにして観客の心はスクリーンの中にひっぱり込まれてしまうのだ。
 さらにはラストでやっと犯人が割れて、旅客機が胴体着陸するシーンもなかなか見応えがある。そして観客たちもスクリーンの中の乗客同様、やっと密室の中から解放されストレスを発散することが出来るのだ。いゃあ実にファンタジックなサスペンスアクション映画じゃないか。

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2014年9月 6日 (土)

蝉しぐれ

★★★☆

製作:2005年 日本 上映時間:131分 監督:黒土三男

 藤沢周平原作の時代劇で、NHKのTVドラマとしても放映されているので、ご存知の方も多いだろう。ストーリーは山形小藩でのお家騒動と、それらに関わった下級武士の生きざま、そして幼な馴染みの男女の悲恋を中心に描いている。

 この映画では、北国の四季や、落ち着いた古い民家などが、美しく情緒的な映像で再現されており、観る者の心を和ませてくれるだろう。
 ただ山田洋次監督の『たそがれ清兵衛』や『隠し剣鬼の爪』での壮絶な殺陣を期待すると、失望してしまうので要注意。この作品はあくまでも武家社会のしきたりと、それらに殉じた男女のラブストーリーなのだと考えておいたほうが無難であろう。

 そしてこの作品の最大のハイライトは、ラストシーンの、市川染五郎と木村佳乃の、淡雪のような切ない再開シーンであり、染五郎が『ふく』と呼び捨てにする場面だ。ここで「辛抱」することと「思いやり」ということが、日本人だけに解かる心の原点であることを再認識し、我々はとどめなく涙を流すだろう。これはたぶん今も昔も、私たちが日本人である限り決して拭い去ることの出来ない伝統なのかもしれない。

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2014年9月 3日 (水)

ホットロード

★★★

製作:2014年 日本 上映時間:119分 監督:三木孝浩

Hotroad
 原作は30年近く昔の少女マンガらしい。そのためだろうか、小学生を連れた女性たちが多かった。多分彼女たちが青春時代に読んで感動したマンガなのだろう。
 しかし子供が観て楽しい映画ではない。それで退屈した子供たちが行ったり来たりでうるさくてたまらなかった。考え過ぎかもしれないが、もしかするとこの子供たちを連れてきたのは、もと不良少女だったヤンママたちなのかもしれない。それならばこの映画の主人公そのものなので、思い切り感情移入したことだろう。

 映像が美しく、尾崎豊の主題曲も素晴らしい。また映画初出演で準主役の春山を演じた登坂広臣は、久々に存在感のある新人男優である。ただ俳優たちの実年齢と演じている年齢がかなり乖離しているため、どうしても違和感を感じてしまうのだ。それに現在NHKの朝ドラで花子の夫を演じている鈴木亮平が暴走族の総長役で登場した時には、思わず失笑してしまった。

 また主役の能年玲奈は、朝ドラ『あまちゃん』のイメージが強過ぎて、不良少女のイメージが沸かないし、相変わらずのセリフ棒読み状態には、ちょっと疲れてしまったね。もっとも彼女の魅力は、その素人ぽいところなのかもしれないのだが・・・。それにしても21歳で中学生役は、いかに童顔の彼女でもちょっと無理があるのではないだろうか。

 原作が少女マンガとはいえ、単なるラブストーリーではない。母子家庭における母と娘の葛藤がテーマであるヒューマンチックなお話なのである。
 ただ概ね2時間以内という制限のある映画では、十分なストーリー構成が出来なかったようだ。母と父との結婚の経緯や、母の苦悩などもパスされているし、総長が交代することになった理由もほとんど触れていない。だから原作を知らない人には、焦点ボケとなってしまう可能性があるのだ。

 またもっと言えば、暴走族同士の抗争についても、余りその背景が描かれていないし迫力不足である。そしてクライマックスの最終戦争でも、何事もなく総引き揚げとあっさりし過ぎている。まあアクション性の薄さは、少女マンガの限界ということで、これ以上追及するのはやめよう。いずれにせよこの作品は、映画より連続テレビドラマ向きと言えないだろうか。
 

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