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2014年7月の記事

2014年7月30日 (水)

青天の霹靂 小説

著者:劇団ひとり

 それにしても劇団ひとりは器用な男である。もともとは漫才師にはじまり、お笑い芸人、作詞家、俳優、作家、監督、脚本家と何足ものわらじを履き続けている。
 この小説については、タレントだから出版されたのかもしれないが、それにしてもなかなか味があって面白かった。だからこそ本人が準主役で映画化され、脚本と監督まで手掛けているのであろう。

 映画のほうを先に観て、その解説用も兼ねてあとで小説を読んでみた。ストーリーは、ほとんど映画と変わらないが、映画のほうは小説の登場人物を少し絞ってシンプルに仕上げており、ラストもかなり説明不足のまま終劇となっていた気がする。

 ただ先に観た映画のほうが感動的だったのは、先手有利という定石なのであろうか。いずれにせよ、234頁とそれほど長くないし、気取らず分かり易い文章なので、誰が読んでもあっという間に読破してしまうことだろう。
 なおストーリーの概略については、映画のレビューの中で触れているため、ここでは省略することにした。もしストーリーを知りたければ、こちらの記事を覗いてみて欲しい。

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2014年7月25日 (金)

パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト

★★★★

製作:2013年 ドイツ 上映時間:122分 監督:バーナード・ローズ

Pega
 実在のヴァイオリニストであるニコロ・パガニーニの半生を描いた映画である。実在のパガニーニは、映画で描かれていた通り、悪魔的な演奏技術を持ちながらも、病弱で女と博打に溺れた生涯だったらしい。
 ただあの「笑うセールスマン」のようなマネージャーは架空の人物のようだし、彼が次第に没落してゆくのも、病気のためにヴァイオリンを弾けなくなったからであり、マネージャーを解雇したからではない。そこらあたりは、単調なストーリーにならないよう、かなり極端な脚本に仕上げた感がある。

 演奏シーンが神がかりだと思ったら、パガニーニを演じたデヴィッド・ギャレットは俳優ではなく本物のヴァイオリニストなのだという。それで演技がふわふわしていたのかと、妙に納得してしまったのだが、それを補って余りある演奏シーンであった。またシャーロット・ワトソンを演じた女性も歌手なのだろうか、とにかく素晴らしい歌唱力で、とどめなく涙が落ちてきて止まらなかった。

 ただこの映画をパガニーニの伝記映画だとすると、脚本と演出と映像に物足りなさを感じてしまうかもしれない。しかし音楽映画として観れば、その抜群の演奏シーンや歌唱シーンに心を打たれるはずである。だが全体的な創り方としては、そのどちらにもはっきり色分けされていない。もし作品の色分けをもっと鮮明にしておけば、本来はもっともっと感動作として心に刻まれたはずである。

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2014年7月21日 (月)

白蓮れんれん

著者:林 真理子

 現在放映されているNHK連続テレビ小説「花子とアン」では、主役の村岡花子(吉高由里子)よりも、伯爵家の令嬢・葉山蓮子(仲間由紀恵)ほうに人気がなびいてしまったようである。この葉山蓮子とは、実在の人物である大正時代の歌人・柳原白蓮(柳原燁子)がモデルになっているという。

 この柳原白蓮は妾腹ではあるが、大正天皇と従妹の関係にあったらしい。またなかなかの美貌を誇っており、大正三大美人と言われたと言う。確かにネットで写真を見ると、スレンダーで上品な顔付をしているではないか。

 彼女の父は柳原前光伯爵。母は前光の妾のひとりで、柳橋の芸妓となっていた没落士族の娘の奥津りょうである。そして彼女は、生後7日目に柳原家に引き取られ、前光の正妻・初子の次女として入籍される。

 
 その後9歳で遠縁にあたる子爵・北小路隨光の養女となり、隨光が女中に生ませた資武と無理やり結婚させられる。そして15歳で男子(功光)を出産したが夫婦仲が悪く、子供を残す条件で離婚が成立し、20歳で柳原家に戻ることになる。
 5年後には、兄義光が選挙資金目的のために、白蓮より25歳も年上である九州の炭鉱王・伊藤伝右衛門と白蓮との見合いを強引に取り仕切り、半分騙されるような形で、伝右衛門と結婚させられてしまうのであった。

 とにかく生まれながらにして、周囲の者たちに振り回され続け、青春を謳歌できなかった白蓮は、悲しいお姫様だったようである。だが再婚より10年後に、7歳年下の宮崎龍介と知り合い、なんと駆け落ちをすることになるのだ。この駆け落ちの一部始終が新聞に掲載され、センセーションを巻き起こしたためこれを『白蓮事件』と呼んでいるようである。

 
 またテレビドラマでは、主人公の村岡花子と腹心の友ということになっているが、実際には同じ女学校を卒業しているものの、ドラマほど深い関係ではなかったようだ。それよりも本作では、白蓮と龍介の不倫だけではなく、白蓮を取り巻く上流階級の夫人たちの不倫も同時に描かれていが、姦通罪が存在していた大正時代に、これほど命がけの不倫が多かったのかと驚かされたものである。

 本作『白蓮れんれん』は、白蓮が伊藤伝右衛門と結婚して九州にやってくるところから始まり、不倫相手の宮崎龍介と結ばれるまでを描いている。文庫本で418頁という長編であるが、林真理子女史の読み易く、読者の心を惹きつける巧みな文章力のお蔭で、誰でもあっという間に読破してしまうことであろう。

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2014年7月17日 (木)

オール・ユー・ニード・イズ・キル

★★★★

製作:2014年 米国 上映時間:113分 監督:ダグ・ライマン

Allyou
 なんと桜坂洋のSF小説『All You Need Is Kill』が、トム・クルーズ主演のハリウッド映画になって逆輸入されてしまった。当初主演はブラッド・ピットが予定されていたが、最終的にトム・クルーズが選ばれ、彼の年齢に合わせるため、ジョビィ・ハロルドによって脚本が書き直されたという。

 近未来の地球お話である。エイリアンの侵略とその激しい攻撃を前に、もはや人類の軍事力では太刀打ちできなくなっていた。なにを間違ったのか、そこに戦闘経験ゼロの広報担当将校ケイジが無理やり送り込まれてくる。兵器の使い方も知らない彼は、戦場ですぐに死亡してしまうのだが、その瞬間また基地に送り込まれた前日に戻ってしまうのである。
 そしてこれを何度も繰り返すタイムループにはまっているうちに、だんだん戦闘能力が向上してゆくのだった。そんな中で、英雄的な女性戦闘員リタと巡り合い、彼女も過去にタイムループを繰り返していたことが判明する。

 いずれにせよ、『恋はデジャ・ブ』にはじまって、『タイムアクセル12:01』、『リバース』、『トライアングル』、『ミッション:8ミニッツ』など、タイムループ系の映画には目のない私であるが、そのほとんどの作品に外れがない。その中でも本作はかなりの良品であると言って良いだろう。
 ことにケイジが最初は軟弱兵士だが、タイムループを繰り返しながら、何度もリタに鍛えられて少しずつ頼りがいのある兵士に変貌してゆくというパターンが、『恋はデジャ・ブ』と似ていて、私にはかなり心地良く感じられた。また主演のトムもぴったりのはまり役で、圧倒的なCG映像にも負けず劣らずの大熱演であった。

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2014年7月14日 (月)

マレフィセント

★★★☆

製作:2014年 米国 上映時間:97分 監督:ロバート・ストロンバーグ

Marefi
 
 いまのところ興行成績トップのディズニー作品。なんと『眠れる森の美女』で悪役を演じた魔女(妖精)を主人公に入れ替えるという、ちょっと捻ったと言うより別次元のファンタジー作品に仕上げている。
 主役のマレフィセントを演じたアンジーの尖った頬骨が気になってしょうがない。もちろん特殊メイクであり、悪魔的な雰囲気の中に美的要素を織り込むため、特殊メイクにより頬骨を強調したらしい。それにしてもあの頬骨はかなり印象的だったよね。

 またテーマでもある「真実の愛」についての皮肉ぽい描き方が、逆にとても感動的だったところが面白い。そして王子様も期待はずれ、えっ、この展開はあの『アナ雪』と同じじゃないの・・・。さすがのディズニーも、最近は従来のまっとうな流れを拒否し、難度の高い捻り技を使わざるを得なくなったのかな。

 とにかくファンタジックで超美麗な映像はディズニー映画の神髄であり、その点では本作も全くそれを裏切らなかった。個人的にはマレフィセントが、スーパーマンのように大空を羽ばたく映像が一番気に入っている。それにしてもディズニーは、いつも老若男女の誰が観ても楽しめる映画を創るよね。

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2014年7月10日 (木)

聖闘士星矢 LEGEND of SANCTUARY

★★☆

Sentsei
  マンガ、TVアニメで好評を博した作品の劇場版アニメらしいが、それらの存在もこのタイトルの読み方さえ全く知らずにこの作品を観てしまった。さてさて、映画館の中はオタクぽい若者ばかりで、私のような年配者など来るはずもない。どうしてこんなものを観たのだろうか。特に理由もなく、ただTVでの予告編CMが異常にかっこよく感じたからとだけ言っておこう。

 超美麗で派手な映像は、アニメというよりTVゲームそのまんまというイメージだ。確かに物凄く立派な映像なのだが、戦闘に次ぐ戦闘で、全く落ち着きがなくストーリー性も乏しい。そしていつの間にかうつらうつらと、睡魔が襲いかかってくるではないか。
 まあそもそもこの作品については、私のようなおじさんが観るべきものではないし、語るものでもない。従ってこれ以上のコメントは控えさせていただきたい。

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2014年7月 8日 (火)

300 <スリーハンドレッド> ~帝国の進撃~

★★★

製作:2014年 米国 上映時間:103分 監督:ノーム・ムーロ

300
 2007年に製作された『300 <スリーハンドレッド>』の続編であり、前作で命を散らしたスパルタのレオニダス王に代わってペルシャ軍に挑む、アテナイのテミストクレス将軍と彼が率いる兵士たちの激闘を活写している。

 やはり続編とかシリーズものは、観るべきではなかった。全体的なスケールやVFX技術は前作を上回り、残酷的とも言えるリアルな映像にも驚かされたのだが、何といっても初回作のような驚きと感動はない。また主人公のテミストクレスを演じたサリヴァン・ステイプルトンに、前作の主人公レオニダスを演じたジェラルド・バトラーのような存在感が無いのが悲しかった。

 それにアクションに次ぐアクションで、人間劇がほとんどない。唯一エヴァ・グリーンが演じた敵役アルテミシアにだけ、ストーリーの臭いを感じただけである。また彼女と主人公の戦闘的セックスシーンもなかなか見ものであった。ある意味で主役のサリヴァン・ステイプルトンを食ってしまった感のあるエヴァ・グリーンであったが、敵役のため最後に敗れてしまうのが残念に感じてしまった。
 またせっかく神王になったペルシャ王の登場が少なく、中途半端だったのが解せない。もしかすると「300」をシリーズ化し、次回作で本格的に活躍させるつもりなのであろうか。

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2014年7月 5日 (土)

PERSONA3 THE MOVIE #2 Midsummer Knight's Dream

★★★

Persona3
 なんとも長たらしくて、意味不明のタイトルであるが、なんとこれが日本のアニメなのである。もともと『ペルソナ3』 (PERSONA3) は、2006年7月13日に発売されたPlayStation 2用ゲームソフトらしい。これが人気を博し、小説、漫画、ドラマ、TVアニメ、そして劇場版アニメへと展開されてきたという。

 そもそもペルソナとは、ラテン語で『仮面』を意味する言葉である。それが転じて、心理学用語における、「外界に適応するための社会的・表面的な人格」のことをいう。この作品でのペルソナとは、心の底に潜むもう一人の自分が実体化したものを言い、 神話に登場する神や悪魔、その他伝説の生物たちの名前と性質を持つらしい。
 ペルソナを発現させ、身に宿すことで魔法や特殊能力を用いることができるようになるわけだが、このペルソナを操ることができる者を「ペルソナ使い」と呼び、この作品の主な登場人物となっている。

 ところでこの作品のストーリーはかなり難解である。今日と明日のはざまにある時間を「影時間」と呼び、そこに引きずり込まれた人間は「シャドウ」と呼ばれる怪物に精神を食われ、無気力症に陥るという。そのシャドウに対抗できる者は、自分の影の人格を具現化させることが可能な「ペルソナ使い」だけである。そしてこの能力に目覚めた主人公たちが、影時間と世界の終末をめぐる戦いに巻き込まれていくという壮大なお話なのだ。

 いずれにせよ、私のようにゲームもマンガも全く知らず、予備知識ゼロではじめてこの作品を観た者には、前半は全く意味不明でかなりしんどい思いをすることになるだろう。映画館でチケットを買うときに、窓口の女性に「アニメですが良いですか?」と聞かれた意味が、この作品を鑑賞して何となく理解出来たような気がする。もしかすると「普通のアニメとは違うよ」という警告だったのかもしれない。
 ネットではかなり高評価を得ているようだが、私のようなおじさんには高得点を期待するのは無理であろう。ただ「影時間」での映像はかなり鮮やかで、心に染み込んでくるような配色も見ものである。

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2014年7月 2日 (水)

あいときぼうのまち

★★★☆

製作:2013年 日本 上映時間:126分 監督:菅乃廣

Aitokibo
 オープニングからいきなり恥毛丸出しの少女が登場したので、一体この映画は何なのと思ってしまった。脚本を書いたのがあの若松孝二監督の弟子である井上淳一ということで、前半は若松臭がプンプンと漂い、色んな話が交錯してよく分からない話だと思った。

 ところがよく観ていると、この作品は終戦間際の1945年、原発建設開始時の1966年、東日本大震災が勃発した2011年、そして現在の4つの時代をパラレルに描いているのだ。そしてそのテーマは全て福島と原子力であり、最後にはそれぞれの時代の主力登場人物が全てリンクしてくるという見事な収束を描いている。

 ただ一見主役風の若い男女二人には全く共感を持てなかったし、全般的に俳優さんたちの力量不足を感じたせいか、いま一つスクリーンの中に溶け込めなかったのが心残りである。そんな中で、ただ一人美人祖母役を演じた夏樹陽子だけが光輝いて見えたのは、唯一の救いであろうか。

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