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2014年6月 4日 (水)

ブルージャスミン

★★★★

製作:2013年 米国 上映時間:98分 監督:ウディ・アレン

Jasmin
 裕福なマンハッタンのソーシャライトが、夫の逮捕をきっかけに貧しい生活へと落ちていくというストーリーである。一応コメディーということなのだが、ヒロインを気品のあるケイト・ブランシェットが繊細に演じていると、なんとなくシリアスな気分になってくるから不思議である。

 ケイト以外のほとんどの俳優がコメディー俳優で固められているし、ことに性格が真逆な妹の存在が実に軽くてコミカルである。そんな中でケイトだけが浮き上がってしまうという構成は、まさにセレブな夫人と一般人とのギャップを巧みに示唆していると言えよう。きっとケイトを主役に引っ張り出した監督の着眼点も、そこにあったのかもしれない。

 いずれにせよ、今までゴージャスで贅沢な暮らしをしていた女性が、ほとんど無一文になっても過去の栄光を忘れられずに、いつまでもお高く留まり続けているという惨めさや孤独感をひしひしと感じさせる映画なのである。きっと貧富の差が著しいアメリカには、こうした女性がかなり存在しているのだろうな。
 
 それでもラストは、ハッピーエンドなのかと思っていたらとんでもなかった。残酷というか身から出た錆というか、世のセレブ婦人たちへの警鐘だったのだろうか。あのあとヒロインは、一体どうなってしまうのだろうかと気がかりでたまらない。

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コメント

>一応コメディーということなのだが
とんでもない...明らかに シリアスドラマでしょうに。
>ほとんど無一文になっても過去の栄光を忘れられずに、いつまでもお高く留まり続けているという惨めさや孤独感をひしひしと感じさせる映画なのである。
この女には、ムカムカですね。何あんたそれが
人と接する態度???こんな態度じゃ 誰も救いの手を差し伸べてはくれんよね。
>残酷というか身から出た錆というか、
完全に身から出た錆でしょう。作品自体はとても良かった。充実してましたが ジャスミンが気持ちを入れ替えて 第二の生活を再出発する心構えがあったなら ここまで落ちぶれることはなかったんじゃないかな。

生活はそこそこでも キチッと就職し、しっかりした男性と一緒になって ひとつ屋根の下で 食事したり 布団一つで寝たり 買い物して基盤を築けたかもしれないのに、それらのチャンスは自分のお高く留まる振る舞いやらで ぜぇ~んぶ逃しちゃったんだから。


投稿: zebra | 2014年7月23日 (水) 11時01分

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