ビフォア・ミッドナイト
★★★☆
製作:2013年 米国 上映時間:108分 監督:リチャード・リンクレイター
平日の昼間だというのに、劇場は超満員で最前列も埋まっていた。これはきっと劇場が狭いことと、上映館が少ないのが一番の原因かもしれないが、それにしてもちょっと異常な混雑ぶりである。
また予備知識ゼロでこの映画を観てしまったのだが、なんと本作はイーサン・ホークとジュリー・デルピー主演のラブロマンス三部作の最終章なのだという。第一作の『恋人までの距離(ディスタンス)』が1995年、第二作の『ビフォア・サンセット』が2004年と、ほぼ9年ごとに続編を製作してきた珍しいラブロマンスである。
従って第一作から約18年経過したいま、二人とも子持ちの中年となり、ロマンスとは程遠い夫婦喧嘩と痴話ばなしに明け暮れているのだ。だから通常のラブロマンスは、二人が出会って結婚するまでしか描かないのだが、この最終章ではあえて中年夫婦間の本音と葛藤に挑んでいるようだ。
オープニングは、前妻との間に生まれた息子と、ひと時のバカンスを過ごし、空港での別れのシーンで始まる。二人の会話を聞いていると、父親はいつも息子のそばに居られないことを悔やみ、またそのことに負い目を感じているのだが、息子のほうは余りベタベタして欲しくない様子である。そして息子は父親のほうを振り向きもせず、さっさと通関ゲートをくぐって行ってしまう。
このシーンを冒頭に持ってきたのには、重要な意味がある。そのあと現在の妻に、フランスから離れて息子の住むアメリカへ行かないかと持ち掛けるのだが、この何気に放った一言が妻の心臓をえぐってしまうからだ。それからずっと夫婦喧嘩が続くのである。
妻はフランス人で、現在重要な仕事につきつつある。夫はアメリカ人だが、小説家でどこに住んでいても問題はない。さらに夫が思い込んでいるほどその息子は、夫のことを必要としていないようである。そして二人の間には双子の小さな娘が二人いる。
こんな状況の中で、感傷的な思い付きだけで、妻や娘の心情を無視して、全てを捨てて俺についてこいという身勝手な夫。結局主要なテーマはこれにつきるのだ。それを風光明媚なギリシャの海辺の街と、美しい映像とロマンチックな音楽で綴ってゆく。
だが会話が余りにも長過ぎて辟易してしまった。英語が分かる人ならいざ知らず、何十分間も同じ映像の中で真剣に字幕だけを追いかけてゆくのは、かなり苦痛である。とくに車中での超長セリフにはまいったね。お蔭で映画を観終わってから3日間もめまいが止まらず、本日病院でCTスキャンで脳の検査をする始末である。
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