夏の終り
★★★
製作:2012年 日本 上映時間:114分 監督:熊切和嘉
瀬戸内寂聴が自身の体験を基に綴ったロングセラー小説を映画化したものだという。この原作は読んでいないため、予備知識もなく、また比較しようもない。ただただ映像が美しいことと、ヒロインを熱演した満島ひかりの衣装の数々がなかなか素敵であった。それにこうした役柄がぴったしな小林薫は、時間が止まったかのようにいつまでも年を取らない。
テーマはシンプルで、「行きどころのない男女の愛と葛藤」である。だがストーリー展開については、無暗に時間と空間を複雑に紡ぎ過ぎてしまい、何だか訳の分からない作品になってしまったような気がする。カメラマンと役者たちは頑張っていたと思うが、綾野剛の存在感が薄かったのも、脚本と演出の失敗ではないだろうか。
それにしても、宮崎アニメの『風立ちぬ』と同様、喫煙シーンが多いのには驚いてしまった。登場人物全員が、それこそ所構わず朝から晩まで、煙草ばかり吸っているのである。まるで煙草を吸わないのは人間ではないと言わんばかりだ。だがよく考えてみると、確かに30年前までは自分も同じだった。昭和時代と平成時代の大きな文化の違いといえば、煙草を吸うことがインテリのステータスだった時代と、煙草を吸わないことが文化人のステータスになった時代ということかもしれないね。
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コメント
Biancaさまへ
大変ご無沙汰しているにもかかわらず、コメントありがとうございました。コメント確認が遅くなり申し訳ありません。
とにかく小林薫はぴったりでした。満島ひかりは素晴らしい女優ですが、美し過ぎて瀬戸内寂聴というイメージではありませんでした。ここは寺島しのぶあたりが適役だったかもしれませんね。
また仰る通り、時代考証には神経が行き届いていたと思います。丁寧に創った女性向けの作品でしょうか。
投稿: ケント | 2014年10月26日 (日) 11時16分
ケントさま、お久しぶりです。ヒロインの衣装の美しさ、小林薫がぴったりなこと、同感です。綾野剛は私も好きですが、気の毒な役でしたね。木下涼太は彼女が婚家を抜け出るときと、不倫を解消する時、破壊の手段として利用されたのではないでしょうか。考えればひどい女性に引っかかった?わけ。 (昨日したのですが、うまく反映しなかったようなのでもう一度投稿します。)
投稿: Bianca | 2014年10月16日 (木) 23時14分
ケントさま
久しぶりですね。ヒロインの衣装の美しさ、小林薫がぴったりなこと、同感です。綾野剛の存在感の薄さは、脚本と言うより原作のせいじゃないでしょうかね。彼女によれば、彼は後年、自殺したそうです。多分、彼女が婚家を抜け出、不倫を解消するための手段として利用されたのではないでしょうか。綾野剛は私も好きですが、気の毒な役でしたね。
投稿: Bianca | 2014年10月15日 (水) 20時06分