復活の条件
作:森村誠一
飼い猫・ミーの毒殺事件を境に、それまで順調だった会社役員・石塚の人生は、大きく狂い始めてしまう。家庭の崩壊、家族や隣人の喪失、親会社の倒産と、次々に不幸の嵐が駆け抜けてゆくのだ。
失意のまま死を覚悟したとき、亡母の声に導かれて「人生再スタートライン」にタイムスリップすることになる。記憶は残ったままなので、同じミスを繰り返さず、ミーの殺害を食い止めて、不幸の連鎖から逃れて、幸福だった人生を取り戻そうとする。果たして石塚の新しい人生やり直しゲームは成功するのだろうか。
ホームドラマからはじまり、SF、ミステリー、企業小説へと変化してゆく展開は、一貫性がないとも言えるのだが、巧みにその全てが繋がって違和感のないストーリーに仕上がっている。ただタイムスリップものとして考えると、タイムパラドックもどんでん返しも、科学的な理論武装も、何もないのでかなり物足りない。まあ、人生のやり直しという部分にタイムスリップを利用しただけと考えたほうが良い。結局は森村節の家庭と企業を抱き合わせたミステリー小説なのである。まあいずれにせよ、80歳近くになって、新しい手法に挑戦した森村御大の気概には敬服したい。
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