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2013年8月25日 (日)

クラウド・アトラス

★★★★

製作:2012年米国、ドイツ、香港、シンガポール 上映時間:172分 監督:ラナ・ウォシャウスキー、トム・ティクヴァ、アンディ・ウォシャウスキー

 スケールといい上映時間といい、トム・ハンクス、ハル・ベリー、スーザン・サランドン、ジム・ブロードベント、ヒュー・グラント、ヒューゴ・ウィービングらの豪華キャストを揃えた本作は、間違いなく超大作であるが、それ以前に未だかつてなかった風変わりな実験的映画でもある。
 本作の原作はデイヴィッド・ミッチェルの小説であり、19世紀から文明崩壊後までの異なる時代に舞台を置いた6つのストーリーを同時進行方式で描き、キャストは各エピソードに応じて複数の人物を演じるという、複雑な手法が取られている。また複数のストーリーといっても、いわゆる一般的なオムニバスとは、ちょっと異なり時空が異なるだけではなく、ジャンルまでがSFからコメディーまで多種多彩なのである。それに加えて冒頭に記載した通り、製作国が4国、監督が三人という異様な構成なのだ。果たしてこんな映画が未だかつて、大真面目で上映されたことがあっただろうか。

 6つのエピソードを簡単に紹介すると

 1.1849年の南太平洋、船の中でのアメリカ人弁護士と黒人奴隷の物語 (海洋アドベンチャー風)
 2. 1936年の英国、有名作曲家とアシスタントの物語         (ヒューマンドラマ風)
 3. 1973年のカリフォルニア、命を狙われる女性ジャーナリストの物語 (スパイアクション風)
 4. 2012年の英国、編集者でのちに作家になる老人の物語       (コメディー風)
 5. 2144年の韓国ネオ・ソウルでのクローン女性の物語         (未来SF風)
 6. その数百年後、世界大戦後のハワイ島から宇宙へ続く物語     (終末SF風)

 といった具合に、驚くべき異なる時空とジャンルなのである。各エピソードに応じて、キャスト達が複数の人物を演じているが、主役級のトム・ハンクスは、なんと一人6役をこなしている。また特殊メイク間のせいか、ハンクスとハル・ベリー以外のキャストは、一人で複数を演じていると分からない者が多く、後でそれを知ってびっくりしてしまった。これはこの映画のテーマである「魂の移住」を視覚化したアイデアなのであろうか。
 いずれにせよ、序盤は複雑過ぎるエピソード構成について行けず、何度か気持ちが折れそうになってしまったが、だんだんそれぞれのエピソードが鮮明になってくるに従いスクリーンに釘付けになっていく自分を感じ始めていた。その全く異なる6つのエピソードが共通するテーマとは何か。「魂の移住」などという抽象的な言葉ではよく理解出来ないだろう。私自身が勝手に解釈しているのは、「人間の尊厳」と「善と悪」という二つのテーマであるが、他の皆さんはどう感じたのだろうか。
 

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