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2013年6月の記事

2013年6月30日 (日)

オブリビオン

★★★★

製作:2013年米国 上映時間:124分 監督:ジョセフ・コシンスキー

Obribion
  宇宙戦争以来、久々にトム・クルーズ主演のSF超大作である。
 エイリアンの侵略により地球が半壊、核兵器の使用により放射能汚染地区が多発している。人類はこの侵略戦争にかろうじて勝利したが、地球を捨てて他の惑星へ移住しはじめていた。
 そして僅かに生き残ったエイリアンたちから水資源を守るために、ジャック(トム・クルーズ)とヴィクトリア(アンドレア・ライズブロー)の二人が監視タワーでパトロール活動をしている。またジャックは任務のため過去の記憶を消されているのだが、いつも夢の中に謎の女性が登場することに疑問を感じていた。そしてある日宇宙船が墜落し、その現場に急行したジャックが見たのは、いつも夢の中に登場する謎の女性だった。

 最近のCGオンパレード状況には辟易していたが、本作で使ったCGは宇宙船カーチェイスをしているシーンくらいで、あとはセットだというから驚きである。それに脚本のほうも良く練られていて、後半のドンデン返しもなかなか見事だった。
 ただ個人的には、謎の女を演じたオルガ・キュリレンコより、ヴィクトリアを演じたアンドレア・ライズブローのほうが好みなので、途中からのヒロイン交代にはかなり不満である。そしてジャックだけではなく、二人の女性たちの過去と葛藤も描いて欲しかったな。

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2013年6月27日 (木)

パラレル・プラネット

★★

製作:2013年カナダ 上映時間:87分 監督:オースティン・ハインズ

 物理学者のピーターは、妻をほったらかして、毎晩のようにラボに閉じ籠ってある研究を続けていた。その結果子供のころに観た摩訶不思議な世界に再び遭遇することになる。それこそがパラレルワールドへの扉なのであった。

 と書くと、いかにも魅力的なストーリー展開を感じるのだが、はっきりいって何もないのだ。とにかく退屈な前置きが長過ぎるし、やっとパラレルワールドの登場かと思えば、現実の中の妄想とほとんど変わらない描写にがっかり。

 
 やはりSFは、湯水のごとく金をつぎ込んだハリウッド製でないと観るに堪えない。また低予算でもアイデアとかストーリーに奇抜さがあればそれなりに楽しめるのだが、そのあたりもクリア出来ていないところが悲しいね。どうも最近この手の映画は不作のような気がする。

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2013年6月23日 (日)

ファインド・アウト

★★★☆

製作:2012年米国 上映時間:94分 監督:エイトール・ダリア

Fout
 毎年失踪者が多発している米国社会の実態と、無力化している警察を批判したスリラー映画である。
 過去に自分が拉致され、今度は妹までが行方不明になってしまったジルは、大騒ぎして警察に駆け込むのだが、警察側は彼女を被害妄想狂と決めつけて本気に捜査してくれない。
 真剣に相手をしてくれない警察の態度に切れたジルは、拳銃を携えて素人探偵を始めるのだが、狂人が拳銃を使ったということで指名手配となってしまう。だが彼女は、警察に追い回されながらも、必死になって妹の行方を探し続けるのだった。

 『赤ずきん』や『レ・ミゼラブル』などで有名になった、かわいこちゃん女優アマンダ・セイフライドがヒロインのジルを好演しているのが実に印象的だったが、スリラーとしてもドキドキするのでかなり楽しめるだろう。ただどんでん返しもなく、犯人もあっさりやられてしまうので本格的ホラーファンには、やや物足りないかもしれない。どちらかと言えば、エログロ抜きのスマートなスリラーが観たい人にお勧めの映画と言って良いだろう。

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2013年6月20日 (木)

テール しっぽのある美女

★★★☆

製作:2012年ノルウェー 上映時間:75分 監督:アレクサンデル・ノダース

 珍しいノルウェーの映画だが、内容のほうも実にユニークな変り種映画であった。ノルウェー神話には、美しい女性の姿をしているが牛のしっぽを持っているというフルドラという伝説の妖精が登場する。本作に登場するしっぽ美女は、まさにそのフルドラをモチーフにしているようである。ただ時折ちらちらと現れる不気味な仲間に比べると、しっぽ以外は全く人間そのものであるところが不可解だ。もしかすると人間との混血なのかもしれない。

 オープニングから、男二人が廃屋の中で何をしているのかもよく分からなかったし、途中で襲ってくる正体不明の人間たちの意図も意味不明だ。一応「禁断の生命体をめぐる 衝撃の北欧スリラー」というサブタイトルがついているのだが、ちっとも怖くないしほとんどエロもグロもない。低予算過ぎるからだろうか、だからと言ってSFとかファンタジーというイメージも湧かないのだ。
 退屈と言えば退屈な映画なのだが、馴染みのない北欧映画であり、かつ先読み出来ない展開ということが、妙にユニークさを生んでそこそこ楽しめたという皮肉な作品である。ただ結局のところ、最後まで意味不明な映画であったことも否めない。

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2013年6月17日 (月)

建築学概論

★★★★☆

製作:2012年韓国 上映時間:117分 監督:イ・ヨンジュ

Kenchiku
 まるで専門書や大学の講義を思い浮かべてしまうようなタイトルである。たしかにこの初恋物語のきっかけは、大学の『建築学概論』という講義だったのであるが、純な初恋とはほど遠くイメージ的にはかなり損をしているのではないだろうか。
 さてそれはそれとして、この映画は、韓国での恋愛映画興行成績を塗り替えて、大ブームを巻き起こしたという。ストーリーの流れはざっと次のような構成になっている。

 美しい中年女性が、自分の家を建ててくれと、建築家のもとを訪れる。最初は気が付かなかったが、彼女は15年前の初恋の相手だった。そして家の建築がはじまるのだが、そこから建築家の脳裏に初恋の記憶がよみがえり、過去と現在の二つのシーンが交錯してゆくのである。

 キャストは現在と過去では、男女とも別の俳優が演じているのだが、二人ともそれとなく雰囲気が似ていたし、ことに建築家のほうはまるで同一人物のように見えるから不思議であった。どちらかと言えば、ノスタルジー溢れる過去の話のほうに引き込まれるのだが、現在世界でのラストシーンは実に切なく、とどめなく流れてくる涙を拭うのが大変だった。また感動的で美しいテーマミュージックには酔いしれてしまったが、その引用タイミングも実に抜かりなかったね。
 
 初恋にはほろ苦い想い出が多い。だからこそ初恋の記憶はいつまでも心の中に生きている。まさにこの映画でも、誤解から初恋が破たんしたものの、二人の心はどこかでずっと繋がっていた。韓国恋愛映画としては、10年前に上映された『ラブストーリー』以来の、良質で出来の良い感動作だと確信する。ただれた現実から離れて、美しい過去の残像の中で癒されたい人。是非この映画を観て、忘れていた青春の涙を思い切り流してみようではないか。

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2013年6月14日 (金)

百年の時計

★★★★

製作:2012年日本 上映時間:105分 監督:金子修介

100tokei
 製作は香川県の政財界によって設立・支援された「さぬき地産映画制作委員会」で、2012年10月20日に香川県にて先行公開されたご当地映画である。地味な草の根映画ではあるが、徐々に作品の質の良さが認められ、全国規模での上映になりつつあるという。映画とはハリウッド映画のようにガンガン金をつぎ込んで創るものばかりではなく、このように味のある良い作品が少しずつ静かに人の心に沁みこんでゆくというパターンもあるのだ。実に良い話ではないか。

 さてストーリーのほうは、高松市美術館に勤務する学芸員の神高涼香(木南晴夏) が、地元出身で世界を代表する前衛芸術家・安藤行人(ミッキー・カーチス)の回顧展を企画・担当することになり、高松空港まで彼を迎えに行くところから始まる。その安藤行人はかなり年配で、すでに終わっていると噂され、また気難しい事でも有名であった。彼は回顧展の開催よりも、昔時計をくれたある女性を探すために故郷に戻ったのだった。それで回顧展開催の条件として、涼香にその女性を一緒に探すことを要求するのだった。

 美しい四国の風景と路線開業100周年を迎えた「ことでん」こと高松琴平電気鉄道のクラシカルな雰囲気がスクリーンに漂う。そしてストーリーはコミカルな現代と、シリアスな過去の回想がパラレルに進行してゆく。そしてラストでは現代と過去がめぐりあい、時を超えた恋が結実するハッピーなエンドで締めくくられる。私自身はバタバタと忙しい現代よりも、詩的な雰囲気でノスタルジー溢れる過去の映像に惹かれてしまった。だからハッピーエンドにはやや懐疑的だ。過去は過去のベールに包まれたままで良かったような気もするのだが、みなさんはどう感じましたか。

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2013年6月11日 (火)

愛さえあれば

★★★★

製作:2012年デンマーク 上映時間:116分 監督:スサンネ・ビア

Aisae
 日本で上映されるのは珍しいデンマーク映画。妻の死を乗り越えられないで仕事だけに打ち込む男と、やっと乳がんの治療が終わったと思ったら、目の前で夫と若い女の情事を見てしまった女が、偶然子どもの結婚式で出会い惹かれ合っていくという大人のラブストーリーである。

 子供たちの結婚には、なんとなく嫌な予感がしていたのだが、まさか新郎にあんな趣味があったとはね。新婦はとても綺麗で素敵なのに信じられないね。でもこの映画のヒロインは、新婦ではなく深新婦の母親役を演じたトリーヌ・ディルホムだった。
 彼女のことはよく知らないのだが、デンマークが誇る実力派女優らしい。それにして50歳前後の役をこなした彼女はなんと40歳なのだという。老け顔で美人でもないのだが、ポジティブな性格が良さそうで、なんとなく惹かれてしまうという魅力が感じられた。相手役の老美男子はどこかで観たことがあると思ったら、なんと007シリーズで5代目ジェームズ・ボンドを演じたピアース・ブロスナンであった。

 全体の流れとしては、よくありそうなラブコメという作りなのだが、単純なラブトーリーで終わらず、人生のいろいろな引き出しを見せてくれるヒューマンドラマとしても良い仕上がり具合だ。それにイタリアの美しい景色が見事に調和しているので、中年の女性にはたまらない一本と言えるかもしれない。

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2013年6月 8日 (土)

はじまりのみち

★★★★

製作:2013年日本 上映時間:96分 監督:原恵一

Hajimari
 日本映画の黄金期を築いた木下恵介監督の生誕100年記念作。予告編を観た限りでは、それほど食指が動く作品ではなかったのだが、ネットでの評価がかなり高いので観る気になってしまった。
 てっきり木下恵介監督の半生記かと思っていたのだが、戦時中に病気の母を疎開させるため、リヤカーに乗せて必死に山越えしたというシーンが大半を占めていた。あとは木下恵介監督の数々の名作と名シーンを織り込んでゆくという構造である。
 だから観客もほとんどが年配者であり、昔観た同監督の映画をしみじみと思い返して涙するということになる。逆に言えば若い人たちにとっては退屈極まりない映画とも言えるかもしれない。

 この映画を観てつくづく実感したことは、木下恵介監督は非常に家族に恵まれた人だということである。父母も兄も妹たちは、みんな優しいし、映画監督になった彼を誇りにしていたようだ。人間の愛を描いて数々の傑作を生み出した裏には、そうした家族の愛情が渦巻いていたのである。
 またキャストが実に良い。『俺俺』の底意地の悪いタジマ主任とは、まるで180度違う真面目で頑固な木下恵介監督を演じた加瀬亮の懐の広い演技力にも感心したが、母親役の田中裕子の枯れたような品格の漂う演技も素晴らしかった。さらに女好きでお喋りな便利屋を演じた濱田岳が、実に良い味を絞り出していて、淡々として変化の少ないこの映画を、ピリリッと引き締めてくれた。
 便利屋が語る映画『陸軍』のラストシーンで母親を演じる田中絹代と、本作で母親を演じた田中裕子が重なり、さらには田中裕子似の亡母の思い出までが蘇ってきて、涙が止まらなくなってしまった。
 そして終盤は木下映画のオンパレードが続く。まあいずれにせよ、ドラマとして観るのではなく、『木下恵介監督の生誕100年記念オマージュ』として鑑賞する作品だったような気がする。

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2013年6月 5日 (水)

俺俺

★★★☆

製作:2012年日本 上映時間:119分 監督:三木聡

Oreore
 ちょっとしたきっかけから他人のケータイを手に入れ、そのケータイを使ってケータイの持ち主の母親に連絡し、俺俺詐欺を実行。現金90万円を自分の口座に振り込ませることに成功。
 この出来事を境に、俺はそのケータイの持ち主になってしまい、急におかしな世界に突入してしまうのだ。おかしな世界とは、他人がどんどん自分になり、どんどん増殖していくという世界なのだった。

 そしてあるとき、出来の悪い自分のコピーを否定した日から、今度は自分の削除がはじまり、自分が自分に狙われ、追い掛け回されることになってしまうのだ。原作は星野智幸の小説だと言うのだが、なんだかわけの分からない展開の中に、ピリリと光るユーモアが小気味良い。
 監督の三木聡が手がけた作品は、『亀は意外と速く泳ぐ』、『インスタント沼』、『図鑑に載ってない虫』などなど、日常の中に突然として襲いかかってくる不条理で荒唐無稽なコメディーが多く、独特の世界観が漂っている。
 また主演の亀梨和也君の一人33役(実際には4役位?)は、多役の新記録だと思うし、演技力もなかなかたいしたもんだ。さらに内田有紀と加瀬亮も新境地の役柄にはまっていて、なんとなく燃えるような役者魂を感じたな。

 ただ後半になって、ドタバタ活劇の連続には辟易したし、一体何を言いたかったのかもはっきりしない。さらには想定内でのラストシーンにも失望してしまった。荒唐無稽な割には、もうひと捻りが足りない。ちょっぴり消化不良な作品、というところで止まってしまったようである。

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2013年6月 2日 (日)

ドリフト

★★★☆

製作:2012年オーストラリア 上映時間:114分 監督:モーガン・オニール 、ベン・ノット

Dorift
 幼い頃からサーフィンの魅力に取りつかれた兄弟が、大人になってサーフィンをやりながらサーフビジネスを立ち上げてゆくというお話。
 ただ実話を基にしているせいか、どちらかと言えばサーファー青春ドラマとしては、ちょっと地味で、大きな盛り上がりもなかったのだが、オーストラリアの美しい海と、スピード感溢れる見事なサーフィン。そして兄弟愛と恋愛と友情と悪友がらみの波乱のストーリーは、観客を飽きさせることがないだろう。
 またあの『アバター』のサム・ワーシントンが、さすらいのヒッピー役として登場していたのだが、さすがに主役を食うほどの存在感が漂っていたね。

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