舟を編む
★★★★☆
製作:2013年日本 上映時間:133分 監督:石井裕也

原作は本屋大賞に輝いた三浦しをんの小説。一冊の辞書を作るには、気の遠くなるほどの年月を要すると聞いたことがある。この物語でも『大渡海』という辞書を15年間かけて製作している。事業としては全く割の合わない出版物であるが、辞書の製作こそ、採算を度外視した出版社のステータスであり、出版人の意地なのであろう。
このお話では、その名の通り真面目な馬締光也(松田龍平)と下宿の大家の孫娘・林香具矢(宮崎あおい)との清純ドラマのような恋愛物語もちりばめられてはいるが、映画の本質は15年間に亘る真摯な辞書作りにスポットが当てられている。
私自身も大昔に、某出版社に籍を置いていたこともあり、編集作業に没頭している人々の姿を観ていると、胸がジーンと熱くなってしまう。だがこの物語は、出版社の経験がない人でもかなり感動できる様な気がする。
それは出演者の多くが、真面目で誠実な役柄に徹しているからである。ことに主役である松田龍平の真面目演技は超完璧だったし、もともと地が真面目な俳優である加藤剛の久々の演技も、ぴたりとはまっていた。また不真面目で要領の良い先輩・西岡正志(オダギリジョー)の存在も、馬締光也とは正反対の存在であるのだが、それが馬締光也を真面目に見せるための薬味になり、なかなか好感を持てる存在なのである。
ほかにも、小林薫・池脇千鶴・渡辺美佐子・伊佐山ひろ子などの個性豊かな演技派が脇を固めている。またエンドロールで麻生久美子の名前が流れていたのだが、一体どこに登場したのか分からなかった。後で良く調べたら、辞書の宣伝ポスターとして映っていた女優だったらしい。これじゃあ分からないはずだよね。
いずれにせよ、かなり良質な映画であった。まずは今のところ、2013年日本アカデミー賞の最有力候補に躍り出たことは間違いないだろう。
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» 舟を編む ★★★★ [パピとママ映画のblog]
2012年本屋大賞で大賞を獲得し、2012年文芸・小説部門で最も販売された三浦しをんの『舟を編む』(光文社・刊)。
言葉の海を渡る舟ともいうべき存在の辞書を編集する人々の、言葉と人に対する愛情や挑戦を描いた感動作を、「剥き出しにっぽん」で第29回ぴあフィルムフェ...... [続きを読む]
受信: 2013年4月23日 (火) 20時14分
» 舟を編む [映画的・絵画的・音楽的]
『舟を編む』を渋谷のシネパレスで見ました。
(1)昨年の本屋大賞を受賞した際に原作本〔三浦しをん著『舟を編む』(光文社)〕を読んだことから、本作にも興味が湧いて映画館に出かけてみました。
本作の最初の方の時代は1995年、舞台は出版社・玄武書房の辞書編集...... [続きを読む]
受信: 2013年4月24日 (水) 22時47分
» 映画 舟を編む [こみち]
JUGEMテーマ:映画館で観た映画nbsp;
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冒頭は凄く地味なストーリー。
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西岡正志と三好麗美のことがなければ
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平凡すぎて飽きてしまうくらい地味だった。
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中盤から後半は、辞書製作の苦労を現しているかのように
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年代が飛ぶが、林香具矢役の宮崎あおいのメイクが
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若い頃から中年になると髪が... [続きを読む]
受信: 2013年4月25日 (木) 21時18分
» 映画『舟を編む』観てきたよ〜(*´∀`*) [よくばりアンテナ]
昨年度の本屋大賞を受賞した三浦しをんさんの同名作品が原作。
辞書編纂っていう、ちょっと考えてみても時間のかかる地味〜な仕事に
スポットを当てた悪い人の出てこないお仕事&人間模様の内容。
...... [続きを読む]
受信: 2013年4月29日 (月) 13時43分
» 映画「舟を編む」感想 [タナウツネット雑記ブログ]
映画「舟を編む」観に行ってきました。2012年本屋大賞に輝いた三浦しをん原作の同名小説を、松田龍平・宮崎あおい主演で実写化した作品。物語の始まりは1995年。出版社の玄... [続きを読む]
受信: 2013年4月29日 (月) 19時57分
» 『舟を編む』 [cinema-days 映画な日々]
辞書作りに没頭する
編集者の言葉や仕事に
対する情熱や思いを描く。
【個人評価:★★☆ (2.5P)】 (劇場鑑賞)
原作:三浦しをん
2012年本屋大賞受賞作品 [続きを読む]
受信: 2013年4月29日 (月) 22時10分
» 映画「舟を編む」仕事に何を求めるのか [soramove]
映画「舟を編む」★★★★
松田龍平、宮崎あおい
オダギリジョー、黒木華 出演
石井裕也監督、
134分、2013年4月13日より全国公開
2012,中国,角川映画
(原題/原作:舟を編む/三浦しおん)
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書籍「舟を編む」好きこそ... [続きを読む]
受信: 2013年4月29日 (月) 23時38分
» 舟を編む [だらだら無気力ブログ!]
辞書作りって大変なんだな。 [続きを読む]
受信: 2013年5月 2日 (木) 15時56分
» 辞書を作ろう! [笑う社会人の生活]
20日のことですが、映画「舟を編む」を鑑賞しました。
玄武書房に勤務する馬締は職場の営業部では変人扱いされていた
言葉に対する並外れた感性を見込まれ辞書編集部に配属され、新しい辞書「大渡海」の編編に従事することになり・・・
辞書編集をテーマにしたドラマ
...... [続きを読む]
受信: 2013年5月 4日 (土) 10時05分
» 舟を編む [単館系]
舟を編む ユナイテッド・シネマ浦和 4/13公開
玄武書房に勤務する馬締光也(松田龍平)は職場の営業部では変人扱いされていたが、
言葉に対する並外れた感性を見込まれ辞書編集部に配属される。
新しい...... [続きを読む]
受信: 2013年5月28日 (火) 01時06分
» No.351 舟を編む [気ままな映画生活]
出版社の辞書編集部を舞台に、新しい辞書づくりに取り組む人々の姿を描き、2012年本屋大賞で第1位を獲得した三浦しをんの同名小説を映画化。玄武書房の営業部に勤める馬締光也は、 ... [続きを読む]
受信: 2013年6月 9日 (日) 21時40分
» 舟を編む [C’est joli〜ここちいい毎日を♪〜]
舟を編む
13:日本
◆監督:石井裕也「ハラがコレなんで」「川の底からこんにちは」
◆出演:松田龍平、宮崎あおい、オダギリジョー、黒木華、渡辺美佐子、池脇千鶴、 鶴見辰吾、伊佐山ひろ子、 八千草薫、小林薫、加藤剛、宇野祥平、森岡龍
◆STORY◆玄武書房に勤務す...... [続きを読む]
受信: 2013年6月11日 (火) 22時51分
» 『舟を編む』 なぜ1995年なのか? [映画のブログ]
『舟を編む』は、辞書の編纂という地味で気の長そうな仕事が、想像を遥かに上回るほど地味で気が長いことを描き、そこから絶妙な笑いを生み出すコメディだ。
本作は1995年を舞台にしているけれど、描かれる内容は極めて今日的だ。東日本大震災後の私たちにとって、切実な問題でもある。
それどころか、時代設定が1995年であるところがミソなのだ。
20年にも及ぶ辞書作りは、いつの時代を舞台にし...... [続きを読む]
受信: 2014年1月 3日 (金) 22時58分
» 舟を編む [いやいやえん]
松田龍平は一見パッとしない役柄のほうが似合う。
辞書を作る。それは、何万語とある言葉の海の中を泳いで渡るごときのようなもの。現代に於いてそれがこんな途方もない年月と労力が費やされているものだとは夢にも思わなかった。先達たちが作ってきた辞書を改良編集して作っているものと思っていた。はっきりいって、辞書を観る目が変わったように思う。
何気なく普段遣っている言葉、その意味をいざ説明してみろといわれたら、我々は出来るだろうか?劇中、序盤で主人公が「右」という言葉を説明してみろといわれるシーンがあ... [続きを読む]
受信: 2014年1月 6日 (月) 08時40分
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