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2013年4月25日 (木)

エレベーター

★★★

製作:2011年米国 上映時間:84分 監督:スティグ・スベンセン

 舞台はほとんど、閉じ込められたエレベーターの中だけという、ワンシチュエーションスリラーである。登場人物も少ないし、ほとんどがエレベーター内での会話のみなので、製作費はかなり低めに抑えられたのではないかと思うが、観る人によってはかなり退屈な映画かもしれない。

 少女のいたずらによって緊急停止したエレベーター。だがその後、停止ボタンを元に戻してもエレベーターは動かない。インターホンで助けを求めるのだが、なかなか救助隊がやってこない。そのうち閉じ込められた男女9人のストレスが溜まり、険悪なムードが漂ってくる。さらにそのうちの一人が爆弾を所持していることが分かり、全員がパニックに陥ってくるのだった。

 このあらすじを読むとなかなか面白そうなのだが、ストーリーがよく練りこまれていないばかりか、かなり設定に無理があって納得できないところが残念である。
 まず超高層ビルでエレベーターが一台しかないわけではなし、乗客が満員になるまで動かないのは変だし、定員が10人以下だったり、スピードが遅すぎるのも非現実的である。さらには事故が起こっても、同乗している警備員の無線が電池切れとか、助けが来るのに何時間もかかるのもわざとらしくてムカムカするばかりだ。また全く捻りのない平凡な決着のつけ方にも疑問符がつく。一体この監督は、何を言いたかったのだろうか・・・。
 
 まだまだ揚げ足をとれば切りがないのだが、いずれにせよもう少し感情移入可能なまともな設定と脚本でないと、こうしたワンシチュエーションものでは退屈感を拭えないだろう。もし84分という短い時間でなければ、たぶん途中でDVDを早送りしてしまうところであった。

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