フライト
★★★
製作:2012年米国 上映時間:138分 監督:ロバート・ゼメキス
旅客機の緊急着陸を成し遂げた機長ウィップ役を、デンゼル・ワシントンが演じる。と聞くとなんとなく『サブウェイ123 激突』のようなパニック映画を連想してしまう。
もちろん離陸時に、ひどい乱気流を難なく乗り越えたり、機体の故障で墜落し始める旅客機の逆さま飛行などの見せ場はある。だがそれは前半だけで、本当のテーマはアル中機長の破滅の物語というヒューマンドラマだったのだ。
オープニング映像では、全裸の美女がアンダーヘアー丸出しで、薄ら明りの部屋を歩き回っていた。そしてその横では、ぐでんぐでんに酔っ払ったデンゼル・ワシントンが寝ていたのだ。そして彼はコカインを、大きく鼻から吸うのだった。
そうその二人こそ、本日航空機を操縦する機長とフライトアテンダントだったのである。ウィップ機長はいつもそんな状態でフライトを重ねていたようだが、操縦士としてのテクニックは間違いなく超一流だ。だからこそ、数人の犠牲者を出したものの、大惨事を回避させることができたのである。
最初はマスコミの寵児となり英雄扱いされていたが、入院時の血液検査結果から、飲酒とコカイン反応が出てしまい、場合によっては重大な業務過失となり、終身刑に服されることになってしまうのだった。そんな彼を救おうと友人が会社側に願い出て、有能な弁護士を雇うのだが…。
さすがにこの映画で、アカデミー主演男優賞にノミネートされただけあって、二つの顔を演じるデンゼル・ワシントンの演技力は安定していたし、その存在感も健在である。だが138分も使った割には、どうも脚本の練り方が中途半端だったのか、フイルムの編集で、かなり削除してしまったのか、ストーリーの紡ぎ方に疑問を感じざるを得なかった。
いきなりはしょられて、ラストシーンを迎えるのだが、妻や彼女を失い、操縦士の免許も取り消され、社会的信用も失ってしまうのだ。全てを失ったうえに刑務所に拘留されてしまうウィップ機長だったが、一番大切だったものだけを取り戻すことが出来、開放感で満たされてジ・エンド。なんだか無理矢理ハッピーエンドに繋げた感があり、素直に感動できなかった。それにしても、それまで友人宅に幽閉していたのに、どうして最後の晩になって、あんなホテルに一人きりにさせたのか、それがいつまでも喉の奥に引っかかった魚の骨のようで気分がよくないね。
最後に下記のバナーをクリックしてランキングを確認してくれると嬉しいな↓↓↓
↓ブログ村とクル天↓もついでにクリックお願いします(^^♪
| 固定リンク | 0
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- スイート6ストーリーズ『恋するダイアリー』(2024.10.01)
- ちょっと思い出しただけ(2024.09.28)
- トップガン マーヴェリック(2024.09.21)
- ケイコ 目を澄ませて(2024.09.15)
- ノマドランド(2024.09.12)
コメント