死刑台のエレベーター
★★★★☆
2010年にリメイク公開された阿部寛主演の邦画は不評であったが、1957年に製作されたこのオリジナルのフランス映画は実に完成度の高い名作といえよう。邦画のほうを観ていないので比較は出来ないが、おそらく単純に想像するところでは、監督とキャストの違いなのではないだろうか。
社長夫人のフロランスと不倫関係にあったジュリアンは、彼女に頼まれて社長を自殺に見せかけて殺害し、二人で逃亡する計画であった。ところがジュリアンは、現場に致命的なミスを残してしまったことに気付く。彼はそれを消すために急遽現場に戻るのだが、途中でエレベーターが故障して、その中に閉じ込められてしまうのである。
さらに不都合なことに、逃亡するために用意しておいた車が、若いカップルに盗まれてしまい、彼等によってとんでもない事件を引き起こされてしまうのであった。さあ一体ジュリアンの運命はどうなるのか。そして雨の降る夜を徹してジュリアンを探し続けるフロランスは、彼にめぐり合うことが出来るのだろうか・・・。
このような流れで、ハラハラ・ドキドキしながら、ジャズの音楽と甘美なモノクロ映像によって、クライム・ミステリー・ロマンスとも言えるこの映画は紡がれて行くのである。実に見事な脚本と演出の連続であり、映像も音楽も非の打ちどころがない。そしてフロランスを演じたジャンヌ・モローの魅せる哀愁の佇まいがなんともいえないのだ。もしかしたらこの作品は、ミステリーではなくラブストーリーだったのだろうか。それにしても、半世紀以上前に製作された映画とは、とても信じられないほどスタイリッシュで魅力的な作品である。
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