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2012年7月16日 (月)

呉清源 極みの棋譜

★★★

 囲碁好きの人なら、呉清源の名やその活躍ぶりは周知のことだろう。小学館の日本大百科全書に記載されていることを要約すると次のようになる。

呉清源
(1914― )
 棋士。日本棋院名誉客員。中国福建省生まれ。本名は泉、清源は字(あざな)。12歳のとき、北京(ペキン)を訪れた岩本薫六段に3子置いて勝ち、一躍天才少年の名を高めた。1928年(昭和3年)来日、瀬越憲作(名誉九段)に入門し、29年飛付(とびつけ)三段を許される。33年本因坊秀哉(しゅうさい)名人に先で対局して反響をおこす。また木谷実(きたにみのる)とともに新布石法を開拓して注目を集めた。39年から56年の間に、当時の最高段者木谷実、高川格(かく)、藤沢朋斎(ほうさい)、坂田栄男(えいお)らを十番碁で連破し、昭和碁界の実力第一人者の名をほしいままにした。84年現役引退。門下に林海峯(りんかいほう)九段がいる。

 とあり、木谷実氏とともに、現代日本囲碁の礎を築いた棋士なのである。本作はこの呉清源の半生をダイジェスト的に描いている。戦前の日本の風景を超美麗な映像に収め、中国人である呉清源の苦悩と、その知られざる奇行などを余すところなく描いている。囲碁ファンにとっては是非とも観ておきたい映画に違いない。
 しかしながら、ストーリー性がほとんどなく、説明文でフォローしながら、予告編を切り貼りしたような脚本にはかなり違和感があった。それと新興宗教との関わりにばかりスポットを当て過ぎて、肝心の囲碁シーンが少な過ぎるのも不満である。

 日中合作映画であるが、舞台はほとんど日本であり、キャストも主演のチャン・チェンほか数名を除けば、柄本明 、伊藤歩 、仁科貴、宇津宮雅代 、米倉斉加年、 南果歩、 松坂慶子などの個性的な日本人俳優が多く、まるで日本映画のようである。もう少し脚本を練ってストーリー性を高め、かつ偉大なる棋士である呉清源の囲碁に対する華々しい功績を描いていれば、もっともっと素晴らしい作品になっていたはずである。非常に残念でならない。

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