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2012年6月29日 (金)

星の旅人たち

★★★★

 スペインにて、キリスト教巡札の途中で事故死した息子に代わり、彼の遺灰を携え、80キロの巡札を決意する60代の父親・トムを描いたロードムービーである。
 最初はひとり旅のはずだったトムだが、途中のレストランで陽気で気の良い大男・ヨストと知り合う。その後ニコチン中毒の女性・サラと、題材を求めて旅する作家・ジャックが仲間に加わり、いつの間にか四人で巡札の旅をすることになってしまう。

Hoshi
 この四人はそれぞれが個性的で魅力的だ。そしてニコチン中毒者のサラについては、トムと同じような悩みを持っていることが分かってくる。
 はじめは自分だけが不幸のどん底にいるのだとふさぎ込んで、常に不快な態度をとっていたトムだった。また途中でジプシーの少年に荷物を盗まれてしまい益々落ち込んでしまう・・・。だが、あとで少年の父親が陳謝し、そのお詫びの対処方法は、とても好感が持てるものだった。
 眼科医のトムは、こうして旅を重ねながら、普段付き合ったことのない人々と出会い、いろいろな経験を重ねてゆく。そしてだんだん枯れていた心が潤ってくるのだった。この過程が至極自然に描かれており、無理のない好感の持てる作品に仕上がっている。
 原題は「THE WAY」であるが、”星の平原”と呼ばれる世界遺産「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」への道だから、邦題が「星の旅人たち」なのだろうか。地味ではあるが、実に味わい深い良質な映画であった。

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映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

こにさんコメントありがとう
父親というものは、子供に対してはっきりとものを言わないので、なかなか理解されない存在かもしれませんね。
これからもよろしく。時々お邪魔したいと思っています。

投稿: ケント | 2012年7月 1日 (日) 11時47分

トラックバックありがとうございました。
父親という存在は、色々と難しいのだな、と改めて感じ入りました。
良い映画でしたね。

投稿: こに | 2012年6月29日 (金) 19時48分

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» 映画・星の旅人たち [読書と映画とガーデニング]
2010年 アメリカ・スペイン合作 原題 The Way アメリカ、カリフォルニア州の眼科医トム・エイヴリー(マーティン・シーン)が仲間とゴルフに興じている時携帯電話にフランス語で電話がかかってくる それは、大学院をやめて世界を見たいと旅に出た一人息子のダ...... [続きを読む]

受信: 2012年6月29日 (金) 19時45分

» 星の旅人たち [だらだら無気力ブログ!]
観終わって心地いい気持ちになる作品だった。 [続きを読む]

受信: 2012年7月 2日 (月) 01時49分

» 星の旅人たち [ここなつ映画レビュー]
すごくいい作品でした。こういう表現から入っていくのは失礼な位。でも、いい作品だけれど、これは、ある程度、ある一定の形で大人になった人にしか味わえない良さかもしれない。いろいろな意味での…年齢だけでなく…折り返し地点、のようなものを通過した大人が、それでもまだまだ人生の奥深さを味わい知ることができ、それに気づく、というような。いや、折り返し地点なんて、こんなもんじゃない、とか。 憧れの巡礼の旅、サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼。いかにもヨーロッパ的な形をした二枚貝がシンボル。人は、心... [続きを読む]

受信: 2012年9月 3日 (月) 12時40分

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