グロテスク
妹のユリコ、友人の和恵とミツル、そして自分を含めた4人の女達のゆがんだ青春と、グロテスクなほど異常な成年期を描いた怪作である。またこの作品は、1997年に東京都渋谷区円山町で発生した「東電OL殺人事件」を参考にして描かれた作品だという。そして近年になって、鬼才・園子温監督が、やはり「東電OL殺人事件」をモチーフとした『恋の罪』という映画を製作している。
もし僕が女性だったら、さらにもっと強烈なインパクトを受け、自分の生き方そのものにも大きな影響を受けてしまっただろう。ある意味でこの作品は、かなり危険な『有毒小説』かもしれない。ほとんどが女達の手記や日記として綴られているのだが、ことに和恵の日記はグロテスクそのもので、発狂寸前というか、途中で完全に切れてしまっている。
分厚く重い単行本で、通勤時に本を読む僕には、少々荷物になってしまったが、中盤ごろからは、その重さも気にならない程没頭してしまった。問題作ではあるが、この作品を外しては桐野夏生を語れない位の傑作に仕上がっている。
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