KOTOKO
★★★
主演のCoccoのことは全く知らなかったが、塚本晋也監督がべネチア国際映画祭でグランプリを受賞した作品だということで、新宿テアトルまで足を運んだ。いつもの塚本作品とは、どこか異質な感もあったが、逆にいつもにも増して毒々しい作品でもあった。
まずハンディカメラの手振れ酔いと、超やかましい雑音のオンパレードには文句を言いたい。そのうえ乳幼児虐待のような、不自然なシーンや、何度もリストカットを重ねて血まみれになるシーンが多過ぎる。
果して彼女はマゾなのかと思えば、今度は男の手の甲に、思い切りフォークを突き刺したり、恋人に対して、お岩さんになるほど顔面を血ぶくれにしてしまうサドぶりも理解不能。また塚本監督自ら演じる恋人・田中の登場も、いまひとつ不自然さを拭えない。
さらにKOTOKOは、常に被害妄想で、見知らぬ人が近づくと、暴行幻想に追われて狂い出す。これは極度の母性愛から生じる過剰反応現象と解釈されているが、申し訳ないが私には、単なる超精神異常者にしか見えなかった。
一体それにしても、この映画は何を言いたいのだろうか。前半は船上い酔い状態と血みどろ恐怖性で酷く気分が悪くなり、何度途中で席を立とうかと思ったことか。中盤になって田中が登場し、なんとなくいつもの塚本節が蘇ってくる展開になった。それで、そのまま継続して観ていたのだが、結局は元の木阿弥、後半もKOTOKOの理解不能な狂態に振り回され続けるばかりなのだ。
この狂乱女・KOTOKOを演じたのは、歌手のCoccoで、映画初主演だという。塚本監督の演出が優れていたのか、はたまた彼女が大天才なのか、いずれにせよ、何かに憑かれたような狂気漂うもの凄い演技だった。それだけは間違いなく評価したいが、それ以外は残念ながら凡庸な私には理解出来なかった。
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