ドッグヴィル
この映画の舞台はドッグヴィルというアメリカの閉鎖的な田舎村なのですが・・・演劇を意識したのか、背景は全てがスケルトンで、ドアも屋根も壁もないチョークで描かれただけの小さな家が10軒ばかり並んでいるだけなのです。
そしてストーリーは始めから終りまで、この舞台仕立ての田舎村の中だけで展開し、パントマイムとナレーションが延々と続く一種の実験的心理劇のようでした。 こうした設定と知らずに観たため、前半は退屈で退屈で、もう少しで居眠りしそうで参りました。
しかしギャングに追われたニコールが登場するあたりから、少しずつ目が覚め始めて、終盤はスクリーンに釘漬けになってしまったのです。 その後、村の人々がよそ者のニコールに対して友人づらをしてみたり、奴隷扱いをしてみたりするシーンは、よくホラー映画でも使われる展開ではありましたが、その先が全く読めませんでした。
そしてラストのドンデン返しと、奇妙なエンディング・クレジットとデビットボウイのミュージックには、はっとさせられる何かがありました。 少なくとも僕はいままでこんな変わった映画を観た記憶がありませんし、ジャンル分けも正確な評点も不可能でしょう。
このへんてこりんな同一背景と、ナレーションだけで3時間も引っ張れたのは、1にも2にもニコール・キッドマンの「存在感」以外の何物でもないでしょうね。 またこの作品の監督は、村人たちの中に潜む『人間の欲望と残酷さ』を描くと同時に、この映画を観ている観客自身の残酷さを、嘲笑しているような気がしたのは私の思い過ごしでしょうか。
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