モールス これはユニークなバンパイア映画だ
★★★★
『クローバーフィールド/HAKAISHA』のマット・リーヴス監督がメガホンをとったホラー映画で、あのスティーヴン・キングが絶賛した作品らしい。そして主演は『キック・アス』のクロエ・モレッツちゃんとくれば、映画好きならすぐに飛びつきたくなる映画である。
モールスというタイトルは、クロエ・モレッツちゃん扮するミステリアスな少女アビーと、隣家に住む孤独でいじめられっ子のひ弱な少年オーウェンが、壁越しにモールス信号で会話するシーンをもじって付けたのだろう。ただそんなシーンは極僅かであり、当然のことながら原題の『LET ME IN (私を入れてください)』のほうがぴったしだ。
というのも、この映画はスウェーデン映画『ぼくのエリ 200歳の少女』のリメイク版で、一風変わったバンパイア映画なのだ。バンパイアは他人の家に招かれなければ入れない、それで原題が『LET ME IN (私を入れてください)』なのである。
バンパイア映画ではあるが、バンパイアとしての超能力シーンは余りなく、少年と少女の切ないラブストーリーを中心に展開してゆく。そしてそれがこの作品の見どころとなっているのだ。さらに少女と父親らしき人物との関係と、ラストの結末が見事に絡みあってゆくところが実に面白い。ホラーファンなら決して観て損のない映画であろう。
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