東京原発
★★★★☆
ある日、石原知事もどきの独裁的カリスマ知事が、幹部職員を集めて「東京に原発を誘致する」と宣言するのです。それだけでも皆が度肝を抜かれているのに、原発は都庁の庭といわれる新宿公園に造ると息まくのでありました。そして専門家や学者も巻き込んで、皆でケンケンガクガクと馬鹿げた討議を繰り返すのです。
その討論中に、『プルトニウム』を積んで、東京都内を走るトラックが、子供のテロにハイジャックされてしまうという緊急事態が勃発し、上や下への大騒ぎとなります。とにかく荒唐無稽な映画ですが、原発に関する沢山のウンチクと、政府の推進するデタラメ行政を、楽しみながらお勉強させてもらえます。
館内は苦笑、失笑、爆笑の連続ですが、知らず知らずのうちに、原発の無意味さと恐ろしさを、心ゆくまで知らされてゆく仕組みになっています。チェルノブイリの例によると、もし大地震などで『浜岡の原発』が破壊されたら、東京まで放射能が届いてしまい、そのうち約80%の人々が死亡するらしいのです。これは大変な事実で、もしそうなれば日本は完全に壊滅状態です。
政府や電力会社は、それらの事実は公表せずに、誤った安全性だけを宣伝し、巨額の予算を投入し続けています。また本来は石油や原子力以外でも、電力を生み出す技術力がありながら、予算が原子力のみに配分されるため、なかなか研究開発が進まないのが実情のようです。これらは全て一部の企業や政治家の利権のために、行われているというわけです。
こうした諸々の知識が、愉快なストーリーを通して自然に伝授されるのですからたまりませんね。
このような映画は、邦画では極めて稀な存在ではないでしょうか。いずれにしてもこの作品は、シナリオと個性派俳優達の演技力の勝利といえるでしょう。ただ政治的な圧力により、ほんの一握りの映画館でしか上映されなかったため、興業的には採算が獲れなかったと思います。それが一番残念でたまりません。より多くの人々に、この映画を観てもらい、国家の危険な過ちを知ってもらいたいし、今後もこうした分かり易い政治映画を創ってもらいたいと感じたからです。
(本文は2004/04/05に書いたものです・・・念のため)
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