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2012年2月の記事

2012年2月29日 (水)

ペントハウス

★★★

 マンハッタンの超高級マンション「ザ・タワー」の最上階に住む億万長者・ショウに全財産を騙しとられたタワーの管理人たちが、ショウが隠し持つ大金を盗んでしまおうとするクライムアクシヨンである。ただナイトミュージアムのベン・スティラーとエディー・マーフィーの共演ということで、ちょっとコミカルな創りになっている。

Pento
 この手の作品は、メンバーがプロフェショナルなこと、緻密な計画とハラハラドキドキの展開が売り物のはずだが、車を宙吊りにするシーン以外は、全てあっさりし過ぎていてちょっと拍子抜けだった。
 また女性捜査官との口マンスも中途半端のままだし、エディー・マーフィーの良さも全く出し切っていない。かなりゆるい作品なので、ゆったりとした気分で鑑賞するしかないね。たまにはこうしたゆるい映画を観るのも良いかもしれない。

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2012年2月27日 (月)

スリーピングビューティー/禁断の悦び

★★★

 川端康成の『眠れる美女』がベースになっているという。確かに強力な睡眠薬によって眠らされている美女と、大金持ちの老人が添い寝するという部分だけは似ている。
 だがそのシーンは、後半に少し登場だけであり、老人たちの葛藤などはほとんど描かれていない。

Sbeu
 さらに主人公ルーシーの行動がよく理解出来ない。なぜいくつもの仕事を兼務するのか、またお金が欲しいのかと思えば、なぜ紙幣を燃やすのか。そしてなぜ母親が娘をいたぶるのか、ルーシーの彼氏は不治の病だったのか?
 などなど、文学作品をきどっているのか、過剰に説明不足なのだ。はっきりいって私の頭脳では良く理解出来なかった。
 どちらにせよ、この作品を見ようと思ったきっかけは、あの『エンジェル ウォーズ』のエミリー・ブラウニングの全裸が見たいという不純な動機である。その点においては、全く期待を裏切られず、彼女の純白の肌からアンダーへアーまではっきりと写し出されていた。ただし裸だけでセックスシーンは一切ないので、過剰な期待はしないこと。

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2012年2月26日 (日)

スーパー!

★★★☆

 『キックアス』や『ゼブラーマン』同様、ヒーロ一コスプレおたくが主演のコメディー?なのだが、かなりブラックで残虐でもある。
 なんとヒーローの武器は特大スパナであり、これで背後からあるいは馬のりになって、容赦なく何度も顔面を叩くのだからたまらない。当然敵の顔は潰れて血だらけになって、即死してしまうこともある。そのうえその敵というのも、チケット売場で横入りした者や児童売春を行った者などであり、彼の行き過ぎた制裁には、ほとんど説得力がない。

Super
 そもそも主人公は単なるコスプレおたくではなく、ヒーローになることを決意したのは、最愛の妻を寝とられたからである。フランクは生れてこの方不運の連続であり、たったひとつの幸運は美人の妻との結婚だけだという。ところが最近この美人妻は、悪い男と付きあい始めて、生真面目でうだつのあがらないフランクを捨ててしまったである。

 妻に捨てられてから、彼は妄想の中?で神に選ばれし人間となり、ヒーローになることを決意する。だが神から特別な能力を授けられたわけではないので、特大スパナを武器に選んだというわけなのである。  
 なかなか変わった切り口で、予測のつかない展開には拍手を送りたいが、低予算のためか全搬的にチンケなことと、また残酷な映像も余り好きになれない。なんとなく昔の『悪魔の毒々モンスター』を思い出してしまった。
 それにしても、可愛い相棒リビーの死は、いまだに残念でしょうがない。実はあれは別人だったということで、続編を創れないものだろうか。

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2012年2月24日 (金)

赤ずきん

★★★☆

 グリム童話の「赤ずきん」が成長して美しい娘になったあと、彼女をめぐる三角関係と満月の夜に起こる狼人間の殺人事件を描いたファンタジー・サスペンスホラーである。この物語の主眼は、一体狼人間は誰なのかという犯人探しと、果たして赤ずきんちゃんは、どちらの男と結ばれるのかというロマンスであろう。

Akazukin

 狼人間の正体については、前半にそのヒントが描かれているにも拘らず、最後まで誤解させるような騙し方は見事であった。また赤ずきんちゃんとおばあちゃんとの関係、ラストに狼人間のお腹に石を詰めて川の中に沈めた意味などを、上手にストーリングしていたことも賞賛したい。またファンタジックで美しい映像と雰囲気も良かったと思う。

 だが何かが足りないのである。上映時間が100分というのも、その原因かもしれない。たぶんかなり編集され過ぎていて、童話の持つゆったりとした雰囲気とか、お話の盛り上がりに欠けていたことなどが原因かもしれない。主演のアマンダ・サイフリッドがなかなか可愛いし、いい雰囲気を醸し出していただけにちょっと残念である。だが決してつまらない映画ではなく、そこそこ楽しめる映画であることも間違いないであろう。

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2012年2月22日 (水)

べルセルク 黄金時代篇I 覇王の卵

★★★★

 読んだことはないのだが、本作は「ヤングア二マル」誌で連載された人気マンガなのだという。舞台は中世ヨーロッパ。主役は風貌が『北斗の挙』のケンシロウをコミカルにしたような剣士ガッツ。彼は巨大な剣を自在に操って、壮絶な運命を切り開いてゆく。

Velse
 本作では傭兵軍団「鷹の団」を率いる美貌の剣士グリフィスと出会い、彼のために働くことを誓う。だがグリフィスは、鋭い剣さばきと、巧みな処世術により貴族にまで登りつめる。そしてやがては、自ら覇王となる野望を持っていた。今回はガッツよりも、このグリフィスに視点が置かれており、まるで三國誌を見ている感じであった。
 日本のアニメであるが、ワーナーの資金が投入されているようで、かなりスケールが大きい。映像も超美麗だし、スタッフの数がもの凄いのだ。それは異常に長いエンディングクレジットを見れば一目瞭然であろう。
 本作は一話完結ではなく、これから何話も続いてゆくようである。たかがアニメと侮れない、なかなかのエンタメ大作なのだ。このあとの続編が楽しみになってきた。

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2012年2月20日 (月)

マネーボール

★★★★

 元野球選手だったアスレチックスのGM・ビリーが、野球はド素人だが、コンピューターおたくピーターの補佐を得て、データーによる管理野球を行う。その結果、大リーグ史上前人未踏の20連勝という奇跡を巻き起こすのである。かなりトリッキーな話ではあるが、実話ということなので説得力があるんだね。

Money
 ビリー役のブラッド・ピットの好演も光るが、単なるサクセスストーリーではないところがなかなか好感度である。この作品の中では、大量の金をバラまいて、好成績の選手を集中獲得するヤンキースに対する批判もたっぷり・・・。またトレードなど球団の裏向きの話も盛り沢山で、いろいろと勉強になった。
 そしてこの映画のラストでは、金による野球の終焉を示唆しているのだが、実際にはまだまだ何百億もの巨額マネーが飛び交い続けている現実から抜け出していない。アメリカンドリームも結構だが、一体いつになったら巨大な富と格差の世界が消滅するのだろうか。

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2012年2月18日 (土)

タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら

★★★☆

 休暇をとって、カナダの田舎にある薄汚い別荘に遊びに来たタッカーとデイルの二人連れ。ことにヒゲ面で大男のデイルは、見かけとは全く正反対で、とても優しくてシャイでピュアな男なのである。

Taker
 ところが、同じ場所にやって来た大学生グループは、貧相で臭い二人を見て殺人鬼と勘違いをしてしまう。そしてタッカーたちが、湖で夜釣りをしているとき、溺れていた女学生を助けたことがきっかけとなり、大騒動を招いてしまうのだった。そのうえ幾つもの誤解が重なって、何人もの人が残虐な死に方をしてしまうのである。
 これはスプラッターコメディーというのだろうか。なかなか面白いアイデアなのだが、話の中味がかなりアンバランス。最初は逃げ惑っていた学生たちが、急に凶暴になるし、全搬的に話の展開がかなり単純なのである。
 この作品は若者に受けたらしく、ネットで大好評であるが、もう少し脚本を練って、ストーリーにメリハリが欲しかったし、映画なのだからもう少し製作費をかけてもらいたかったな。

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2012年2月15日 (水)

トゥー・ブラザーズ

★★★★

 カンボジアの古い遺跡に住みついていた4頭の虎のお話しです。父は人間に射殺され、母は行方不明となり、残された2頭の赤ちゃん虎は、それぞれ別の人間達に飼われることになります。
 そして1年後に兄弟虎は、皮肉にも檻の中で人間達によって、無理やり戦わされることになるのです。

Twobrothers
 さてこの映画で虎達の表情を観ていると、まるで演技をしているようで驚かされました。実際には30頭の虎を集め、交代で演じさせたとのことですが、それにしてもよくあれだけの撮影が出来たものだと感心してしまいます。

 ラストシーンはかなり出来すぎの感がありましたが、それでも感動で涙腺がゆるみ放しでした。ただ人間同士のドラマが全くないことと、どうでも良いシーンがいくつかあったことは否めません。そのためか、この映画の中では、人間達は侵略者で、金のために罪のない動物達を殺戮する悪者としてのイメージがつきまといました。
 この映画は動物メルへンとして、できれば子供達と一緒に観ることをお勧めします。

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2012年2月14日 (火)

奇跡の海

★★★★

 エミリー・ワトソン演ずるベスは、事故で半身不随となった最愛の夫ヤンに、自分の変わりに他の男とSE×をしてくれと懇願され戸惑ってしまう。

Kiseki
 しかし思い込みが強く精神分裂症ぎみのべスは、その夫の言葉をまっとうに信じ、夫の望みを果たすことにより、絶望的な病状にある夫を回復させられると信じ、あえて身を堕してゆくのですが・・・
 かなりエロチックな文芸大作といった感じのラブストーリーですが、エミリー・ワトソンの鬼気迫るような体当たり演技と、その巧みな表情の変化には感動してしまいました。
 『パンチドランクラブ』とは、一味も二味も違う役柄でしたが、後女の奥行きのある演技力には、思わず唸ってしまいました。
 また7つのチャプターに分割し、それぞれのオープニング風景と音楽が、主人公べスの心の動きを表現しているようでなかなか印象的でした。 ただ余りにも時間が長過ぎました。
 途中少し退屈で、何度かうたた寝しそうになりました。せめて2時間以内に納めて欲しかったですね。
 また主人公の一途な心が仲々理解され難く、結局救われないまま結末を迎えるため後味が悪く、好き嫌いの分かれる作品かもしれません。

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2012年2月13日 (月)

25時

★★★★

 麻薬の売買をした罪で、翌日から7年間の刑務所勤めが待っている男(エドワード・ノートン)の1日を描いた心理ドラマです。キャストは全て個性的で演技力の豊かな俳優ばかりでした。
 そして派手な中にも、どこか懐かしさを感じる音楽と、美しいニューヨークの映像に、大人の雰囲気がたっぷりと漂っていました。

25

 とくに胸に染みるような『夜の街』の描き方には、『抜群の冴え』を感じました。また2時間15分という上映時間にも拘らず、このような心理ドラマを退屈させなかった演出と、渋味の効いた演技力にも脱帽するばかりです。
 オープニングの犬を助けるシーンが印象的でしたが、その犬を連れて散歩するシーンは、まるで絵画のようにピタリとはまりきっていました。さらにラストに用意されたどんでん返しも、嫌味がなく何んとなく爽やかな印象が残りました。

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2012年2月12日 (日)

96時間

★★★★

 娘を誘拐された父親が、96時間というタイムリミットの中で、たった一人で犯罪組織に挑み、娘を救出するというかなり荒唐無稽なお話。それにしてもこの父親はカッコ良過ぎるよね。まあこのオヤジは、元秘密工作員だったという設定なので、それとなく納得してしまうのだが、普通のオヤジならたちまち殺されてしまうに違いない。

96h

 このスーパーマンのような父親ブライアンを演じたのは、あの『シンドラーのリスト』のリーアム・ニーソンである。どうも彼にはインテリジェンスなイメージがあって、アクションは似合わないと思い込んでいたのだが、なんのなんの、カーチェイス・銃撃戦・そして格闘技もなかなか冴えていた。がたいもデカイし、思わずスティーヴン・セガールを髣髴させられちゃったよ。

 犯人組織から娘を奪還するだけの映画なのだが、とにかくスピーディーでドキドキハラハラ、さらにメチャクチャにイカレまくるモーレツオヤジの狂いまくった行動がもの凄いぜ。そしてスカッと爽やかなエンディングは一服の清涼飲料水のようであった。とにかく面白くて一時も目が離せなかったな。

 それにしても、パリのアルバニア系人身売買組織は怖いね~。空港でイケメンがホテルまで送ったあと、いきなり大勢の暴漢が押し入って、若い女性旅行客を拉致してしまう。そしてヤク漬けにして、売春婦をやらせたり、人身売買に回したりするのだ。女性だけで、フリープランの海外旅行に行く人は、この映画をしっかり観たうえで、くれぐれも用心して欲しいものである。ブライアンのような父親は、現実には存在しないのだから、誰も助けてくれないぜ。(笑)

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2012年2月11日 (土)

東京原発

★★★★☆

 ある日、石原知事もどきの独裁的カリスマ知事が、幹部職員を集めて「東京に原発を誘致する」と宣言するのです。それだけでも皆が度肝を抜かれているのに、原発は都庁の庭といわれる新宿公園に造ると息まくのでありました。そして専門家や学者も巻き込んで、皆でケンケンガクガクと馬鹿げた討議を繰り返すのです。

Tokyogen

 その討論中に、『プルトニウム』を積んで、東京都内を走るトラックが、子供のテロにハイジャックされてしまうという緊急事態が勃発し、上や下への大騒ぎとなります。とにかく荒唐無稽な映画ですが、原発に関する沢山のウンチクと、政府の推進するデタラメ行政を、楽しみながらお勉強させてもらえます。

 館内は苦笑、失笑、爆笑の連続ですが、知らず知らずのうちに、原発の無意味さと恐ろしさを、心ゆくまで知らされてゆく仕組みになっています。チェルノブイリの例によると、もし大地震などで『浜岡の原発』が破壊されたら、東京まで放射能が届いてしまい、そのうち約80%の人々が死亡するらしいのです。これは大変な事実で、もしそうなれば日本は完全に壊滅状態です。

 政府や電力会社は、それらの事実は公表せずに、誤った安全性だけを宣伝し、巨額の予算を投入し続けています。また本来は石油や原子力以外でも、電力を生み出す技術力がありながら、予算が原子力のみに配分されるため、なかなか研究開発が進まないのが実情のようです。これらは全て一部の企業や政治家の利権のために、行われているというわけです。
 
 こうした諸々の知識が、愉快なストーリーを通して自然に伝授されるのですからたまりませんね。
 このような映画は、邦画では極めて稀な存在ではないでしょうか。いずれにしてもこの作品は、シナリオと個性派俳優達の演技力の勝利といえるでしょう。ただ政治的な圧力により、ほんの一握りの映画館でしか上映されなかったため、興業的には採算が獲れなかったと思います。それが一番残念でたまりません。より多くの人々に、この映画を観てもらい、国家の危険な過ちを知ってもらいたいし、今後もこうした分かり易い政治映画を創ってもらいたいと感じたからです。

(本文は2004/04/05に書いたものです・・・念のため)

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2012年2月10日 (金)

赤目四十八滝心中未遂

★★★★☆

 車谷長吉の純文学小説を、ここまで忠実に描いた脚本を絶賛したいと思います。
 また日本アカデミー主演女優賞に輝いた、寺島しのぶの大胆な演技にも拍手を送りたいと思います。彼女は見事なプロポーションを持っていますが、決して絶世の美女ではありません。でもそのアンバランスな魅力が、尼ヶ崎という地域にマッチしていました。

Akame
 たださすがに、小説のように心の葛藤を詳細に描くことは難しかったと思いますが、逆に赤目四十八滝の神秘的な美しさは、映画でしか描けなかったと感じました。そしてその神がかりな風景の中に、心中に向かう2人の心象が溶けこんで、原作に勝るとも劣らない、見事な作品に仕上がっていたと思います。
 残念なことに、まだまだこのような作品は、メジャーには乗せられず、一部のミニシアターでしか上映されないのが実情であります。

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2012年2月 9日 (木)

J・エドガー

★★★

 さすがクリント・イーストウッド作品のブランド力は凄いね。平日の昼間から映画館は満員御礼であった。従って興行的には大成功かもしれないが、作品の出来はいまひとつかもしれない。

Jedg
 決してつまらない作品ではなく、アカデミックな社会派ドラマなのであるが、映画としてはちょっともの足りないのである。主人公の自己中な性格には共感出来ないし、ドキドキするような心理描写もなければ、アクションもロマンスも皆無なのだ。

 イーストウッドの作品としては、かなり異色であり、ある意味力みのようなものを感じてしまった。余りアカデミー賞など意識せず、心にジーンとくる作品に徹して欲しかったのだが、イーストウッドも人の子、そろそろ限界点に達してしまったのかもしれない。
 キャストとその演技と老けメイクに関しては申し分なかっただけに、脚本のつまらなさは実に残念であった。次回作こそイーストウッドにとっては、正念場となるに違いないだろう。

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2012年2月 6日 (月)

8月のメモワール

★★★★

 原題は『The War』で戦争の悲惨さと無常さをテーマにしたかったのかもしれませんが、僕はむしろこの邦題のほうがぴたりと当てはまっていると思いました。
 戦争で友人を救えず、永遠に心の傷が癒されない父親(ケビン・コスナー)の生きざまに、初めは多少疑問を感じていた息子(イライジャ・ウッド)でしたが、ある出来ごとを境に父を尊敬し、自分も父のスピリットを受け継いで生きてゆこうと決心する~というまさにオールドアメリカンなお話です。

8manth
 父の息子に、そして家族に対する深い思いやりと、子供達に『私は父さんの体の一部』だと宣言する妻の深い愛情、そして父と母と弟を気づかう娘の優しさに心を打たれない人はいないでしょう。
 そして息子がだんだん成長してゆき、やがては父を乗り越えようと命がけで頑張る姿には思わず涙してしまうでしょう。
 貧しくとも、不運であっても、愛する人のために努力を惜しまなければ、必ずその先に幸福を見ることが出来るというアメリカ人の前向きなスピリットは、いつも生きる励みになります。
 また主演のイライジャ・ウッドは、当時まだ中学1年生くらいで、本当の子供ですが、『ロード・オブ・ザ・リング』の役柄よりもずっと演技力があって、存在感もあったと思いました。

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2012年2月 4日 (土)

麒麟の翼

★★★★☆

 さすが東野圭吾が自我自賛するだけの傑作だ。一応ミステリーを装ってはいるが、これは完全な社会派ドラマである。
 オープ二ングは中井貴一紛する大企業の製造本部長が、何者かに胸を刺されながらも、日本橋の麒麟像の前まで歩き続けて絶命してしまうシーンで始まる。犯人探しもさることながら、なぜ彼が助けも呼ばずにここまで歩いてきたのかが、この物語の本当のテーマとなっている。

Kirin

 冒頭でこの作品がミステリーではなく、バリバリの社会派ドラマだと断言したのは、この物語には幾つもの問題提起が仕込まれているからである。
 まず家族の中における父親不在の構造と、父子のコミュニケーション皆無の問題。それから事件解決のためには、それが例え不確実で、どんな社会影響を与えるかも判らないことでも、あえてマスコミにフリークする警察の姿勢。さらにはそれを無責任に面白おかしく脚白して報道する、ハゲタカのようなマスコミたち。
 また自己保身のために、子供たちをダシにして真実をねじ曲げる教師や、死人に口無しとばかりに、被害者に責任を転嫁するエリートサラリーマン。そして子どものためにと、あえて命を賭けても、それが実を結ばず被害の輪を広げてしまうと言う矛盾な皮肉・・・と、幾つもの問題提起が続いてゆくのである。

 従ってこの作品には、直接・間接を問わず、多数の加害者と多数の被害者が存在することになる。それがこの作品が単なるミステリーで終っていない理由であり、かつ観るものを選ばず、作品の質をも底上げしているのである。

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2012年2月 3日 (金)

オアシス

★★★★☆

 刑務所から出てきたばかりの、少し頭の弱い男と、脳性麻痺の女性との激しい恋のお話です。
 予告編を観たときは、身体障害者の恋という設定から、邦画の『ジェゼと虎と魚たち』をパクッたのかと思っていました。

Oasis
 ところがそんな甘い映画ではなく、とんでもなく切なく、赤裸々で激しい作品でありました。
 また韓国では身障者に対する偏見と差別が、あれほどひどいものなのか、果してここまで描いても良いのかと疑問に感じたくらいです。
 とても日本では作れない映画ですね。またしても韓国にやられたと、思わず唸ってしまいました。
 オアシスというタイトルの由来は、脳性麻痺の女性の部屋に飾られているインド絵のタイトルです。
 そして彼女は、この絵に写る街路樹の影をいつも怖がっていたのですが、これがラストの感動的なシーンと繋がってゆく手法は実に見事でした。
 主人公の2人は、ともに素顔は美男・美女の俳優さんなのですが、スクリーンの中では、まるで別人格の顔を演じきっていました。
 ことにもの凄い形相で、脳性麻痺を演じきった女優さんの、魂を揺るがすような強烈な演技には、心底敬服し度肝を抜かれました。あんな凄い演技は観たことがありません。
 この映画では、ずる賢い奴等ばかりが得をして、いいたいことを言いまくります。反面、純白のような真直ぐな心の持ち主が、損ばかりして報われないという空しいテーマとなっています。
 従ってどうやっても救われない人々の切なさが心に溜まって、どうにもならない後味の悪さが残ります。たぶんこのあたりが、この作品の好き嫌い分岐点になるかもしれません。

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2012年2月 2日 (木)

三国志英傑伝 関羽

★★★

 どうもこの映画は、中国でも日本でも余り評判がよろしくないようだ。何が良くないのかを確かめるため、あえて不評の本作を観ることにした。

Kanu
 やはり世間の評価は間違ってはおらず、絶賛出来る映画にはほど遠い感があった。まずストーリーがないこと。そして劉備の妻を登場させる必然性が皆無であること。だが何と言っても、神様扱いされている関羽を描くのは難しいということだ。人気者の関羽が主役ということだけで、熱烈な期待をされるのだから、その期待を裏切らないための脚本と演出は、至難の技になるからである。

 ただアクションはなかなか良かったと思うので、アクションを目的として観れば、それほど悪い作品とはいえないだろう。ことにあの狭い路地での決闘は凄まじかった。そしてワイヤーを使った超ド派手なアクションではなく、正統派的武術アクションにも好感を持った。
 それにしても関羽よりも曹操のほうが魅力的に観えたのは、役者のキャリアの違いなのか、演出のためなのか気にはるところだ。もしかすると、中国で不評なのはそれが原因なのかもしれない。

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