HERO/英雄
★★★★
監督は『初恋のきた道』のチャン・イーモウ、主演はアクション俳優のジェット・リーの中国映画なのですが、桁外れのスケールと超美麗な映像だけを選りすぐったような驚くほど美しい作品に仕上がっていました。
ただ剣舞劇を思わせるような舞踊的アクションが多いので、ジェットリーのスピーディーなアクションだけを期待して観に来た人にはちょっと期待外れだったかもしれません。それにしても最初の敵長空と無名(ジェットリー)の戦いだけは、思わず息を呑むほどスピード感のある素晴らしいアクションシーンでした。さらに秦軍の空から降り注ぐ巨大な雨のような大量の弓攻撃には、度肝を抜かされるとともに激しい恐怖感を抱かされました。
実はこの映画はアクション映画ではなく、秦の始皇帝と暗殺者との葛藤を描いた壮大な叙事詩だったのではとも思われます。それは「書」の中に潜む宗教観と、始皇帝と無名との話に黒沢明の「羅生門」を思わせるような文学的展開を感じたからです。
この作品は映像、スケール、キャスト、ストーリーとどれをとっても満点なのですが、余りに完璧さにこだわりすぎて、整形美人のように現実と乖離し過ぎてバランスを壊した結果、感情移入が出来なくなってしまったような気がします。それが心からの感動を引き出せなかった大きな理由ではないでしょうか。
いずれにしても壮大なスケール、美しい風景や建築物、華麗な衣装など芸術的なくらいに見事な映像は、ビデオではなく絶対に映画館で観なくては、その本来の美しさを体感することが出来ないと思いました。
最後にクリックしてランキングを確認してくれると嬉しいな↓↓↓
↓ブログ村とクル天↓もついでにクリックお願いします(^^♪
| 固定リンク | 0
« エデンより彼方に | トップページ | アイリス »
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- ケイコ 目を澄ませて(2024.09.15)
- ノマドランド(2024.09.12)
- RUN ラン(2024.09.05)
- アーカイヴ(2024.09.02)
- ミーガン(2024.08.30)
コメント