恋の罪
★★★
『冷たい熱帯魚』で、大ブレイクした園子温監督作品。舞台が渋谷の円山町ということもあり、この作品を渋谷の映画館で観ると、かなり現実味が沸いてくる。
今回は『冷たい熱帯魚』のようなグロイシーンはほとんどなく、セックスシーンと女優たちの恥毛にまみれたヒワイな映画であった。渋谷の街角でたちんぼうをする女助教授と、人気作家の妻、そして浮気をやめられない女警察官。彼女たちは金に困っている訳ではないが、どこか精神が病んでいる。
「無料のセックスは愛する人と、愛のないセックスは1000円でもいいから金をとる」というポリシーを貫く助教授。だが本当に愛している人は、なかなか振り向いてくれない。そして愛を捧げたい人は、近寄り難い『城』のような存在だという
なにか気違いじみたプロットだが、すでに桐野夏生が全く同じテーマで、『グロテスク』という小説を発表している。その小説を読んだときは、ショックで呆然とし、いつまでも脳裏にこびりついて放れなかった。
だがこうしたある種のキワモノ的作品は、一度目は新鮮な驚きから、異常な破壊力を発揮するのだが、二度目のパンチはもう通用しないものだ。だから惑々ドキドキ感も得られず、感情移入も出来ないまま、144分間という上映時間が、異常に長く感じてしまった。
それにしても園子温監督は、マゾなのかサドなのか、そしてかなりしつこいし、粘着的な執念深さを感ずる。この監督にはなにかがとりついているようで、とても怖いよなあ。
主なキャストは水野美紀、冨樫真、神楽坂恵だが、全員が恥毛完全丸出し。ことに冨樫真と神楽坂恵の体当り演技には脱帽。あと大方斐紗子バアさんの狂気の演技が凄いよね。もしかすると、そのど迫力が本作中ピカイチだったかもしれない。
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