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2011年11月の記事

2011年11月28日 (月)

神☆ヴォイス

★★★★

 館内は若い女性一色で、ムンムンムレムレの大盛況である。だが私以外に、おじさんの姿は全くなく、場違感がフル稼動で、穴があったら入りたかった。

Scan10477
 はじめはバカバ力しいなと思いながら観ていたが、中盤頃から俄然面白くなり、クライマックスで、『神☆ヴォイス』が発せられると、感動のため涙が落ちてきたから不思議である。
 本作の原作はコミックで、『アニメの声優』が主人公という珍しい設定。また映画のキャストは、主演の梶裕貴を始めとして、数多くの声優が出演しているのが面白い。
 それにしても、いまのコミックは、何でもかんでも題材にしてしまうから凄いよな。

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2011年11月25日 (金)

インモータルズ 神々の戦い 3D

★★★☆

 本当は2Dで観たかったのだが、タイミングが合わず、仕方なく3D版を観ることになってしまった。案の定、3Dといってもほとんど立体感がない。やはり2Dで十分だと改めて痛覚する。
 だがCGを始めとするVFX映像は、スケールが大きく、まるで絵画のように超美麗であった。この映像を観るだけでも、この映画を観る価値があるのではないだろうか。

Immortals
 本作はインモータルズ(不滅のもの=神)をテーマとしながらも、従来のギリシャ神話とは一線を画し、スピード感溢れる新感覚の神々が登場する。
 主人公のテセウスを演じたへンリー・カヴィルは、なかなかイケメンでビルドアップされた肉体美も素晴らしい。さすが、新・スーパーマン(マン・オブ・スティール)に抜擢されただけのことはあるね。
 一方、敵の総大将ハィペリオン役は『レスラー』を好演したミッキー・ロークが、憎々しげだが、ちょっぴりお茶目な役を、見事に演じ切っていた。

 難を言えば、もっともっと神々が活躍するシーンが多いほうが楽しめたと思う。またせっかく手に入れた、『エピロスの弓』を、簡単に奪われてしまったのも、観客のストレスを助長させる要因になってしまった。
 このあたりのまとめ方を誤っていなければ、抜群の評価を得ていたと思うのだが・・・実に残念でありもったいないよね。

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2011年11月23日 (水)

月に囚われた男

★★★★

 3年契約で、月にあるエネルギーを採堀する男のお話。登場人物はサム・ロックウェル一人きり。地球との直接交信は許されず、話し相手は妙な形をしたロボットのみ。

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 一人芝居であり、月面のセットを観ても、低予算映画であることはミエミエである。お蔭で序盤は退屈で我慢できなかった。ところが、採堀機の中でもう一人のサムが発見されると、その後の展開が気になって、たちまち面白くなってきたから不思議である。

 この作品を観るきっかけになったのは、先日観たダンカン・ジョーンズ監督の『ミッション:8ミニッツ』がいたく気に入り、同監督のデビュー作である本作を観てみたくなったからである。ちなみに同監督は、あのデビット・ボウイの息子だという。

 さて本作にっいては、詳しく内容を明かすと、興味が半減してしまうので、これ以上の説明は省くが、ある意味で、S・キューブリック監督の『2001年宇宙の旅』へのオマージュ作品なのではないかと感じた。

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2011年11月21日 (月)

ラビット・ホール

★★★★

 息子の事故死を、なかなか受入れられない母親べッカに、ニコール・キッドマン、その夫ハウィーにアーロン・エッカートというキャスト陣。ニコール・キッドマン主演の映画を観るのは、『オーストラリア』以来、約3年振りである。相変わらず若くて美しい彼女であるが、いつも女王様のような派手な役回りばかりで、本作のように普通の主婦を演じるのは珍しいよね。

 夫役を演じたアーロン・エッカートは、真面目で優しい雰囲気が漂い、まさにピッタシカンカンの当たり役だったのではないだろうか。実際、神経質で気まぐれな妻に対しては、こうした大らかで優しい旦那が必要なんだね。

 ストーリーは、すでに息子を失って数ヶ月後から始まり、母親のべッカが内面で苦悩し続け、夫婦の危機を乗り越えて、次第に自己を取り戻してゆくまでを描いている。
 べッカは、表向きはひたすら苦悩を隠し続けるのだが、どうしても不愉快な態度を抑え込めず、夫・母・妹や近所の人々ともうまく付き合えない。夫はこれを堪えていろいろと努力するのだが、ある出来事が発覚したときに、かなり動揺して他の女性のもとへ走る。

 ある出来事とは、息子を事故死させてしまった少年とべッカが逢瀬を重ねていたという事実であった。べッカは少年を許容することによって、息子の死を受け入れようと思ったのかもしれない。
 またタイトルのラビット・ホールとは、この少年が描くSFマンガに登場するブラック・ホールのようなもので、パラレルワールドへの扉である。このパラレルワールドの存在こそが、ベッカの心の扉と重なって、生きてゆく活力を生み出すことになるのかもしれない。

 そして終盤に、同じ体験をしているベッカの母親が語る言葉が、かなり印象的で含蓄があった。
「大きな岩のような悲しみは、決して忘れはしないが、やがてポケットの中の小石に変わってゆく」

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2011年11月19日 (土)

アレックス

★★★

 主演女優モニカ・べルッチの妖艶なジャケットにつられて衝動的にレンタルしてしまったが、娘に言われて始めてR18指定であることに気付いた。
 予備知識ゼロでこの作品を観るとひどい目に合うので要注意!
 そもそも前半の45分は全く意味不明であり、手ぶれや大回転カメラワークのほか、不鮮明な照明と狂ったような騒音が延々と続くのだからたまったものではない。映画館で上映されたときは途中でかなりの退場者が出たようだが、当然だと思った。幸い僕が観たのはビデオだったので、これら前半のシーンは全て早送りしながら観てしまった。

Alex

  普通に再生して観る気になったのが、45分すぎにやっと主役のアレックスが登場してからである。このあと信号待ちを嫌ったアレックスが『赤い地下道』の中でホモの男性に強姦されたうえ顔面を破壊されるシーンが10分以上も続くのである。
 このシーンが最大のハイライトであり、気分も最悪になること必死である。本当にイヤ~ナ映画だ!
 だが悲しいことに、前半の退屈さとはうって変わって、画面の中に吸い込まれてゆく自分を感じてしまうのである。そしてこのあたりから、この作品が『メメント』のように各シーンごとに時間を逆行して作っていることに気付き始めるのだ。ただ『メメント』と違うのは、完全に逆行しているのではなく、パズルを意識したのか、ある程度ランダムに組合わされていることである。

 従ってエンディングを観たあとに、何度もテープを巻戻して確認する羽目になってしまった。
この監督は『キューブリック崇拝者』で時計仕掛のオレンジを気取っている風でもあるが、芸術家ぶるのもいい加減にしろといいたい。
 だからといって単なるクソ映画で捨ててしまうのも惜しい映画でもある。とにかく『芸術家ぶる』ところが一番いけない。まずもう少し真面目に映像を撮れといいたい。また観る側の気分をひどく害するようなシーンをしつこく繰り返すなとも言いたい。また時間をテーマにするのに、暴力とレイプとゲイしか登場しないのは、いかにも淋しい発想としかいいようがない。いつまでも僕の心に引っ掛かったのは、スタートとラストの『謎』のシーンと、時間をバラした『ジグゾーパズル』の組合せだった。

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2011年11月18日 (金)

恋の罪

★★★

 『冷たい熱帯魚』で、大ブレイクした園子温監督作品。舞台が渋谷の円山町ということもあり、この作品を渋谷の映画館で観ると、かなり現実味が沸いてくる。
 今回は『冷たい熱帯魚』のようなグロイシーンはほとんどなく、セックスシーンと女優たちの恥毛にまみれたヒワイな映画であった。渋谷の街角でたちんぼうをする女助教授と、人気作家の妻、そして浮気をやめられない女警察官。彼女たちは金に困っている訳ではないが、どこか精神が病んでいる。

Scan10405

 「無料のセックスは愛する人と、愛のないセックスは1000円でもいいから金をとる」というポリシーを貫く助教授。だが本当に愛している人は、なかなか振り向いてくれない。そして愛を捧げたい人は、近寄り難い『城』のような存在だという
 なにか気違いじみたプロットだが、すでに桐野夏生が全く同じテーマで、『グロテスク』という小説を発表している。その小説を読んだときは、ショックで呆然とし、いつまでも脳裏にこびりついて放れなかった。
 だがこうしたある種のキワモノ的作品は、一度目は新鮮な驚きから、異常な破壊力を発揮するのだが、二度目のパンチはもう通用しないものだ。だから惑々ドキドキ感も得られず、感情移入も出来ないまま、144分間という上映時間が、異常に長く感じてしまった。

 それにしても園子温監督は、マゾなのかサドなのか、そしてかなりしつこいし、粘着的な執念深さを感ずる。この監督にはなにかがとりついているようで、とても怖いよなあ。
 主なキャストは水野美紀、冨樫真、神楽坂恵だが、全員が恥毛完全丸出し。ことに冨樫真と神楽坂恵の体当り演技には脱帽。あと大方斐紗子バアさんの狂気の演技が凄いよね。もしかすると、そのど迫力が本作中ピカイチだったかもしれない。

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2011年11月16日 (水)

コンテイジョン

★★★

 余り馴染みのないタイトル名だが、『Contagion』とは、『伝染』という意味であり、本作は今だかって人類が遭遇したことのないウイルスの恐怖を描いた、パニック・スリラー映画である。
 この映画で描かれている新種ウイルスは、接触によって感染し、数日で死にいたるという猛烈な破壊力を持っている。SARS(サーズ)と似ているが、それを遥かに上回る感染力を発揮するようだ。

Cont

 これらの新種ウイルスが怖いのは、その発生原因がはっきりせず、治療方法がなかなか見つからないということである。たとえ見つかっても、実用化されるまでに、何度も実験が繰り返され、認可されるまでに膨大な時間を要してしまう。その間にも、どんどん感染者が増加して、下手をすると人類は滅亡してしまう恐れさえある。
 またこのウイルスが自然発生したものなら、ある意味諦めもつくが、もしテロなどによってバラまかれたとしたら…。もうどうすることも出来ないだろう。まさに原爆よりも遥かに強力である。
 もし世界中のどこかで、このような恐ろしいウイルスに侵されたとしたら、あっという間に全世界に蔓延し、人題は壊滅してしまうだろう。もはや一国だけの問題では済まないのである。

 この映画でも描かれているが、さらにウイルス以上に恐ろしいのが『人間』である。ひとたび良識と暗黙のルールというタガが外れてしまったときの人間は、何をしでかすか分からない。暴動・略奪・さらにはそれらの人々を煽り立てるネット支配者、自分の身内だけを助けようとする政府関係者など。
 この映画で一番描きたかったのも、そうした人間の裏側に潜む、制御不能の悪魔たちなのだろう。それがこの映画を観ている者にもヒシヒシと伝わって、観客全員の心を恐怖漬けにしてしまう。まさに『Contagion』である。

 キャストは、マット・デイモンをはじめとして、マリオン・コティヤール 、ローレンス・フィッシュバーン、ジュード・ロウ、ケイト・ウィンスレット と主役級の俳優がずらりと並ぶ。また淡々としながらも、恐怖心を煽るようなリズムカルな音楽もなかなか良かったね。
 ただ余りにも、ドキュメンタリー風の流れにこだわり過ぎたのか、ストーリーにメリハリがなかった。それにラストのしまい方も、ちょっとあっさりし過ぎて、感動という『熱い思い』が沸いてこないのが実に残念である。

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2011年11月14日 (月)

ステキな金縛り

★★★★

 三谷幸喜監督の法廷ミステリーだが、なにをやってもダメな女弁護士が、落武者の亡霊を殺人事件の証人として出廷させるという、前代未聞のストーリー。

Kanashiba
 キャストのほうは、ダメ弁護士役の深津絵里、落武者・六兵衛役の西田敏行をはじめとして、阿部寛、竹内結子、浅野忠信、草なぎ剛、中井貴一、市村正親、小日向文世、佐藤浩市、深田恭子、篠原涼子、唐沢寿明と主役級の俳優が目白押しなのだ。

 予告編を観た限りでは、なんとなくバカバカしい映画のようで、余り観る気がしなかったのだが、娘に超面白いよと薦められて観る気になったわけである。まさにドタバタ喜劇ではあるが、笑いあり涙ありの実に面白・楽しい映画に仕上がっている。良い意味で期待を裏切られた作品といえるだろう。

 そして主役の深津絵里がとても可愛い。『悪人』のときの暗いイメージは全くなく、こんな明るい役柄も似合う素敵な女優さんなのだと、つくづく彼女の演技力の奥深さに感心してしまった。今後の更なる活躍に期待したいね。

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2011年11月12日 (土)

リベリオン

★★★★

 マトリックスを髣髴させるポスターに惹かれてレンタルしてしまいました。えてしてこうした映画は、期待外れの結果に終わるものですが、以外といっては失札ですが、そこそこに満足出来る作品でありました。

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 ことにガン=カタと呼ばれるガンアクションはまるで神技のようでした。ものすごいスピードで敵の弾丸を避けながら、表情1つ変えずに20人くらいの相手を次々に撃ち殺してゆくのです。このあたりはマトリックスに似ていますが、低予算なのでCGやSFXはほとんど使わずに、理論とスピードを駆使したアクション仕立てに終始しているのも新鮮な感じでした。

 アクション以外のストーリーも第3次世界大戦後の近未来という背景で、第4次世界大戦を引き起こさせないため、人間の感情を悪として、芸術や愛情さえ排除するという、ちょっと行きすぎた政府の指導に反逆していく・・・という展開の作品です。
 ガタカという映画にちょっと感じが似ていますが、とにかくバリバリのアクション近未来SF映画ですから、アクションファンにはお勧め致します。

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2011年11月11日 (金)

ニューヨークの恋人

★★★★

 時間のひずみを通って、過去の世界から、現代にタイムスリップしてくる伯爵と、現代に生きるキャリアウーマンのラブコメディーであります。
 主演はラブコメの女王ことメグ・ライアンと超紳士的美男のヒュー・ジャックマンでした。メグは40才を過ぎたようですが、可愛らしさから大人の美しさに変身したようでうっとりとさせられました。

メグ・ライアン/ヒュー・ジャックマン/ニューヨークの恋人 メグ・ライアン/ヒュー・ジャックマン/ニューヨークの恋人

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  またヒュー・ジャックマンの清楚な美男ぶりにも、男ながらあこがれの気持を抱かされてしまいました。
 とにかく僕の好きなテーマであり、全員好感の持てるCast陣に満足しましたが、淡々とした展開で今一つ盛りあがりに欠けていたのが、唯一最大の欠点かもしれません。
 僕の中では、いつまで経ってもアンディー・マグダウェルとビル・マーレの『恋はデジャヴ』を超えるラブコメが出現しないのが残念です。

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2011年11月 9日 (水)

七瀬3部作

 もうかなり前の作品だが、筒井康隆の書いた、『家族八景』、『七瀬ふたたび』、『エディプスの恋人』という小説群がある。この3作は、全作が火田七瀬という、テレパシー能力を持つ美女が主役のSFで、『七瀬3部作』とも言われている。

家族八景 (新潮文庫) Book 家族八景 (新潮文庫)

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 『家族八景』は、七瀬が八軒の家のお手伝いさんをしていた頃のお話で、SF版『家政婦は見た』のようなオムニバス短編集である。彼女はテレパシー能力に勘づかれないよう、お手伝いさんとして8つの家庭を転々とする。超能力者ゆえに、それぞれの家庭に散在する欲望や狂気を読み取ってしまい、怒りと失望感を味わい葛藤してゆく。本書が三部作の中でも一番評価が高いようである。

七瀬ふたたび (新潮文庫) Book 七瀬ふたたび (新潮文庫)

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 『七瀬ふたたび』は、その続編であり、七瀬がいろいろな超能力者と出合ってゆく話。ここでタイム・トラベルが可能な超能力者と出会う。これもある程度連続性のあるオムニバス作品である。また『七瀬ふたたび』については、2010年に芦名星主演で映画化されているが、残念ながら余り評価は高くなかった。

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 そして最終巻の『エディプスの恋人』だけが、長(中)編で、作風もそれまでとは異なり、急にシリアスになってしまった。
 そしてラストは宇宙だの神だのと、スケールも大きくなってくるのだ。だから、従来の展開を期待した筒井ファンには、余り評判が良くないようである。但し私の評価は決して低くはない。いろいろな展開があっても良いし、長(中)編で、じっくりと謎を解いてゆくのも楽しいと思ったからである。

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2011年11月 7日 (月)

ミッション:8ミニッツ 

★★★★☆

 正確にはタイムトラべルではないのだが、『恋はデジャ・ブ』とか『ターン』とか『リプレイ』などのように、何度も時間を繰り返すストーリーである。私の大好きなテーマということもあり、ちょっと採点が甘いかもしれないが、最近観た映画の中では一番面白かった。

Mission8

 テロによって、乗客全員が死亡する列車爆発事故が起こる。更なる犠牲を出さないため、政府の極秘ミッションが始動。ある方法」によって犯人を探し出すというのだ。
 その「ある方法」とは、ある兵士の意識に、死亡した乗客の記憶を転送するという技術である。だがそのタイムリミットは8分間だという。つまり死者には、残像と同様に、絶命寸前8分間の記憶が残存しているという仮定による。
 だが8分間では何も出来ない。従ってこれを何度も繰り返すことによって、無駄を省き重要な事実だけを探り当てるのだ。ただ兵士の体力の限界もあるため、ある程度の回数しか繰り返すことは出来ない。

 実によく出来ている設定である。もしその8分間の中で、途中下車するなどして、事実と異なる行動をとったらどうなるのか。そして物語は核心に迫ってゆく…。またこの結末は、誰にも予測が困難だという。本作はタイムトラベルではなく、どちらかというとパラレルワールドだと言えば、何となく結未も予測出来るだろう。

 キャストは主役のコルター・スティーヴンス大尉に、『プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂』のジェイク・ギンレイホール。ヒロインのクリスティーナには、『デュー・デート』のミシェル・モナハンといったところ。
 双方ともなかなか役柄にはまっていたよね。またスクリーン上の主人公同様、初めは余り乗り気のしない女性だったミシェル・モナハンが、何度も繰り返して会っているうちに、だんだん愛しくなってきたから不思議である。

 この映画の内容については、余り詳しく語らないほうが良いだろう。とにかく決して損はないと思うので、劇場で観てもらうしかないね。

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2011年11月 5日 (土)

譜めくりの女

 金髪で色白でスタイルの良いメラニーだが、どこか翳があって何を考えているのか全く分からない。その翳りの原因は、彼女がピアニストを目指していた少女時代に遡ることになる。

 彼女は小さな町の精肉店の娘で、10歳の頃に音楽学校の入試を受験。そしてピアノの実技試験中、審査員だった人気ピアニスト・アリアーヌの無神経な態度に動揺してミスを犯し、ピアニストの夢を絶たれてしまったのだった。

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 それから10数年後に、自分の夢を砕いたアリアーヌと再会するのだが、もちろんアリアーヌのほうは昔のことなど何も覚えていない。そしていつの間にかアリアーヌのピアノの譜めくりになったメラニーは、誰にも気付かれないよう、ジワジワと復讐の刃を研いでゆく。

 アリアーヌには『地上5センチの恋心』のカトリーヌ・フロが扮しているが、彼女の年齢と小学生の息子との年齢にはギャップがあったな。それに今回の役柄もあるが、『地上5センチの恋心』のときの愛らしさは全くなかった。

 一方メラニー役のデボラ・フランソワは、ダルデンヌ兄弟監督の『ある子供』で、鮮烈な映画デビューを果たした。そして同作品は、カンヌ映画祭でパルムドールを受賞している。彼女は主人公の子供を出産する少女を演じ、セザール賞有望若手女優賞にノミネートされたという。将来有望な女優の一人である。

 本作は復讐劇ではあるが、一滴の血も流さず、いやらしいほど淡々と心の中を蝕んでゆく心理劇である。サイコスリラーの名作『ゆりかごを揺らす手』とも、どことなく雰囲気が似ているが、それほど血生臭くないのでご安心を。それにしても、メラニーの少女時代の悔し涙が一番印象的だったね。

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2011年11月 4日 (金)

ランゴ

 ★★☆

 ホラ吹きカメレオンが、保安官に就任し、水のない町で悪人どもや悪徳町長と戦うという西部劇調のアニメである。声の出演がジョニー・デップといえば、『パイレーツ・オブ・カリビアン』のジャック・スパロウを思い起こすだろう。そうまさに主役のカメレオンのランゴは、ジャック・スパロウ船長バリのドタバタおとぼけキャラなのである。

Rango
 非常に精細に描かれたアニメーション、そしてマカロ二ウェスタン調のギター演奏にも惹かれた。だが眠くてたまらないのだ。それは変に気どった小難しいセリフと、主役のカメレオンもその彼女も、全く可愛らしくないため、感情移入が出来なかったからかもしれない。

 お子様向けでもなく、アニメオタク向けとも言い難い。一体どのような観客を想定して製作したのか知りたいね。新感覚アニメだと言えばそれまでだが、少なくとも日本人向けの作品とは言えない気がする。

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2011年11月 2日 (水)

ショート・カッツ

★★★☆

 害虫駆除のために、へリコプターで、市街地に農薬を散布しはじめるという、よく意味の分からないオープニングがいやに長く続く。これは一体何を意味しているのか、最後までよく理解出来なかったが、街の人々が狂気に陥ってゆくというメタファーなのだろうか。

Shoot  この作品は、レイモンド・カーヴァーの短編をいくつか繋ぎ合わせ、10組の家族の日常に潜む非日常を描いた群像劇だという。それにしても凄い豪華キャストである。
 まず私の大好きなアンディー・マクダウェルにブルース・ディヴィソン、ジャック・レモン、ジュリアン・ムーア、ロバート・ダウニー・Jr、ティム・ロビンスなどなど、主役級の俳優がズラリ。

 一番印象に残ったのは、なんとあのジュリアン・ムーアが、延々3~4分間に亘って、下半身丸だし状態で夫と口論するのだ。赤毛の薄いアンダーへアーがまぶしかったな。それにしても、この映画ではアンダーへアー丸出しの女優が、ほかに3人もいたんだ。
 そして登場女優の半分は、ヌードを披露しているのである。そのほとんどが、セックスシーンではないところが、エロ映画ではない証拠であり、監督の良心なのだろうか。

 また男達のほとんどが、いかれているのは、何を意味しているのか。ことに水中の死体をほったらかして、釣りを続けるおじさん達には、ちょっとついていけなかったね。
 しかしそれにしても、189分という、3時間を超える上映時間は長過ぎるよ。これでは『ショート・カッツ』ではなく、『ロング・カッツ』だよね。映画はせめて2時間以内でまとめて欲しいものである。

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