★★★
余り馴染みのないタイトル名だが、『Contagion』とは、『伝染』という意味であり、本作は今だかって人類が遭遇したことのないウイルスの恐怖を描いた、パニック・スリラー映画である。
この映画で描かれている新種ウイルスは、接触によって感染し、数日で死にいたるという猛烈な破壊力を持っている。SARS(サーズ)と似ているが、それを遥かに上回る感染力を発揮するようだ。

これらの新種ウイルスが怖いのは、その発生原因がはっきりせず、治療方法がなかなか見つからないということである。たとえ見つかっても、実用化されるまでに、何度も実験が繰り返され、認可されるまでに膨大な時間を要してしまう。その間にも、どんどん感染者が増加して、下手をすると人類は滅亡してしまう恐れさえある。
またこのウイルスが自然発生したものなら、ある意味諦めもつくが、もしテロなどによってバラまかれたとしたら…。もうどうすることも出来ないだろう。まさに原爆よりも遥かに強力である。
もし世界中のどこかで、このような恐ろしいウイルスに侵されたとしたら、あっという間に全世界に蔓延し、人題は壊滅してしまうだろう。もはや一国だけの問題では済まないのである。
この映画でも描かれているが、さらにウイルス以上に恐ろしいのが『人間』である。ひとたび良識と暗黙のルールというタガが外れてしまったときの人間は、何をしでかすか分からない。暴動・略奪・さらにはそれらの人々を煽り立てるネット支配者、自分の身内だけを助けようとする政府関係者など。
この映画で一番描きたかったのも、そうした人間の裏側に潜む、制御不能の悪魔たちなのだろう。それがこの映画を観ている者にもヒシヒシと伝わって、観客全員の心を恐怖漬けにしてしまう。まさに『Contagion』である。
キャストは、マット・デイモンをはじめとして、マリオン・コティヤール 、ローレンス・フィッシュバーン、ジュード・ロウ、ケイト・ウィンスレット と主役級の俳優がずらりと並ぶ。また淡々としながらも、恐怖心を煽るようなリズムカルな音楽もなかなか良かったね。
ただ余りにも、ドキュメンタリー風の流れにこだわり過ぎたのか、ストーリーにメリハリがなかった。それにラストのしまい方も、ちょっとあっさりし過ぎて、感動という『熱い思い』が沸いてこないのが実に残念である。
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