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2011年9月12日 (月)

善き人のためのソナタ

★★★★

 べルリンの壁崩壊より5年前の東ドイツを舞台にした、珠玉のヒューマンラブストーリーである。当時の東ドイツは超強固な共産主義体制を強いており、上司の命令は絶対であり、思想的に疑わしい人物には、徹底的監視体制が敷かれていた。
 その監視の中でも、密かに自宅の壁の中に取り付けられた盗聴器がもっとも恐ろしい。トイレの音も電話の話も、セックスの声も、全てを政府の監視員に聞かれてしまうのだ。これはまさにナチスそのもの。異常というより狂っているとしか思えない。そしてそれが事実だったというおぞましさ。

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 上司の命を受けたヴィースラー大尉は、反体制派の証拠を掴むため、劇作家ドライマンと、同棲している恋人の女優・クリスタを監視することになる。監視方方法は、ドライマンのアパート前に装着した隠しカメラと、アパートの部屋の中に仕掛けた盗聴器であった。
 前半はヴィースラー大尉の非情で残忍な態度ばかりが目立つ。ところが彼は、自殺したドライマンの友人が残した楽譜「善き人のためのソナタ」を盗聴して一変する。それからは次第に、監視役の彼のほうが、ドライマンたちの自由な思想と、二人の愛情に感情移入し始めてしまうのだった。
 そして始めは無機質で固い表情をしていたヴィースラー大尉が、だんだん穏やかで人間的な雰囲気になってくる。観ている観客のほうも、彼と同様にドライマンとクリスタのこれからの行動が気になってしまうのである。
 終盤にはなんとも悲惨な運命が待ち受けているものの、フランス映画のようにそのままエンディングとはせず、さらにべルリンの壁が崩壊したあとの主人公の生きざまを、追いかけているところが、実にすがすがしくて良かった。

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冷戦状態となっている東ドイツの内幕、国家独裁政治 なんだか、ヒトラーの時代かな… ベルリンの壁崩壊の裏側には、こんな事があったのかと ドキュメンタリーではないけど、そん ... [続きを読む]

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