神様のカルテ
★★★☆
アパートになった古い旅館に住む主人公の医者(桜井翔)とカメラマンの妻(宮崎あおい)。どちらもヌーボーとしていて、余り世俗にまみれていないところが似た者夫婦である。
この作品はこの一風変ったボロアパートに残った4人の住人のやりとりと、医学界の現状に悩む主人公を描きながら、人は何のために生きているのかを、こっそりとそれとなく問いかけているようだ。
それにしても、最近の邦画は、TV局製作のものと原作がマンガのものばかりだ。本作は夏川草介の小説が原作であるものの、マンガ化もされているという。従って主人公の人間性やアパートの住人とのやりとりなどに、少し現実とのギャップを感じてしまうのかもしれない。
終盤になって加賀まりこ紛する末期がん患者とのからみではかなり泣される。だがボロアパートでのシーンは、かなり眠気を感じる展開だし、全搬的に良い人たちしか登場しないパターンにも、なにかすっきりしない違和感を感じてしまった。
ただ医療現場をテーマにした問題意識が高揚したことは確かである。設備限定・少人数の中で、地獄のような毎日を送る町病院の医師と看護師たち。そして最新設備・大人数で日々研究に励む大学病院の医局スタッフ。
役割は異なるものの、その圧倒的な違いは凄まじく、これが同じ日本の医師なのかと疑ってしまう。一見大学病院の医師のほうを選択したくなリそうだが、実際には地獄の町病院を選ぶ医師もいる。
この映画では町病院のよさを患者との人間的な触れ合いに絞っている。だが実際には、大学病院の医局における人間関係に嫌気を起こしたり、給料の高さに惹かれて町病院を選択する医師もいるだろう。
アイドル桜井翔が主演ということもあり、観客はかなり若い女の子が多く、キャーキャーと騒がしかった。そしてその桜井翔だけが、全く医者らしくみえないのだ。いつもヌーボーとしていて、悩んでいるようにもみえない。
ところがこの雰囲気が、後半になってだんだんこの作品の中に染ってゆくところが不思議で面白い。ただ宮崎あおいの存在感のなさがかなり気になった。あの役柄なら、彼女を使う必然性はないのではないか。全くもってもったいないキャスティングである。
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